超人達のクトゥルフ神話   作:黒姫卿

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100話を祝ってくれる声が多くて嬉しい限りですまぁ探索者紹介で若干ズルしてるから実際は70後半くらいなんですが……改めて本編だけで100話に行った時も変わらずみんなが見ていてくれると嬉しい限りです。


偶然一致の同類認定

あれはいつの記憶だっただろうか、前に一度改夜に1つ質問をされたことがある。

 

改夜「…レイ、お前ってさ」

五十嵐〔なんだ?〕

 

確かいつもの様に映画を観たあとの感想会を喫茶店でしていた時のことだ、あの日はスパイ物かなんだったか…2人の男が協力してお互いの背中を預けながら強大な敵に立ち向かう……そんな話だった。

 

改夜「お前ってさなんで傭兵なんてやってるんだ?」

そんな最もな疑問に思わず考える。

そんなことは今まで深く考えたことなんてなかった。

 

でもそうだな、理由を考えるなら1つ浮かんだものがある。

五十嵐〔……僕が仮に世界で1番腕の立つ傭兵だったとしても、救えない命、守れない命はあるだろう。でも僕の、手の届く範囲にいる様な大切な存在だけでも守れるように…力を持てる環境で産まれた僕は誰かを守るためにこの力を使えるように……なんて臭い台詞かな?〕

 

才野改夜はそれを聞くと呆れたように笑う。

改夜「なんだそりゃ、随分臭い台詞だな。でも俺はいいと思うぜ。」

 

レイノルドは仮面越しでもわかるくらいに照れくさそうにそっぽをむく。

五十嵐〔……まぁとにかく力がある以上自分の手の届く範囲にいる人間をたとえ偽善でも守りたい…そんな自己満足さ〕

 

改夜「はっ、お前のは自己満足じゃなくて自己犠牲って言うんだよ何かあったらすぐ俺に頼れよな」

そう言って改夜は僕に笑いかけた。

 

ーーーーーーーーーーーーー

不知火「お前ら何者」

室内に入るやいなや近くにあった扉が開いた。

そこに居たのだろう3人の男女?がこちらの存在に気づいた次の刹那には男が飛び出して僕に向かってくる。

 

五十嵐(一目見て僕の方を危険と判断したか?それとも武装に気づいたか?だとしたら慧眼だな。)

 

素早い身のこなしで近づいてきた少年とおぼしき存在が挨拶代わりといわんばかりに頭を掴み膝蹴りをかます。

 

七夜朔「…手応えあり……?」

渾身の不意打ちが当たったと思ったがよく見ると頭と膝の間に手を挟み込まれている。

 

七夜朔(まぐれではない…良い反射神経してる…)

有効打でないと判断するとその場から離れ距離をとる。

 

七夜朔「…紫と向日葵は下がって」

不知火「おっおい、いきなり蹴りかかって何してるんだよ」

 

五十嵐〔……ミケル…下がるといい彼は推定強敵だ〕

ミケル「全ク腕ノ良イ傭兵ダナ」

お互いに守るべき対象を自分の背中側に回して前を見る。

 

五十嵐(見た所10代半ばといった所か…それなりに場馴れしていそうだが僕の相手をするには少々自信過剰では無いだろうか)

 

不意打ちの仕返しという訳では無いが腰のホルスターから拳銃を引き抜き撃つ。

もちろん狙いは頭や胴体ではなく足だが。

 

七夜朔「…」

迫る弾丸が足を貫くより早くその場から横に飛んでいる。

五十嵐(良い反応速度と身体能力…だが)

 

2発目3発目と拳銃を撃つ、その間右に左に飛び続け弾丸を躱している。

五十嵐(こうしてるうちは何もできないか?躱しきれなくなったときに終わるだけだから話は早いが)

 

七夜朔は飛んだ先にある花瓶を掴んで投げる。

 

レイノルドはそれを腕で防御して銃を向ける。

次の瞬間には顔に向けて蹴りが迫っていた。

五十嵐(腕が視界を遮るあの一瞬でここまで?)

 

蹴りを屈んで避けるがその場で地に伏せて変体卍蹴りを繰り出しそれを大きく後ろに飛んで躱す。

五十嵐(次の攻撃への組み立ても早いな)

 

気づけばお互いにさっきと立ち位置が入れ替わっていた。

 

五十嵐〔君はこの館の住人か?〕

七夜朔「いや…そう言うそっちは違う?」

 

五十嵐〔……違うと言っておこう〕

七夜朔「……」

 

七夜朔は構えを解き、向き直る。

七夜朔「…わかった、信じる。」

五十嵐〔……ほう?それは嬉しいがこれまたなんでだ?〕

 

七夜朔「今…君の後ろに僕が守らなきゃいけない人達がいる。それなのに手を出さないでくれたから」

レイノルドは後ろを振り返ると引きつった顔をした不知火紫と怯えた様子の草薙向日葵が居る。

 

五十嵐〔……それを言うならこちらも僕の依頼主に手を出せる状態だったにもかかわらず…矛を収めてくれた事、感謝するよ〕

仮面に(*^^*)と顔文字が浮かぶ

 

七夜朔「…僕も…手加減してくれてありがとう」

不知火「は?鉄砲撃ってきたやつが手加減なんかしてるわけないだろ!」

 

五十嵐〔なぜ手加減していると思った?〕

七夜朔「同じ銃を2つ持ってるでしょ?予備にしてはすぐ取り出せる位置にあるし本当は二丁拳銃が元の戦い方なんじゃって」

拳銃を自分に向けてきた相手に対してそんな事を考えていたと知り不知火紫は頭を抱える。

 

五十嵐〔…なるほどな、でも僕の方もいきなり撃ったんだ この勝負は君の勝ちだな〕

七夜朔「いや、それを言うなら最初に不意打ちしたのは僕…つまり僕の負けです。」

 

不知火「何負け認めあってんだ気持ち悪い」

ミケル「オイオイ水ヲ指すなヨ 河川敷デ殴り合ッタ後に仲良クナルノハジャパンの伝統ダロ?」

手を叩きながらミケルは少し面白がった様子で近づいてくる。

 

向日葵「凄い戦いでしたね…」

不知火「イカれた奴らの小競り合いの間違いだろ…」

 

七夜朔「改めて…僕は七…黒…」

言い淀む七夜朔を見てレイノルドは言葉を入力する。

 

五十嵐〔……何かワケありなら無理に名乗る必要は無い僕の事を信用できるようになった時に教えて欲しい。こちらはミケル ここの館の主に会いたいという依頼をうけてここに来たんだ!〕

 

不知火紫は何かを考えた後に口を挟む。

不知火「依頼ということは君も探偵かー?見たことねぇけどー」

五十嵐〔君も…ということは君は探偵なんだね? 僕は残念ながら探偵ではなく傭兵なんだ〕

 

向日葵「傭兵さんに探偵さん…それに……」

ミケル「ワタシは偉大ナ科学者様ダヨ」

向日葵「そうなんですか?皆さん凄い人たちなんですね」

 

感心した様子の草薙向日葵の方を見てボソリと偉大な奴は自分で偉大って言わないだろっと不知火紫は口をこぼす。

 

七夜朔「紫…失礼……」

不知火「へいへい、なら今度はこっちか?私は不知火紫、探偵。そんでこのガキが依頼貰って探してた張本人だから連れ出そうとしたらここに居た。そこの草薙向日葵も気づいたらここに居たんだと。」

 

興味深そうにミケルは頷く。

その横でレイノルドは七夜朔に1つふと疑問に思った程度の軽いノリである事を尋ねる。

五十嵐〔君は、なぜあんなに躍起になってまで2人を守ろうとしたんだい?お兄さんに教えてくれると嬉しいのだが〕

 

七夜朔は悩む様に軽く唸ると口を開く。

七夜朔「深く考えた事……無かったな…でも…一つ挙げるなら…僕は人を守れる力があるから、救えない命はあるだろうけど……それでも僕の手の届く範囲にいる人は守りたいと……思った」

 

ーそれを聞いた瞬間、五十嵐レイノルドの脳裏を駆け巡ったー

 

ー存在しない記憶ー

 

とある紛争地帯で七夜朔とレイノルドは遮蔽物に身を隠しながら敵の襲撃を耐えている。

 

七夜朔「…ふぅ…きついね」

五十嵐〔おいおい諦めか?〕

装甲車や銃を持ったゲリラ兵が多くいる中ため息をつく七夜朔にレイノルドは困った様な顔文字をうかべる。

 

七夜朔「まさか、僕と君なら今晩のナイトショーまでには帰れるだろうさ」

五十嵐〔それは言い過ぎだろ?きついことは事実だ〕

 

七夜朔は武器を抜いて遮蔽物から飛び出す準備を始める。

七夜朔「それでも僕らならいけるだろ?相棒」

五十嵐〔……ふっ、それを言われたら無理なんて口が裂けても言えないな…相棒〕

 

そう言って2人は敵陣へ駆け出した。

 

ーーーーーーーーーーーーー

五十嵐〔……組んだら敵無しの最強タッグ…か……〕

仮面には。゚(゚´Д`゚)゜。の顔文字が浮かび仮面の隙間からポタポタと液体が溢れ床を濡らす。

 

七夜朔「……!?…どうか…した?」

五十嵐〔……一緒に頑張ろうな!相棒!〕

七夜朔「僕達初対面だよね!?」

七夜朔の手をがっちりと掴み頷くレイノルド

 

一方では

不知火「えぇ……」

ドン引きである。

 

 




どうやら俺達は……ベストパートナーのようだな……!
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