素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。 作:名無しという名の者
恐がり少年でも愛してくれる人はいるのだろうか?
怖がり少年と初期設定
--零士視点--
まずはさささっと初期設定を終わらせていった。相変わらずこの手のオンラインゲームはゲーム以前に初期設定がめんどくさい。
ゲームの世界へと入る瞬間、あまりの眩しさに零士は一瞬目を閉じてしまう。
光が収まり、目を開けるとプレイヤー名を決める光るパネルが目の前にあった。周りは真っ暗で進むことはできなさそうだ。
「名前か……」
俺の名前は零士。それなら…
「『ゼロ』っと。よし、これでOKだな」
さすがに安直すぎただろうか。まあ、このレベルの名前をつけている人なんて世の中沢山いるだろう。『ああああああ』って名前にする人もいるぐらいだし。
名前を決めると、さっきまで暗闇だった周りがだんだんと明るくなっていく。いつの間にか『The・バーチャル』みたいな場所になっていた。
完全に闇がなくなると、俺の周りに様々な武器が。
大剣、片手剣、大盾、杖…とかなりバリエーションがあるようだ。
一つ一つ分析していこう。まず俺が扱う上で最も大切な要素…それは、『いかにモンスターとの接触を避けられる装備か』ということだ。
例えば大盾。この武器はわざわざあの怪物たちを寄せてから攻撃をするという、訳の分からない武器である。よって、俺にとって大盾は論外なのだ。
「接触の少ない装備…接触の少ない装備…あっ」
思わず声を出した俺の目の前にあった者…それは『杖』であった。
杖ならば後ろから魔法をぱなしているだけで戦うことが出来る。もちろんそれだけじゃないのはわかっているが、基本的な戦術は変わらないだろう。
「杖、[STR]などが低い代わりに全武器中[INT]が最も高い…んな詳しいこたぁどうでもいい。怪物共から離れて攻撃できるんなら何だっていいんだ!」
俺は迷うことなく初期装備を決定した。
次はステータスポイントだ。
まず、杖を選んでいる時点で[STR]に振ることはありえない。そしてモンスターに近づかれた時点で俺にとっては実質的な死なので[VIT]に振ることはもっとありえない。
となると、[AGI]、[DEX]、[INT]に均等に振り分けるのがいいのだろうか?
その時、零士に電流が走る。
「これ、[AGI]に全部振れば近づかれても逃げられるのでは?」
天才だ。遠距離から魔法でチクチク攻撃をし、いざ近づかれたら逃げればいいのだから。我ながら自分の頭脳が恐ろしい。
「それなら…これでよしっと。ステータス[AGI]極振り!」
これで全ての設定が完了したようだ。
俺の体が光に包まれる。
そして次に目を開けた瞬間。
そこは現実世界と遜色のない活気溢れる城下町があった。