転生して氷の王女と田舎でスローライフをおくりたい   作:桐ヶ谷 雅輝

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年度変わって魔法祭行くとかアレイシアに呼び出されるとかじゃないと王都に来るの難しそうなのでここで合流させます


氷の王女と空かける少年少女

「レイラ様、サリヤです。入ってもよろしいでしょうか?」

「あ、はいどうぞ」

 

いつも読んでる小説の新刊が思ったより面白かったので夢中になってしまった。窓の外を見るともう夕方のようだ。

 

「読書も構いませんがたまには換気もしてください。空気が澱んでいますよ」

「つい夢中になってしまいました。窓を開けてくださいサリヤ」

 

そう言いながら彼女の方に車椅子を向けるとちょうど窓を開けた所で冷たい冬の風が室内に入り込んできた。

 

「しかしここは寒いですね、高い部屋というのも考えものです」

「廊下で警備してくれてる人に比べれば暖炉があるのでマシですよ」

 

そう言いながら窓に近寄り流れてくる冷たく透き通った冬の空気を吸い込む。氷魔法が使える影響か寒いのは苦手だけど冬自体は嫌いじゃありません。雪が降る様子は美しいですし一面まっ白になるこの時期限定の街の様子が私は好きです。雪が音を吸って街の賑やかさが届かなくなってしまうのはあれですが。

 

「やはり冬の空気は身体にしみますね、私は暖炉の前に戻りま…ん?」

「どうかしましたかレイラ?」

「なにかが空に…」

「私には見えませんが…また少年が空を歩いてでもいますか?」

 

ふと空に目をやった時に覚えた違和感。いつもはないものが突然現れたような感覚。気になった箇所に意識を向けると何やら動く黒いものが見えます。魔力を目に集めて見直すと少年と少女が空を歩いています!

 

「そうです!またいますよサリヤ!」

「え、ほんとですか?!いったいどの辺りにいますか?」

「ほらあちらの方角です!」

 

そうは叫ぶが流石にこの距離を肉眼では凄腕の狩人でも難しいと思う。こちらを向いていませんが、あんなこと出来る少年がそう何人もいるはずありません。去年の春頃と夏にみた少年に違いないでしょう。一緒にいる少女は…5歳くらいでしょうか?小さい身体に赤いリボンで結んだ大きなツインテールが歩く度に揺れています。

…ところであの髪の色にリボンはミスフィード公爵家の末娘であるラーナさんでは?

 

「…レイラ様どうかなさいましたか?急に無言になられて」

「サリヤ!今すぐミスフィード公爵家を現在訪れてる者について調べてください!」

「ミ、ミスフィード家ですか?構いませんが、空を歩く少年と何か関係があるのですか?」

「空を歩く少年がミスフィード家の令嬢と一緒にいるのです!これはまたとないチャンスです!」

「例の少年とミスフィード家の御令嬢がですか?!見間違いでは…」

「いえ、あの姿はミスフィード家のラーナさんに違いありません!急いで調べてください!」

「かしこまりました」

 

そう言って一礼するとサリヤは部屋を出ていった。窓の外を見れば地上に向かってまだシールドの階段を二人が降りている最中でした。彼は今何を考えているのでしょう、その楽しそうな背中を見ていると私も自由になれるような気がしてきます。

 

日が沈んだ頃、夕食と一緒にサリヤは情報を持ってきてくれた。

「どうやら現在スロウレット家が来ているようです。パーティなどの予定はないので何故かは不明ですが、ラーナ様は、秋頃にリーングランデ家のアレイシア様とスロウレット領を訪れているのでそこで交流を深めたのではないかと」

「サリヤ、今スロウレット家と言いましたか?」

「はい、あのスロウレット家でございます。」

 

スロウレットと言えばドラゴンスレイヤーの家系ですね、確かご息女が1人とご子息2人。ということは先程の少年はスロウレット家の…長男のシルヴィオ様は私と同い年の美少年と聞いていますからリバーシなどを作った次男のアルフリート様の方でしょうか。確かに数々の開発をした発想があれば魔法で空を歩こうとも思うのかもしれません…

 

「どうにかしてスロウレット家と繋がりを持ちたいですね…」

「でしたらクーデリア様の名前を使うのはいかがでしょうか?」

「お姉様ですか?」

「はい。クーデリア様のドラゴンスレイヤー贔屓はみなの知るところでございます。クーデリア様の名前でお茶会か何かに呼び出せばあちらは断れないでしょう」

「なるほど…お姉様に協力を頼みましょう。移動しますよサリヤ」

「お供いたします」

 

権力を押し付けるようで申し訳ないですが、私は王族ですから使えるものは使いましょう。サリヤに車椅子を押され城の廊下を進みながら珍しくワクワクしている自分がいます。

 

「ふふ、どんな話をいたしましょうか」

 

 

サリヤは珍しく年相応に楽しそうなレイラを見て、母が子を見るような表情をしながら城の廊下を進んでいくのでした。

 

 

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