拙的に2000年頃に起こして欲しい草子   作:うすうす

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呪術平安の触ったら面白そうさ。或いは火傷しそうで触りたく無さ。


つれづれなぐさむもの

----/--/-- *1

 

 我、転生す。

 

 ……転生したんだなぁ。呪術廻戦の世界に。と、いうのに今世生まれて5年と3ヶ月の本日。ようやっと気付くに至る。

 

 幾許か前より自室を手に入れて以来。私は連日対の屋に引き篭もり、無駄に広い畳の上でゴロゴロと転がることを生業にして過ごしていた。

 

あゝ本日も長閑。快晴につき絶好の引き篭もり日和である。何もせずに過ごす時間の何と甘美なるか。決めた。このままねむりつづけてしぬ。

 

そんな平時の心持ちで無を享受していたところに突然の来客があった。外から大人がひとり、飛んで転がり込んできたのである。文字通り吹き飛んで飛来した風であった。わお。

 

 端的に言って異常事態。ヒトなる70kg弱の質量が宙を舞っているのだ、女子の寝室に見知らぬ男が云々のレベルすら軽く飛び越している。彼の者はこちらには一瞥もくれずに、取り損ねた受け身で衝撃に怯む身体を推して即座に立ち上がった。

 

その視線の向かう先にはもう一名。ハズれた蔀戸(しとみど)を足蹴に現れたそいつがこちらに一瞥だけくれたところで、()()()()()がそいつに殴りかかった。まあその攻撃は避けられた挙句蹴り飛ばされていたのだが、人の身体が跳ね上がる程の強い衝撃を示す存外鈍い音と共に両者は退場。

残された私はひとり、呪術かぁ、と納得したのである。

 

 元々、なんか人体の周りに変な力場が可視化されているな、とは思っていた。とはいえこのような表現は氣なり念なり、チカラを示す何某(なにがし)全般に用いられるので何もわからなかった。この年まで過ごして気付いたのは精々が ある人とない人がいて、ない人の方が多く、普段ないけど出す人もいる といったところである。成程呪力だったとは、思い至らなかった。

 

んで、先程戦っていた2人。見に纏うこれを相手にぶつけ合っていた様なのだが、一瞥くれた方の目が超印象深かった。アホほど綺麗な瞳。あれは、あのビジュアルはそう、()()である。

 

厄ネタくさい。や、逆に今の時代なら只の希少な眼って事ない? 無いか。無いかなぁ?

 

 しかし、そっかぁ。呪術平安かぁ〜……。

 

 

 

----/--/-- ███████ *2

 

 徒然なるままに〜というわけでもなく、書きたい事柄があればそれに準じて書き文字を遺している。

 

 私が以前までから一転、机に向かうようになっていたので定刻に来訪した書き文字の先生は大層嬉しそうにしていたが、それも1()の後には*3 驚愕と困惑の綯い交ぜになった顔を浮かべていた。

そらこんな時代錯誤というか、私独自の体系の(無い)文章を目にすれば困惑するだろう。なんならユニークすぎて引いてるだろう。私なら引く。謂うなればそう、他人の日記を覗いたら謎の宇宙語で書かれた厨二ノートだった、みたいなものである。想像すると寒疣(さぶいぼ)が立つわね…。

 

 この文書も20世紀後半には大体読めるものになっているかしら。詰まるところオーパーツな訳だが、載ってる単語的にどうせ呪術界隈で秘匿されるんじゃなかろうか。残念ながら最古の厨二妄想日記に名を連ねることはない。残念だなぁ。……妄想日記なら土佐日記とか先にあるっけ。

 

 何か言いた気な先生はしっしと追い払い、己の身体を見下ろせばそこには呪力を纏った我が身がある。これ。何も意識してないのにずっと身体全体が呪力を纏っているのである。呪力は負の感情から来るエネルギー。何の訓練もクソでか感情も過去に経験のない筈の齢5つの少女が術師然とした形で呪力を纏っているのはどうにも奇妙な状態ではなかろうか。

 

 普遍さ、或いは奇妙さの客観を推量するには比較によって対照を取るのが道理だろうか。とは言え自身と似た歳の頃の人間は見えないし。それに呪力の操作にはやはり、訓練が必要な様には見受けられる。

 散見する()()()———呪力を身体に纏う人間は、どうやら呪術師としての能を鍛えている者等らしかった。以前、離れの御堂で禅を組む集団として見かけたのだ。憶測にしかならないが、虎杖が呪力の出力とコントロールに訓練を要していた様に、それと同様の狙いの訓練を行なっていると見た。

 対に、集団を指南する役回りの者は日常的に呪力を纏ってはいない。となれば成程、私もこちらを目指してみるべきではなかろうか、知らんけど。

 

 ものは試し。禅から崩した形の楽な姿勢で、身体のバランスを安定させる。身から意識を手放し、己を包む呪力に心から目を向ける。呪力の源泉を探るように意識を巡らせ、少しずつ、少しずつ心中に没頭していく。

 ……。わからん。わからんねこれ。呪力の源泉 is 何処。呪力垂れ流しって隠密性の観点で最悪だと思うんだよな。物陰に隠れてるつもりが「呪力がはみ出してますよ」みたいな間抜けをやりそうだし、何なら呪力の気配が術師にとって呪物ぐらいわかりやすい可能性まである。厄介な事に巻き込まれないようにon/offはできるようになっておきたいが。絶!…じゃ、ないけど。

 

 あんまり考えないようにしてたけど、自己由来じゃなくて呪物由来なんて線もあり得るのがちょっと怖い。いやでも、宿儺の指を呑んだ虎杖でも呪力を引き出す訓練は必要だったわけだし。……虎杖なー、参考にしていいのかな、あいつ。

 

 

 

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 本日は曇天。湿気は適度で過ごしやすい。絶好の引き篭もり日和である。

 

 平安。後世曰く、呪術全盛の時代。平安オタクや何某かには垂涎ものの平安貴族転生かもしれないが、いち現代っ子的には大変不便というのが実情である。飯微妙、不衛生、暇の三重苦*4。あと貴族社会的には和歌なり琴なりやっとくべきみたいなのもある。

 ……ただ、まあ、庶民とは雲泥の差であろう。

 

 とはいえこの私の、畳を贅沢に敷いてごろごろ転がって1日を過ごせているのは流石に謎さが強い。血筋(いえがら)に重きが置かれるイメージの強い格差社会なるものも、搾取のヒエラルキーの上辺———限られたマージンの分け合いも代々続くのであれば根拠が、働き(しごと)が必要になる。それは例えば実務や外交の手腕、腕っ節やカリスマといった能力。それは例えば優秀な親類の存在や家同士の強い結びつきといった政治力。

 いかにこれらが形骸化して家柄の1要素に略されようと、やはり必要や機会に応じてチカラが示されてこその家柄であり権力だ。

 

 しかし今の所私には何も求められていない。婚姻(せいじ)に使うのなら芸事を要求されると思うんだけどそれもない。なのに何もせずに生きていられるだけの権力だけがある。

 

 注釈を入れておくと書き文字の先生は私が呼んだ。文字の書ける環境と、一応根拠も作れるかという算段で要求したのだ。要求は通った。先生が(かよ)っている事実は要るが、先生は要らないので都度追い返している。先生は犠牲になったのだ。不幸な犠牲に。

 それはそうと、はて、父君は私に何を求めておられるのか……?

 

 まあそんなものは追々分かるとして、本題は呪力についての近況を少々。

 

 纏う呪力を抑えることは未だ出来ていないが、素の呪力のコントロールはかなり身についた感じがある。身体のどこに呪力を込めるか。どれだけ込めるか。それをどれだけ素早く行えるか。想定より過不足は無いか。

 そして運動に呪力を乗せる。呪術師は肉体での戦闘力(フィジカル)が重要な事が確定的に明らか、ゴリラ廻戦とか言われるくらいには。1日中寝たきりの私に碌な運動性能は無いだろうとばかり思っていたが、これが中々、かなり、動く*5。試してみるのを、部屋に広く敷いてもらってた畳を1部分退けてもらってからにして良かった。足元に置いたままだったら吹き飛ばして壁を壊していたかもしれん。

 

 あとちょっと面白いのが、呪力を思った通りの形で留める操作。できるだけ正確な正六面体を作ろうとしたり、薄〜く長〜く伸ばして体表面からどれだけ離せるかチャレンジしたり。

 

 と、なんか修行じみたことをやってはいるが、意味があるのか、身になってるかというのが全く分からない。師匠を用意して貰えばいいのかもだが、自分の利用価値が分かってない状態で何か要求したり能力を開示するのが若干怖いんだよな……。あとはこの時代の人と話してても価値観合わなすぎて困惑させそうでこれも若干こわい。人付き合い、ずっと避けて通れはしないだろうか。

 流石に今の時代呪術高専とか無いだろうなぁ。現代で同級生なんかとゆるゆるやりたかったなー。

 

 あー、折角呪術廻戦なら五条悟(ごじょさと)に会いたかったなぁーー。

 

 

 

----/--/--

 

 えー、本日の出来事箇条書き。

 

・6さいになりました

・生得術式を自覚しました

・ちょーでけー呪霊祓いました

 

 仔細は後日。疲れたので。おやぬみ……

 

 

 

*1
西暦。後に追記されたもの

*2
和暦。以後省略

*3
3(ふん)相当

*4
現代と比べれば大抵何でもそう。食については一応、菜食が流行ってもいる。品数は多い

*5
漆黒の騎士。身の程をわきまえよ




平安にわかなりにggりつつ適当にやっていきをする。
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