素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。   作:名無しという名の者

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防振り2期が始まってからハマったので、今更感はありますが見ていただけると幸いです。






怖がり少年とプロローグ

 

「お願い!!!」

 

「やだやだやだやだ!なんでわざわざあんな『怪物』に会いに行かなきゃいけないんだよ!!」

 

 

ベッドに座りながら電話をし、拒絶をする少年、零士は、友達からある頼み事をされている最中だ。

 

 

「いいだろ!な!お前しかいないんだ、このゲームを譲れるのは!!」

 

「お前もっと友達作れ!」

 

「今はそんなことどうでもいいの!!俺はテストが終わっていい点だったらまた新しく買うから。一緒にプレイするフレンドも欲しいし」

 

 

零士の友達、勇輝が零士にしている頼み事は、最近話題のVRMMO《New World Online》を譲るからいっしょにプレイして欲しい、という内容のものだった。

勇輝のお母さんは勉強にうるさく、この前のテストで悪い点だった勇輝のゲーム、《New World Online》を捨てようとしていた。そこで、捨てられるくらいならば零士に譲ろうと電話をしていたのだった。

 

 

「ぜっったいに嫌だからね!!」

 

 

しかし、零士も零士でずっと頼み事を拒否をしている。

それもそのはず。零士は極度の「生き物嫌い」なのだ。

しかも、それは『少し苦手』というレベルではなく、『目を向けられないほどに』というレベルだ。同じ空間にいるだけでも嫌悪感を抱く彼がもし『触れる』なんてことをした暁には、最悪心臓麻痺で○ぬだろう。

しかし、何故か人間だけは大丈夫。あくまで「同族でない何か」が無理なのだ、とは本人の談である。

 

 

「でも今手元にあるんだろ?俺が帰りに押付けたダンボール」

 

「え?まさかこの中身が…??」

 

「そう、お察しの通り《New World Online》のゲームでーす!」

 

「……」

 

「あれ?おーい、大丈夫か?おーい!しっかりしろ!?」

 

「…はっ!あれ?さっき目の前にあった川は??」

 

「いやそれ三途の川だから!絶対渡るなよ!?」

 

「とにかく、俺は絶対やらないからな!!!」

 

「……はぁ。もう分かったよ。ごめんな、こんな夜遅く変なこと頼んじゃって。また明日な!」

 

「え、あ、うん。バイバイ」

 

 

少し言いすぎたかな…と後悔している零士の手元には、ツーツーと鳴るスマホが。そして膝元には帰り、勇輝が押し付けてきたダンボール…もとい、《New World Online》があった。

気が付くと零士はダンボールを開けていた。

 

 

(別にやると決めたわけじゃないし。ただちょっと中を見てみようと思っただけだし)

 

 

誰かが聞いている訳でもないのに言い訳をする零士。中にはVRゴーグル+ヘルメットに手袋、そして《New World Online》のカセットが入っていた。

 

 

「ちょっとだけ付けてみるか…」

 

 

全てを装着した零士。すると、勝手にゲームが始まってしまった。

 

 

(はっ!?これ勝手にゲーム始まっちゃうの!?しかも初期設定しなきゃログアウト出来ないし…)

 

 

 

絶望する零士。こうして彼は渋々ゲームを始めたのだった。

 

 

 

後に彼は『歩く要塞』と呼ばれるプレイヤー、「メイプル」と並んでこのゲーム史に名を残すことになる。しかし、彼はまだその事を知らないのだ…。

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