東方龍球伝〜サイヤ人の王子が幻想入り〜   作:こいつが超ベジット!!

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第1話 敵か味方か?謎の来訪者!

ーーー地球 高度22万メートル

 

[警告!減速装置に異常発生!軌道変更します!搭乗者は直ちに身を守る準備をしてください!]

 

 突然宇宙船内で警告音声が響き渡りうたた寝していたベジータも思わず目を覚ました。

 

「な、なんだとッ!?どうなっていやがる…!こんな事聞いた事すらないぞ……っ!!」

 

 この異常な自体を解決すべく通信装置をいじってみているが、通信すらできない。

 

[減速装置、一部復旧完了。測定不明地域に不時着します!着陸時、強い衝撃が走りますのでご注意下さい!]

 

「(測定不明地域だと…?なんだそれは!?)」

 

 そして一瞬竹やぶが見えたかど思えば直ぐにとてつもない衝撃が宇宙船内を走り、轟音が鳴り響いた。

 そして次目を見開くと、

 

「…ですか…!大……ですか!!」

 

 最初は縁に黒みがかった視界が段々と鮮明になると共に声もハッキリと聞こえてくる。

 女の声だ。紫の長い髪をした。

 

「…良かった!!意識ありますね!ちょっと待ってて下さい!先生を呼んで来ますから!!」

 

 大急ぎで屋敷に上がり走っていく紫髪の女を宇宙船から覗きながらベジータは考える。

 

「(ここは地球のどこなのだ……クソッ!スカウターも壊れてやがる!

うかつだったぜ…!これではカカロットの居場所も掴めん……!)」

 

 そしてしばらくすると、銀髪で少し長身医者のような格好をした女が駆け寄って来た。

 

「少し失礼するわ。ケガの具合を確認するわね。動けるかしら?良ければ肩を貸すわよ?」

 

「は…離せッ!それぐらい自分でできる!」

 

 差し伸べて来た女の手を払い除ける。地球の女の手を借りるなんてサイヤ人の王子としてのプライドが許すはずない。

 そして自分の力で宇宙船から出て立ち上がろうとするがよろめいてしまう。

 その様子を見かねた銀髪の女が、

 

「そんな体で拒否権なんてある訳無いでしょう…。ほら、治療するから、着いてきなさい。」

 

 少し無理やりベジータの腕を方に背負い込み、歩かせようとする。

 

「こ…この女ァ!!」

 

 舐めた態度をとってくる地球の女にイライラし、殺してやろうと手を上げる。

 しかし次の瞬間その女はとんでもないスピードでベジータの手を掴んで攻撃を阻止していた。

 

「(な…何!?いくら俺が弱っているとはいえこの俺の攻撃を止められる地球の女なんて存在するのか……!?)」

 

 地球人、しかも女に自分の拳を止められる者が存在することに驚きを隠せないでいる様子だったベジータの事はお構い無しにその銀髪の女はそのままベジータの肩を担いで医務室へ歩みを進めていく。

 

「暴れちゃ傷に触るわよ。…ったく、あんなとんでもない音鳴らして落ちてきながらよくこんな元気が残ってるわね…」

 

 

 

 

 

ーーー「はい。着いたわよ。この飲み薬を飲みなさい。そしたら貴方の傷、すぐ治るから。」

 

 医務室に着くや否や、小さな飲み薬を1錠だけ差し出して来る銀髪の女。

 ふざけているのか、と思いつつも他に縋るモノが無い上、さっき自身の攻撃を受け止める程度の戦闘力を持っていた事からして、敵意があるなら今の弱った自分をとっくに攻撃しているだろうと考えて素直に差し出された薬を飲む。

 

ーーまあ、毒でも仕込まれていればこの女を殺せばいいだけの話だ。

 いくら弱っているとはいえ、地球のゴミを片付けるくらいの力は有り余っている。

 たとえこの女が多少強かったとしても所詮は地球人だ。

 そうこう考えていると、さっきまで傷だらけだった体が一瞬にして傷一つなく綺麗になっている事に気づき驚く。

 切られていた尻尾も生えてきていたのだ。

 

「な…なんだこれは!?こんな低文明な星にこんな技術があったのか!?」

 

「星…ね。その言いぶりからして貴方はやっぱり外の世界から来た人。いや、他の星から来た異星人といったとこかしら?」

 

 椅子に腰をかけ、足を組みながら銀髪の女は質問を続ける。

 が、この凶悪な男がそんな素直に質問に答える訳もなく。

 

「くっくっく…ならどうしたと言うのだ…地球の女。見たところ貴様は高度な技術を持っているようだな。なら何も言わず俺が乗ってきた宇宙船と壊れた道具を急いで直せ。」

「直せないと言うのなら…今すぐにでもこの辺りを消し飛ばしてやる…!!」

 

 いつも通りの邪悪な笑みを浮かべるベジータ。

 短期間のうちに死の淵からの回復を2回もしているのでどれぐらいパワーアップしたのかをこの女で確かめたい気持ちもあったのだ。

 

「…残念ながら直すような技術は持ち合わせてないわ。私にあるのは製薬の技術だけ。そして今…貴方をここ『永遠亭』に悪意を持つ者として排除する事を決めたッッ…!!」

 

 そう言うと同時に女は気を解放し始める。

 非常に穏やかで静かではあるが内にはとてつもないパワーを秘めている。

 そして気合いでベジータを外にまで吹っ飛ばす。

 

「ほう…やはりこの女もあのゴミどもと同じように戦闘力をコントロールできるのか…!カカロットの野郎をぶっ殺す準備運動にはもってこいだぜ……!!」

 

 吹っ飛ばされていたが急ブレーキして立ち止まりベジータも気を解放する。

 カカロット達との戦いで地球人達の団結力を思い知らされたベジータは雑魚でも寄ってたかれば大きな力になることもあると言うことを学んだのでこの女の仲間が集まってくる前にもとっとと殺してしまおうと考えたのだ。

 

 そして女が近づいて来ると間髪入れず容赦なく右ストレートをお見舞いしたがギリギリの所で防がれた。

 

「どうした地球の女!さっき俺の攻撃を受け止めた時はこんなもんじゃなかったはずだ!!」

 

 そしてそのまま猛攻するベジータ。女はこのままではらちが明かないと考え、もう少し気を解放する事にした。

 

「一つ訂正させてもらうわ……私は地球人じゃない。」

「最強の月の賢者……八意永琳よッッ……!!」

 

 そう言うと同時にとんでもない気がベジータの骨の髄にまで届く。

 今までで感じたことの無い神々しく、重い気だ。

 そして目にも止まらぬ猛スピードで目の前まで移動してきたかと思えば彼女の右手はベジータの頬を軽くはたいていた。

 それと同時にベジータが土煙を上げながら竹林の奥まで猛スピードでぶっ飛ばされる。

 

「(じ…冗談じゃない……!なんなんだこのパワーは……!!

パワーアップした俺を軽くはたいただけでぶっ飛ばしやがるなんて……!あのギニューの野郎よりも強いんじゃあないか……!?)」

 

「くっそーーーーーッッ!!」

 

 死の淵からのパワーアップを二度繰り返した自分をいとも容易くあしらった化け物の女に半分やけくそで突っ込むベジータ。

 

「ぜ…絶対にッッ……!!ぶっ殺してやるッッ……!!」

 

「どうぞお構い無く。」

 

 全力でラッシュするが女は信じられない身のこなしで全てかわしている。

 全てギリギリもギリギリ、本当に当たるスレスレでかわしているのだがこれは恐らく計算通りなのだろう。本当に必要最低限しか動いていない。

 このままでは確実に負ける、と察したベジータは『あの変身』を使おうと右手に白い球を作り始めた。

 

「くっくっく………」

 

 苦し紛れではない、何かまだ逆転の秘策があるかのような笑みを浮かべる邪悪な男に永琳は危機を感じ取った。

 

「(命まで取る気は無かったが…これはマズい気がする…!!悪く思うんじゃ無いわよ……!!)」

 

 そう思い、この男を殺すことを心に決め、完全に息の根を止めるべく弓を出現させ、構え始める。

 

 そしてベジータはその白い球体を空に投げ、永琳は弓を引こうとしたその瞬間。

 

「そこまでッッ!!」

 

 永琳ではない、他の女の声が不気味な裂け目から響き渡り、その裂け目から金髪の女が出てくる。

 

「…八雲紫………?何の用かしら。」

 

 八雲紫と呼ばれる女は信用が無いのか、あまり歓迎しているとは言えない表情で迎える永琳。

 

「そんな冷たい顔しなくってもいいじゃない………私はその尻尾が生えた男性に話があって来たのよ。」

 

 あまり悲しんでいなそうな顔で悲しみながら話す紫。

 

「俺に話………だと?」

 

「ええ。そう。貴方にいくつか聞きたいことがあったの。何せ何者かがド派手な幻想入りをされているのを感知してね。念の為覗きに来て見たらその尻尾を見てもしかしたら『サイヤジン』なのかと思ってね…」

 

 少しふざけた様子であった紫の表情が神妙な面持ちに変わる。

 

「ほう…光栄だな。こんな銀河の外れにまで戦闘民族サイヤ人の名が知れ渡っているなんて………」

 

「遥か昔、まだここ幻想郷に結界が無かった頃に私や閻魔をも凌ぐ力で幻想郷を荒らして回った宇宙海賊を『ただのサイヤ人だ』と名乗る赤いハチマキを巻いた金色に輝く髪をした男の力によって何とか撃退した異変があってね…その男は貴方そっくりの格好で同じようにその尻尾もついてたってワケ。」

 

「こ…金色に輝く髪をしたサイヤ人だと……!?も…もし…スーパーサイヤ人の伝説が本当であったとしてもスーパーサイヤ人になれる可能性があるのはこの俺だけだ……!他のどいつにもなれるはずが無い!」

 

「へぇ…あなた達はあの人の事をスーパーサイヤ人と呼ぶのね。サイヤ人って案外安っぽいネーミングセンスしてるのね。」

 

「ふざけやがってぇぇぇ…!!」

 

 なんなんだこの女は。話をすればするほどイライラする。

 思いっきりこの金髪の女を殴り飛ばしてやりたいがこの女もあの八意永琳とかいう女と似たような気配がするのでなかなか手が出せないベジータ。

 

「(ここは『ゲンソウキョウ』とか言うらしいがここに住むヤツらはもしかしてあのカカロットの野郎のようにまだ未知の宇宙の強者が集っているのか……?だとしたらますますこんな所で時間を潰してる暇は無い……!早く宇宙船を直してナメック星に向かわねば……!!)」

 

「貴方は早く元の星に帰りたいと思ってるのかもしれないけれどここに留まる他選択肢は無くってよ。

貴方にはひとつ仕事を頼みたいの。」

 

「フン…!交換条件だ。俺の宇宙船を直せると言うのなら考えてやる。」

 

 ナメック星に向かう事が今の最重要事項だと認識したため、珍しく平和的交渉をするベジータ。

 

「それに関しては私にツテがあるの。後でかけ合ってみるから、交渉成立でよろしいかしら?(後でキュウリ死ぬほど用意しなきゃね………)」

 

「まだ直る保証は無いだろう…!交渉成立とはいかん!!」

 

 不服をあらわにするベジータ。そこに永琳が補足する。

 

「彼女は一応幻想郷では最も広い人脈を持つ者よ。彼女に頼んで出来ないのなら、それはもう不可能よ。」

 

「そうそう。そゆことー。」

 

 あっけらかんな返事をする紫。

 

「腹の立つ野郎だが…まぁいいだろう。だが!この俺との契約を破ったらどうなるかということを肝に銘じておけよ…!!」

 

「あらこわーい(棒)。それじゃ早速仕事内容なんだけど。この後私が紹介する女の子の仕事の手助けをしてあげて欲しいのよ。

ま、サイヤ人って戦うことが趣味なんでしょ??ならピッタリの仕事だと思うのよ!!」

 

 目を輝かせながらベジータに急接近する紫。それには思わずベジータも後ずさる

 

「ち、近いぞバカ女ァ!とっとと仕事の内容とやらを話しやがれぇ!!」

 

 ベジータの警告を無視してもっと距離を詰め始める紫。

 そしてそのままベジータの戦闘服を掴む。

 

「ま、立ち話はなんだから場所変えましょっ!」

 

 そう言うと彼女を最初見た時と同じように不気味な裂け目が現れたかと思うと、そこにベジータをひっ掴んで突っ込んで行った。

 

「はっ…離せッ…!」

「(何という力だッ…!この俺が抵抗しても離せないだと……!?やはり俺の見立て通りこいつもとんでもない戦闘力をしてやがる……!!)」

 

 暴れるベジータ。だがその抵抗も虚しく、気づけばまた違う屋敷に移動しているのだった。

 

 

 

 

 一方自分そっちのけで勝手に話を進められた永琳は。

 

「せわしないヤツ………」

 

 と、無理やりベジータを青空の裂け目に連れ去っていく紫を見上げて呆れた顔で呟いているのであった。

 

続く

 

 




いかがでしたでしょうか。
という訳でもうお分かりかもしれませんが今回、最初に出会ったのは永遠亭メンバーだった訳ですが、
そうです。紫たちと暮らす事になります()
という訳で次回で説明パートは終わりになるかなと思いますので読んでいただけると幸いです。
ここまで読んで下さった方ありがとうございました。



ーーー現在の戦闘力ーーー

ベジータ→3万
永琳(手加減)→20万
紫→???
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