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「おい! 爪垢クソッタレ魔皇!」
一人の少女、アキルの怒号が響く。
その対象は混沌の魔皇『アザトース』……の分体、ブカブカのシャツとパンツだけで過ごしてる10歳くらいの褐色金髪幼女、通称アーちゃん(本人命名)に対してのものだ。
「なんじゃよぉ、器ぁ、今いいところなんだから邪魔するんじゃ無いわい!」
アーちゃんはそう言ってアキルに返した。
アーちゃんは現在絶賛ゲーム中、しかもラスボス戦である。
「黙れ! アンタ、私の口座のお金いくら使いやがったかわかってんのかバカアホ爪垢雑魚魔皇!!!」
普段のアキルならまず言わない様な罵倒が飛び出し続けるがアーちゃんは「またか」と言わんばかりに無視を決め込んでいる。
その態度にキレたアキルは禁じ手を使う……ゲーム機の強制シャットダウン……即ちコンセント引っこ抜きである。
「あ゛ぁ゛!!! 器! 貴様何しやがっておる! ラスボス戦決着までもう少しだったのに!!! 余の興奮と熱狂を邪魔するとは! 万死に値する! ぶっ殺してやる! 『ナイアーラ』が!」
「うるせぇ‼︎アンタが呼んでも『
そう言ってアキルはアーちゃんの腹部に重い一撃を放つ。
「ぐぇ! ……ふ、ふふふ! あははは! 遂に手を出したな! これで『娯楽』の奴が貴様を八つ裂きに……」
アーちゃんが語るのを遮ってアキルが叫ぶ。
「だ! か! ら! どのニャルも来ないのよ!
アキルは二発目の神王の鉄槌の準備をしながら話す。
「おのれ! 『ナイアーラ』!!!」
「喰らえ! 怒りの
「うげぇ!」
———数十分後
「ずびばぜんでじだ……」
そう言ってアーちゃんは土下座していた。
「謝ってすまねぇんだよバカ魔皇‼︎アンタねぇ! アタシの預金口座の一億が半分になってるのよ‼︎アンタが来て1週間で‼︎しかも部屋はガラクタとゲームやらDVDやら漫画だらけになるし‼︎ここは私の部屋なの!」
キレるアキルに対しアーちゃんもキレ返す。
「ガラクタじゃ無い‼︎コレクションじゃ! 価値のわからんやつめ! 余は欲しいものは全部欲しいのじゃ! だから買っただけじゃ! そしたらたまたま記憶の同期で器の記憶があったから口座使っただけじゃし! そっちのセキュリティ不備じゃろバカアキル!」
「んだと! バカアー子⁈それにしたって5000万も何に使いやがったドアホ‼︎」
「最高レアリティで組んだ至高のデッキの数々にカッコいいプラモ! ゲームに
「そんな事に……ッ! 私の5000万円が……十年間貯め続けた貯金が……やっぱりアンタ嫌いよバカ魔皇‼︎」
「うるさいわ! 魔皇が豪奢で何が悪い! 王とは絢爛豪華でなければならぬのだ!」
その言葉にガチギレしたアキルは最大の侮辱を放つ。
「爪垢以下の雑魚魔皇」
それを聞いたアーちゃんはと言うと。
「……ッ!」
無言でガチ泣きした。
アキルは追い打ちをさらにかける。
「無様ねぇ、雑魚♡雑魚♡雑魚魔皇♡ニャルがいないと浪費以外何もできない雑魚魔皇♡」
アキルは柄にもなく煽りまくる。
そして……
「器の馬鹿! 余は寝る!」
アーちゃんは不貞寝を決め込んだ。
補足になるがアキルとアーちゃんは同室である。
「本体よろしく一生寝てろ馬鹿魔皇! 後、少しは反省しろ!」
そう言ってアキルは部屋を出た、口座のパスワードを変えるために。
「余だって……お前らと……グスッ」
泣きながらアーちゃんは眠りにつく。
その真意が分かるのは遥か先の事だ。