超人達のクトゥルフ神話   作:黒姫卿

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第8の事象開始です


探偵2人と裏枢区

燦燦と降り注ぐ太陽のもと、道がゆらゆらと蜃気楼のごとく揺れる炎天下の道を1台のタクシーが走る。

 

車の中にはタクシーの運転手以外に2人の男性が乗っている。

 

運転手「お客さん、本当に新樞区(しんすうく)へいくんですか?」

 

バックミラー越しにこちらを見ながら運転手は疑問をなげかける。

 

炎轟品森「ん? ああ、そこに向かってくれればいい」

 

そう言うと運転手は少し顔を悩ませながら続けざまに

運転手「いえ、お客さんがそこの出身じゃないことはさっきお聞きしたんで…はい………ご存知ではないんですよね?」

 

どこか煮え切らない様子で言葉を選ぶように訊ねる。

 

炎轟「…あー何か問題でも?」

 

運転手は少し慌てた様子で

運転手「ああ、いえお客さんがどうという話ではないですよ。本当に」

と訂正の言葉を言うと続けて、

 

運転手「新樞区は昔、裏樞区(うらすうく)と言われていてですね、今ではそんなこと言ったらどやされますよ?はは」

 

と乾いた笑いをしながら後ろに座る炎轟品森の顔色を伺う。

 

運転手「昔はこの辺りは結構な差別がありまして、爺さん婆さんは今でも裏枢区って呼んでる人もいるくらいでしてね…」

 

そんな話をしているとタクシーは長い田舎道を抜けて新枢区と書かれた看板の前で停車する。

 

運転手「まぁ…裏枢区の人たちは…その…"異様"なんですよ…」

 

一呼吸置いた後に運転手は用事が済んだらすぐに出た方が良いですよ…と言う。

 

炎轟「…忠告感謝する、おい、着いたぞ」

 

そう言って隣で寝ている男を揺さぶり起こす。

 

???「あ?…あぁ?着いた?悪いね、運転手さん」

そう言ってタクシーの扉を開け、男は外に出て背伸びをする。

 

運転手「そういえばあなた方はなぜこんな場所に?」

 

炎轟「ちょいと捜査をね」

 

運転手「捜査?あなた達はいったい?」

 

炎轟「唯の探偵さ、以後お見知り置きを」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

タクシーが山道へと向かうのを見送った後、一緒に座っていた男は炎轟品森へと質問を投げかける。

 

???「んで?調査協力のお願いなんて珍しいじゃん?」

 

それに対して

炎轟「今回ここで行方不明ってこと以外の情報がないからなお前の観察眼が役に立つと思って声をかけさせてもらった諸星上名。」

 

諸星上名「固いよ〜同業者よ?もっとフレンドリーにさ?」

 

炎轟「上名」

 

諸星上名「俺名前好きじゃないからもっと気軽にジョナサンって呼んでくれていいんだぜ〜?」

 

その言葉に少し呆れながら

 

炎轟「どこの外国人だ、でもお前の性癖云々はちょっと目を背けたいが人に対する観察眼、及び分析能力は優秀だからな…」

 

諸星「いやかたつむりはえっちだろぉ!?」

 

炎轟「…これを最初にこいつの口から吐かせたあいつには途方もないような恨みが生まれそうだ」

 

諸星「そういえばその張本人は?てっきり品森が連絡してるもんと思っていたんだが?」

 

炎轟「連絡はしたさ、ただどうやら今は海外にいるようだが」

 

諸星「あの催眠術探偵海外なのかよ!」

 

炎轟「そう言うことだ、だから今回はこの依頼を2人で片付けよう」

そう言う炎轟を不思議そうに見つめ返す諸星。

 

諸星「今回は?まるで次があるみたいな言い方をするな?」

 

炎轟「あるんだよ、とある少年を探す依頼がね」

 

諸星「…へぇ!お前ん所に2つも依頼が来てるなんてなぁ〜」

 

炎轟「うるせぇ、余計なお世話だ」

 

諸星「まぁそういうことなら了解、手を貸してしんぜよう〜」

 

炎轟「はぁ、調子が狂うな…」

 

諸星「俺たち2人で探すのは好野真奇(よしのまさき)くんだっけ?」

 

炎轟「そうそう、地図アプリでも開いていこう始めてきた場所で土地勘なんてものないからな」

 

そう言ってスマホを見ると右上の電波を示すマークがだんだんと弱まっていき、次第に圏外の二文字を映し出す。

 

炎轟「あ?ここそんな田舎か?」

 

諸星「どーしたー?」

 

炎轟「いや、携帯が圏外になってな」

 

そう言われて諸星上名も自身のスマホを取りだして画面を見る。

 

諸星「うわ、まじじゃんか不便〜」

 

2人がどうしたものかと頭を悩ませていると日傘を差した女性が声をかけてくる。

 

「どうかしたんですか?困ってる様に見えたので…」

 

炎轟「あ〜実は携帯が圏外なってしまって…」

 

「圏外…ですか?おかしいですね?普段はそんなことないんですけど…ところでここにはなにか用ですか?見かけない顔ですけど?」

 

諸星「…あ〜実は遠い親戚がここに暮らしていてね亡くなったと聞いて顔だけでも出しておいた方がいいと思ったんだ」

 

「そうだったんですね…聞いてしまってすいません…そうだ!住宅街までで良ければ案内しますよ?」

 

炎轟「本当ですか?助かります」

 

女性へ連れられた2人は住宅街へと向かっていく。

 

「あははははははっ」

 

 

その声の方を思わず向けば、日陰で井戸端会議をする婦人たちが話をしている。

嫌に大きな笑い声を上げ、楽しそうに談笑をしているが、その目は一様に2人を見つめていた。

 

夏の陽射しによる暑さのせいだろうか?じっとりとした汗が冷たくあなたの背を撫でる。

 

SAN値チェック

炎轟品森【SAN値】80→76 成功

諸星上名【SAN値】70→80 失敗 1減少 SAN値69

 

「あはは、ご近所さん達なのだけれど、きっと他所の人が来たのが珍しいからつい見ちゃってるみたい。」

案内をする女性はそう言ってハンカチで額を拭く。

 

諸星「なんか不気味だな」((ボソッ…

こそりと呟く諸星に炎轟はすかさず

 

炎轟「そう言うな、それだけ他所者が来るのが珍しいってことだ」

 

「それじゃあ無事住宅街に着いたところで、私は子供の迎えに行かなきゃ行けないからここまででいいかしら?」

 

炎轟「あぁ、案内してくれてありがとうございます。」

 

諸星「いや〜助かりました〜」

 

聞き耳DICE

炎轟品森【聞き耳】65%→21 成功

諸星上名【聞き耳】80%→73 成功

 

2人は何か甲高い音を聞いた。

 

発生源は分からないが、何故かそれは良くないものと思ってしまった。

 

炎轟「…聞こえたか?」

 

諸星「あぁ、なんの音かはわからんけど」

 

炎轟「はやいとこ真奇くんを探してここから出よう」

 

諸星「賛成〜」

 

2人は住民のものと思われる視線を時々感じながらジリジリと太陽の陽射しが照り返す住宅街を進み始めた。

 

炎轟品森と諸星上名の2人の探偵は今【新】枢区にいる。




変に化け物出てくるよりも頭おかしい人の方が何するか予想できなくて怖い
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