素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。   作:名無しという名の者

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明日から毎日投稿頑張るので、これからも応援よろしくお願いします!!




第三章 死霊魔術師(ネクロマンサー)の第二回イベント
怖がり少年と第二回イベント


 

メイプルとサリー、シャイン、そして俺は第二層の街にいた。他の人も大勢おり、皆ワクワクとした顔をしている。

それもそのはず、今日は第二回イベントがあるのだ。

 

 

 

今日へ向けてのレベル上げやスキルの獲得もバッチリ。

死霊魔術師(ネクロマンサー)】の影の兵士達はHP追加以外特に弱体化を受けていないので、影の兵士で倒してレベルを上げたのだ。

もちろんAGIにすべて振っているので安心して欲しい。

 

 

弱体化といえば、俺だけなのかは分からないが何故かオーバーフローしていたMPと、上限を超えてMPを持てるスキルに修正が入った。

上限を超えたMPは全て魔力結晶となって杖に装着され、【(エクリプス)】や【死霊魔術師(ネクロマンサー)】でオーバーした分も魔力結晶として杖に装着されるだけで今まで通りに【不撓不屈の支配者】や【(エクリプス)】が使えるので安心してよさそうだ。

 

ちなみに、杖には魔力結晶が10個しかついていなくて大丈夫か?と心配だったが、一回スキルを使って魔力結晶が割れてなくなったあと、さらに魔力結晶が杖から生えてきた(?)ので、恐らく目で見えているのが10個なだけでもっと魔力結晶はあるのだろう。

 

 

 

 

話を戻して…

今日のために俺はレベル上げだけではなく、スキルの獲得もしておいたのだ。

この前のように【死霊魔術師(ネクロマンサー)】が効かない敵に対して俺はダメージを与えられないため、期待はできないがないよりはマシだろうと、【ダークボール】を獲得しておいた。

INT0の俺が使っても「焼け石に涙」だろうけど。

 

 

 

そして今回のイベントだが、パーティを組めるということでメイプルやサリー、シャインと話し合った結果、4人でマップを探索する形となった。

メイプルとサリーとは、シャインと一緒に第二層をクリアしたあとにばったり会ったのでシャイン紹介しておいた。

シャインはメイプルが第一回イベントにて3位を取ったのだと聞くと、興味を持って破竹の勢いで質問攻めをしていた。

メイプルが俺と同じ極振りの人だと気づくと、シャインは後悔したように「俺も極振りしとけば良かったかなぁ…」とガチ凹みしており、サリーは「いやメイプルとゼロがおかしいだけだから」と励ましていた。

俺とメイプルには大ダメージだったが。

 

 

 

 

 

「ガオー!それでは今から第二回イベントを始めるドラ!今回のイベントは探索型で、転移先のマップに散りばめられている銀のメダル300枚を探してもらうドラ!そして、銀のメダルを10枚集めると金のメダルに、金のメダルはイベント終了後にスキルや装備品に交換出来るドラ!」

 

 

「「あ、俺(私)このメダル持ってる!」」

 

「前回イベント十位以内の方は金のメダルを既に一枚所持しているので、倒して奪い取るもよし、我関せずと探索に励むもよしドラ!

それじゃ、早速第二回イベントを始めるドラ!」

 

 

カウントダウンに、皆が声を出す。

 

「5!4!3!2!1!」

 

「行ってらっしゃいドラ〜!」

 

 

町の真ん中に映るモニターに0が映った時、俺たちは光の粒子となって第二回イベントのマップへと転送されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…着いた?」

 

「着いたみたいだね」

 

 

メイプルやサリーの声に反応し、俺は目を開ける。俺達は空に島々が浮き、遠くに山の見える平原のど真ん中にいた。

 

 

「今回のフィールドは自然豊かな、モンスターの理想郷になっているらしいぞ」

 

「つまりそれは俺の地獄ってことかな?」

 

「ゼロが異端すぎるだけだと思う…」

 

「ま、ままぁとにかく!楽しく出来たら何だっていいじゃん!ね?」

 

「…とりあえず探索するか…1週間ねぇ…」

 

そんな話をしていた俺達だったが、ここで右手に背の低い草を掻き分けてゴブリンが走ってくるのが見えた。

 

「ノォォォ!ゴブリンだぁぁぁ!!」

 

「さて、冷静に戦いますか!」

 

「ゴブリン相手なら…白雪でいいかな。私は当分はこの装備でいってもいい?いざという時は闇夜ノ写に変えるから」

 

「おっけー!頼りにしてるよ。今回は私が倒してくるね?」

 

 

いつも通り【気配察知】で状況を確認する俺に見えたのは、サリーがゴブリンに急接近してダガーを振り抜き、守ろうと出した棍棒と共に切り刻まれたゴブリンの体だった。

こうして、最初のモンスターは呆気なく光となって消えていった。

 

 

「「おーー」」パチパチパチ

 

綺麗な洗練された動きに、思わず拍手をする俺とシャイン。

 

 

「おー!やっぱり速いね!」

 

「俺より速さを有効活用してないか…?」

 

「VR慣れしてるなぁ」

 

「ふふふーありがとう!この辺は弱いモンスターのエリアなのかな?…メダルは無いかもしれないね」

 

「んー…そうかも。メダルはもっと分かりにくい所に隠してあると思う」

 

「探し回りますか…」

 

「ゴブリンはもう嫌だ。【常闇】!

そして…おっ、お前ら起きろぉ!」

 

『お呼びでしょうか我が君よ』

 

『キュイィ!』

 

「…ここはゲームここはゲームここは…」

 

「サリーさんどうした!?」

 

「あー…。実はサリー、昔からこういう幽霊全然駄目で…」

 

「マジ?俺と同類じゃん」

 

「モンスター見れる時点でゼロと一緒では無い」

 

『我が君よ、ご命令を』

 

「わぁぁぁぁ!!ビックリさせんな!」

「生きててごめんなさいっ…!」

 

「サリーさんが変な方向に…」

 

「あわわ…!皆大丈夫ー!?」

 

「と、ととととりあえずムーンとグリードはそこら辺にいるであろうゴブリンを狩ってきてぇ!【常闇】が届く範囲で!!」

 

『承知いたしました、我が君よ』

 

『キュイ』

 

 

突然出てきたムーンとグリードは俺の命令を受けるとシュタッと音を残してどこかへと消えてしまう。

次の瞬間、北と東からゴブリンの声が聞こえたが関係ないだろう。

 

 

「ヒッ…変な声した!変な声聞こえたってぇ!」

 

「おーいサリー?もう幽霊いないよー?」

 

 

気がつけばサリーは頭を抱えて地面にうずくまっていた。

 

 

「なんかこう見ると人が怖がってるのって面白いな…」

 

「それを常にやってるゼロは更に面白いけどね」

 

 

仕方ねぇだろ。怖いもんは怖いんだよぉ!

 

 

「ホントに…?本当に居ない…?」

 

 

メイプルの言葉に反応して恐る恐る顔を上げて周りを見渡すサリー。

 

 

「本当に居なくなったみたい…。よかっt」

『処理し終わりました、我が君よ』

『キュキュ!』

 

 

「「ギャーーー!!」」

 

「もう!みんなしっかりしてーーー!」

 

「…俺組むパーティ間違えたかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう?少しは落ち着いた…?」

 

「はい…」

「もう大丈夫…」

 

「よし、それなら探索再開ということで」

 

 

あれから小一時間、俺とサリーはようやく落ち着いて探索が再開できるようになった。

元凶のムーンとグリードにはメイプルが少し説教をしたらしく、しゅんとしていた。自業自得だろう。

 

 

「少し予定が狂っちゃったけど、次はどうするつもり?」

 

「うーん…。やっぱりあっちの山の方n…」

 

 

サリーとどこに行くか吟味していたメイプルは次の瞬間、地面の中へと【落ちて】いった。

 

 

「「「メイプル(さん)!?」」」

 

 

突然の出来事で少し反応が遅れたが、急いでメイプルの地面へと急ぐ。

サリーとシャインが地面に手を恐る恐る入れると、地面はなかったかのように手は吸い込まれていった。

ちなみに俺は何かがあったら怖くて手を出せなかった…。

安全だと証明された俺たちは顔を地面につけてメイプルに安全確認をする。

 

 

「メイプルさーん、大丈夫ですかー?」

 

「大丈夫ー!ぜんっぜん平気ー!」

 

「あぁ、そうだよね…」

 

「それより、横に道があるみたいだけどー…」

 

「隠しダンジョンかもな!」

 

「それじゃ、一旦降りますねー」

 

 

一度、地面に突っ込んでいた顔を上げて俺たちは飛び込み、スタッ、と綺麗に着地する。

横を見てみると、本当に横に洞窟がある。

 

 

「それじゃあ、行ってみる?」

 

「「「もちろん!!」」」

 

 

俺たちは洞窟の中へと入っていった。

モンスターが怖いが、俺だってメダルを集めてレアスキルを獲得したいのでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ…と!」

 

サリーのダガーが次々と出てくるゴブリンの顔面を切り裂く。

特にやることの無い俺たちは一応構えてはいるが、別に強くもないのでどんどん奥へと進むことが出来た。

 

「またわかれ道だ…」

 

シャインがポツリとつぶやく。

それもそのはず。この洞窟はあのデケェ蜘蛛と戦ったダンジョン迷路と大差がないぐらい分岐されており、それのせいで何度も行き止まりにあったのだ。

 

「どっ、どどどどっちに行く?」

 

「ちょっと待ってね…【サウンドソナー】…!

右側の道から何か大きいモンスターの足音が聞こえる」

 

「おっけー、じゃあ右で」

 

 

俺たちはシャインのスキルを頼りに右の道へと進んでいく。すると、少し大きめの部屋へとたどり着く。

その時。

 

「ノォォォ!!」

 

部屋に咆哮が響き渡り、地鳴りがする。

俺たちは直感する。これはボスの咆哮だ…!

それと共に、俺たちの元へと近づく足音、金属音。そして聞くのも嫌な鳴き声。

 

 

「ボスが何か指令出したかも、ゴブリンが集まってくる!」

 

「どうする?」

「…っ、来る!構えて!!」

 

「おっお前ら起きろぉ!!」

『…迷惑をかけないようにいたします…』

『キュイ…』

 

 

メイプルは白い盾を、サリーはダガーを、俺とシャインは杖をそれぞれ構える。

さっ、さささぁ戦闘開始だ!!

 

 

 

 

 

 

「…【冥界への一歩】ぉ!

えええええ【(エクリプス)】っ!」

 

「【音増強】【ノイズ】!【咆哮】!」

「【毒竜(ヒドラ)】!」

『…』

 

俺は目をつぶって【気配察知】をしながら敵へと近づく。道はゴブリン共で埋まっているので、【冥界への一歩】で空に道を作って【(エクリプス)】を発動する。

弱体化の影響で2秒の硬直が発生する俺。しかしそれをカバーするようにシャインが【ノイズ】を、メイプルが【毒竜(ヒドラ)】を発動させる。

前衛を引き受けていたムーンとグリードは、魔法が発動できたと確認すると一度影の中へと潜る。

 

【ノイズ】で怯んだゴブリン共に容赦なく迫る毒竜。

奥にいる魔法使いゴブリンはMPが突然消えたことが飲み込めず、出せるはずのない魔法を出そうと努力している。

毒竜に飲み込まれたゴブリンや、毒の海にやられるゴブリン。

 

「【死霊魔術師(ネクロマンサー)】!!」

俺は隙をついてゴブリンを闇の中へ飲み込む。

洞窟内はカオスとなり、ゴブリン達はそれでもめげずに立ち向かってくる。そして、サリーに切り裂かれてやがて消えていく。

 

 

「【音増強】【超振動】!落ちろ落ちろぉ!」

「【シールドアタック】!で、終わりっ!」

 

「【冥界への一歩】!あっぶなっ!?」

「ゼロ大丈夫!?って、空歩けるのか…」

 

 

メイプルが最後の一体に【シールドアタック】をすると、全てのゴブリンの討伐に成功する。

 

「みんなお疲れ様!!」

 

「にしても派手にやったなぁ…」

 

シャインは後ろにある毒の海を遠い目で眺めながら言う。俺もさっき危うく落ちかけたのだ、気をつけてもらいたい。

 

 

「えへへ…そんなことより行こう!きっとこっちがボスだよ!」

 

メイプルは照れ笑いを浮かべつつ話を変える。上手いものだ。

 

 

「そうだね、行こうか!…よっ!」

「俺も…っ!」

 

「グリフィン君乗せていってくれない?」

『キュイ!!』

『グリードだ、と言っております。そして乗せていってくれるそうです』

 

サリーと俺はゴブリンが苦しんだ毒の海をジャンプで、シャインはグリードに乗って飛び越える。そして、メイプルは歩いて渡る。

 

 

「よく歩けるなぁ…」

「私が触れたら一発アウトだよ」

 

「気をつけて発動するね…」

 

「「「お願いします」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボス部屋っぽい部屋発見!」

 

目の前には道中には一つも無かった扉の存在があった。

 

「入るのやめにしない?ねえ?」

「ダメに決まってんだろ!さあ行くぞ!」

 

拒否する俺を押して強制的に部屋の中へと押し込むシャイン。くそぉ!やるしかないのかぁ!!

五メートル程の木製の扉を開き中へと入る。

 

中は広く、薄暗い。

天井までは十メートル近く、周りを見るに横幅も同じくらいだ。

そして奥行きだけはその倍程でその最奥には巨大な玉座。

さらに、そこには醜悪な顔をした巨大なゴブリンが座っていた。

はい、【気配察知】っと。

 

ゴブリンは俺たちに気付いて咆哮する。

凄まじい音量だ。

 

「さっと倒しちゃおう!あいつうるさい!」

「同感、行こう!」

 

「ああ!やると決めたらとことんやってやる!」

「【音増強】【咆哮】!【ノイズ】!」

 

ゴブリンとの距離、およそ20m。

ゴブリンは近づかせまいと玉座の真横、立てかけてあった巨大なサーベルを手に取りつつ立ち上がる。

そしてそれを振り抜こうとするが、シャインの【ノイズ】で怯んでしまう。

最速で移動する俺は既にゴブリンの懐に入り込んでいた。

 

「【(エクリプス)】!【不撓不屈の支配者】!」

 

俺は一瞬で糸を巻き付けると、すぐにムーンに交代する。

 

 

「【影の交換】!あとは頼んだぁ!」

『お任せ下さい、我が君よ』

 

「【超加速】!って早っ!?…でもナイス!」

「【カバームーブ】!よしっ、移動完了!」

 

拘束された巨大なゴブリンはサリーとムーンの攻撃を許してしまう。

まだまだ糸の効果は8秒もある。それまでに沢山攻撃してくれ!!

 

 

「【ダブルスラッシュ】!【ウィンドカッター】!【パワーアタック】!【ダブルスラッシュ】!」

「【毒竜(ヒドラ)】!」

「【音増強】【爆発】!!」

『…』シュパッ

 

毒竜、毒ダメ、斬撃ⅹ2、爆発。

 

何とか立とうとしたゴブリンのボスだったが、それも長くは続かず、その巨体を輝く光に変えて爆散した。

 

『レベルが25に上がりました』

 

どうやらレベルも上がったようだ。ムーンがトドメをさしてくれたおかげだろう。

こうして、俺たちの第二回イベント最初の戦闘は呆気なく幕を閉じたのであった。

 

 

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