素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。   作:名無しという名の者

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一瞬フライングして投稿しちゃって、そのまま投稿しようと思ったけどやっぱり消して今日投稿しました(語彙力)


怖がり少年とサリー

 

 

 

「なんかいいスキルないかな〜っと【MPカット】、これは使えそうだな…」

 

無事イベントで良い成績を残せた俺は掲示板にて使えそうなスキルがないか確認していた。

メイプルに教えて貰ったのだが、こんな簡単にスキルを獲得できる方法がわかる場所があるとは…

メイプル様様である。

 

 

「ほかのMP関係のスキルはいらないかな。最大MPが増えたら【(エクリプス)】と【不撓不屈の支配者】で使うMPが増えるし、回復速度を上げてもMPはオーバーフローしているし。他には…【気配遮断】なんてのもあるのか」

 

 

足の速さには自信があるが、万が一バレて変なことをされても面白くない。これも獲得しておこう。

あとは【闇魔法】【ダークボール】なんてのもあるが…INTが低い俺が使っても火力に期待はできないだろう。

他の魔法を使おうにも【死霊魔術師(ネクロマンサー)】のせいで闇魔法しか使えない。最強コンボが手に入ったのはいいが、拡張性が失われたのは痛い。

 

「【大物喰らい(ジャイアントキリング)】…って、これ俺の極振りしてるのと相性ピッタリじゃん!!

…ふむふむ、なんで取得条件満たしてるのに持ってないんだ俺…?」

 

バグか何かかな??

一応運営に報告しておこう。

よし、とりあえずこのスキル達を獲得しよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュパッ!!

 

『…これでよろしいのですか我が君?』

 

「う、うん…。とりあえずそのまま倒し続けて」

 

『承知いたしました、我が君』

 

 

モンスターを見たくない俺は、ムーンに全てを任せていた。耳に残るような空を裂く音が聞こえる。

【MPカット】の獲得条件は魔法を使えるモンスターをとにかく倒しまくること。

そして【気配遮断】はバレずにとにかく倒しまくること。

どちらともあと数体倒すだけで獲得することが出来たので、プレイしているだけでもいつか自然にゲットできただろう。

ま、早めに取っておいて損は無いけどね。

 

 

『スキル【MPカット小】を獲得しました』

 

『スキル【気配遮断I】を獲得しました』

 

「もう戻っていいぞ、ムーン」

 

『はっ、承知いたしました』

 

 

もうすでに【大物喰らい(ジャイアントキリング)】は獲得していたので、狙っていたスキルはこれで全て集まった。しかし、ここである誤算が発生する。

 

『【気配遮断】が【死霊魔術師(ネクロマンサー)】により、スキル【隠密】に進化しました』

 

なんと、獲得したスキルが唐突に進化したのだ。

俺は早速いつものステータス画面を表示する。

 

スキル【隠密】

夜にしか使用できないが、15秒間闇に溶け込んで姿を隠すことが出来る。30秒後再使用可能。

 

これは俺の【常闇】とAGI極振りとも相性がいい。気付かれずに敵を処理できる方が嬉しいからな。敵意を向けられることもないし。

まあ、嬉しい誤算はあったが、ともかく獲得したいスキルは獲得しきった。…よな?

 

影駭響震(えいがいきょうしん)】【超加速】【大物喰らい(ジャイアントキリング)】によって、俺の最大AGI実数値は

 

225×4×1.5×2=2700

 

という、明らかに頭一つ抜けたステータスになってしまったのだった。なんと元のステータスの12倍である。

 

ちなみにこの前のイベント時、一度最大速度…1350で走ることが出来たので走ってみたのだが、早すぎて脳の処理や目が追いつかず、最大まで活用することは不可能だった。

どうやら調節したところ、900がなんとか扱えるレベルだった。

何か反応速度が二倍になるみたいなスキルがないと使いこなせないのが現状だ。

それなら、もう一度掲示板にて確認してみるか…

 

 

 

 

 

 

 

町へ戻ってみると、そこにはいつもの目立った装備をしているメイプルと…初心者の女の子がいた。

どうやら初心者の子のステータスを見ているらしい。

恐らく初心者の子はメイプルのリア友だろう。なんかしらのステータスに極振りしていると読むが…当たっているかな?

 

 

「おーいメイプルー!」

 

「おおっ!ゼロくーん!また会ったねー!こっちに来てー!」

 

 

俺は自分が扱える最大速度でそっちへと向かう。

 

 

「いや速っ!?もしかして彼がかえ…メイプルの言ってたAGI極振りの魔法使いさん?」

 

「そうそう!この前のイベントで2位を取ってたんだ!」

 

「えーっと、お名前は…」

 

「サリーよ。メイプルとは友達なの、よろしくね!」

 

「ゼロです。よろしくお願いします」

 

「それで、サリーさんはどのステータスに極振りを?」

 

「え?いやいや、私は均等にステータスを振ったよ」

 

「え、本当に?」

 

 

俺はメイプルに本当かどうか尋ねるが、メイプルは首を縦に振った。どうやら本当のようだ。

 

 

「くそっ!予想が外れたか…」

 

「いやなんの予想!?あ、あと堅苦しいからサリーでいいわよ。メイプルから色々話を聞いてるしね」

 

「そうそう。私が色々サリーに話したからね。あの物凄い戦い方について!」

 

「それじゃ遠慮なく呼ばせてもらうよ。ところでサリーは…」

 

 

俺は少し間を開けてサリーを見て口を開く。

 

 

「メイプルから俺の極度のモンスター嫌いについて何か聞いているかな?」

 

「あー…その事ね…」

 

「その反応は…もう知っちゃってるかー!」

 

「あっ話さない方が良かった!?ごめーん!!つい話の辻褄合わせるために話しちゃってさ…」

 

「いやまぁ別にいいんだが…」

 

 

実は俺の生き物嫌いについて、リアルで知っているのは家族以外なら勇輝しか居ないのだ。

メイプルは生き物嫌いについて知っている友達二人目という、結構貴重な人なのだ。

別に話してもいいのだが、話すほどのことでもないと話さなかったのだ。

ちなみに、勝手に知ってる人をなるべく少なくしようとしているのは内緒だ。

 

まあどの道メイプルと一緒にいるサリーにも話さなければいけない時が来るだろうしいいだろう。

先に話しておいた方が楽だしね。

 

 

「とりあえず、俺の話は終わりにして…俺が来る前になにか話していたが、なにかする所だったのか?」

 

 

一応聞いてみる。

 

 

「あーそうそう、実はメイプルの装備を作るのに地底湖の魚を釣る必要があって…」

 

「そうだ!この前の借り、今使ってもいいかな?」

 

「あー…仕方ない。行くとしますか地底湖」

 

 

まあ何とかなるだろ。ムーンと戦った隠しダンジョンと比べたら可愛いもんだ。…そうだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「速すぎないぃぃ!?」」

 

「ム、ムムムムーン。お願いだから俺の視界に入らないようにしてよ!」

 

『承知いたしました、我が君よ』

 

 

AGI約500ぐらいの俺にしがみついているサリーと俺に付いてくるムーンにしがみついているメイプルが口を揃えて叫ぶ。

ちなみに、サリーは元々ムーンに乗る予定だったのだが、何故か断固拒否されたので仕方なく俺が背負っている。

と、話を戻して、俺もなるべく本能が最高速度を出そうとしないように工夫する。

一歩間違ればAGI1350の速度で走り出してしまう。そんなことになれば全員一発KOだ。

 

 

「って、目の前に狼系モンスターが三体いるよ!?」

 

「ちょっ、サリーそんなこと言ったら…!!!」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!【(エクリプス)】!【死霊魔術師(ネクロマンサー)】!!

あああ!!【超加速】!!!」

 

「速すぎだってぇぇぇ!!!」

 

メイプルが注意をした頃にはもう遅い。俺はさっきの三倍近い速度で地底湖へと爆走で逃げていったのだった。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…疲れたぁっ…!」

 

「どんだけ早いのよっ…」

 

「あぁ〜目が回るぅ〜…!」

 

『あの…私はどうすれば…』

 

「ムーンは帰って!!お疲れ様!!」

 

『ありがたいお言葉。失礼します』

 

 

いろいろ起こりながらもなんとか地底湖にたどり着いた俺たちは、各自一度呼吸を整えていた。

俺は失神寸前である。【平常心】仕事しろよ…。あいや、しなくてもいいかも。

 

少し時間をかけて落ち着いてきた俺たちは自分の釣竿を取り出して釣りをし始めた。

 

「あぁぁぁ!!かかったぁ!!!」

 

「よっと、また釣れた!」

 

「私やっと2匹目だよぉ…」

 

 

釣れる度に俺は驚いて、メイプルやサリーに助けられていた。そもそもDEXが0の俺はほとんど魚が釣れないのだが、逆にいつ釣れるか分からないから常に警戒し続けなかければならない。

 

2匹目からはサリーの助言で、目で見ずに【不撓不屈の支配者】で魚を拘束してサリーにパスするようにしていた。

そうしてのんびり(?)釣りをして1時間。

 

サリーは12匹。

俺は4匹。

メイプルは3匹という結果になっていた。

 

「レベル1でここに来れたおかげで釣り上げた魚にとどめを刺すだけでレベルが上がる上がる」

 

実際、サリーのレベルは7にまで上がっていた。…俺たちはほとんど何にもしてないんだけどね。

 

「【釣り】スキルゲットー!…初スキルが【釣り】かぁ…メイプルのこと変って言えないなぁ」

 

「サリーはステータスポイント振り分けないの?」

 

「それはもうちょっとスキルを取ってから。スキルで戦闘スタイルが決まってくるところあるから…ステータスポイントはまだ取っとこうと思って。初期ステータスでもそこそこ戦えるしね」

 

「すげぇ…極振りしてる俺たちには考えもつかない!!」

 

「やるな〜上級者め〜!」

 

「あっ、またかかったよぉぉ…!!って、デカッ!?!?あっ…」

 

かかった竿を反射的に上げると、そこにはいつもより三倍ぐらいのサイズの魚がいた。

驚いた俺はつい体が動いてしまい、足を踏み外して湖の中に落ちてしまう。

 

 

「んぁっ…ブクブクブク…」

 

「やばい、助けないと!」

 

「でも私がいっても足遅くて無理だし…!」

 

「私が行く!!」

 

 

 

 

 

 

「プハァ!!はぁ、はぁ…ここは誰?俺はどこ!?」

 

「おーい大丈夫ー!?」

 

「まだ意識がしっかりしてなさそうだね…

もっとやっちゃってサリー!!」

 

「あぁぁ!気がついた!気がついた!!」

 

 

もうちょっとふざけさせてくれよメイプル…。

俺は湖に落ちたあと、サリーが助け出してくれたらしい。サリー様様だ。

 

 

「本当に生き物無理なんだね…とにかく、大丈夫そうでなにより。それでさ…さっき助けに潜ったら、地底湖の底に横穴があったんだけど…」

 

「…それって!」

 

「もしかして!」

 

「ダンジョンの入口かも…でも…」

 

「うん、私は行けないね…」

 

 

まぁAGIに1も振ってないんだ。仕方ないだろう。

 

 

「ゼロは…」

 

「あ、俺ダンジョン見るとトラウマがフラッシュバックしてくるんで無理です。それに俺が行ったらユニークシリーズ取れないかもだし」

 

「だから、慎重に攻略しようと思ってる」

 

「うん、色々手伝うよ!移動はもちろん、ゼロくんがやってくれるよね…?」

 

「ジェットコースターみたいになってもいいなら、いくらでもやってやるよ!」

 

「二人ともそう言ってくれると思った!さっすが!!」

 

「「えへへー。それ程でもー!」」

 

帰りはログアウトすればいいと【水泳Ⅰ】と【潜水Ⅰ】のスキルレベルを上げるためにサリーは再び泳ぎ始めたのだった。





【大物喰らい】の取得条件を完全に忘れていた…。
すまんな運営!お前たちのせいにさせてもらった!!

追記:サリーについての重大なミスを修正
再追記:釣りの勘違いを修正
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