素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。   作:名無しという名の者

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1話前のサブタイトル書き忘れてたのは忘れてください(懇願)



怖がり少年とアンデッド

 

 

 

 

 

「【虚絶の刀】!【ダークボール】!あぁぁぁもう無理!【(エクリプス)】ぅ!!」

 

 

その瞬間、俺の周りにいたモンスターは俺の周りに発生した闇に吸い込まれていく。

が、俺は即座に自分がした大きな過ちに気がついてしまう。

コボルが別のモンスターと戦っているにもかかわらず、俺は硬直のある【(エクリプス)】を恐怖のあまりおもわず使ってしまったのだ。

目の前にアンデットのモンスターが迫ってくる。が当然動けない俺。

 

 

詰んだ。死んだ。リアルに心臓止まります。

そう思った時。俺のカバーに入ってくる一人のプレイヤーが。

楓の木の保護者枠……クロムさんだ。

 

 

「よっと。ゼロ大丈夫か?」

 

「たたたたた助かりました……」

 

 

俺の心配をしながら、さりげなく追撃してきたアンデッドのモンスターを返り討ちにするクロムさん。

かっこいい!

 

 

「しかし、まさか本当にゼロを連れてくるとは」

 

「あいつ絶対許さない……」

 

 

 

俺がガクガク震えながら繊翳ノ刀で来るモンスターを倒しそう言うと、クロムさんは突然笑い出す。

 

 

「俺の命に関わるんですからね!?」

 

「ハッハッハ……そんなに強くちゃ説得力の欠片もないがな」

 

 

「あーもう!もうちょっと広かったらもっと影達呼び出して一発なのにぃ!!」

 

「別に呼び出すスペースはあると思うが……」

 

「いや、そしたらクリアする前に俺がやられます」

 

 

……じゃあせっかく貸した影達も俺のせいで使えないってこと??俺のスキルなのに俺がいたら使えないとは一体……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後クロムさんとコボルの圧倒的カバー力に助けられながら順調にダンジョンを進められていた。……あとシロップも。

防御と攻撃の比が3:1なのがすでにダンジョン攻略としておかしい気がするが……いや、そもそも俺も攻撃特化じゃないな。

 

 

そういえば俺の役回りってなんだろう?

AGIだけが頭八つ分ぐらい抜けているが、別にサリーのようにSTRに割いてる訳でもないし。

なんなら一応俺は魔法使いだからな。魔法系のスキル一切使ってないけど。

まぁムーンとかに任せときゃなんとかなるだろ!

 

 

「ゼロ、ボスの部屋に着いたみたいだぞ」

 

「よよよよようやくここから出れるんですね……」

 

「あぁ。大盾を使ってる以上、一人で攻略するのは厳しいと思ってたんだが……ゼロがいるなら安心だな」

 

 

 

それに出てくるモンスターも雑魚だったし、と付け加えるクロムさん。

なんかめっちゃ信頼されてるのはいいんだけど……プレッシャーがすごい!

 

 

 

クロムさんはボスの部屋に通ずる大きな扉をゆっくりと開ける。中はよくある城の一部屋のような内装で、まぁまぁの広さが確保されていた。

 

俺達が完全に部屋の中に入りきると、部屋の奥で一体の骸骨がゆっくりと起き上がる。

 

それは今までのスケルトンとは違い、古びているものの豪華な装飾のついた防具と長剣を装備していて、その空っぽの目の部分から人魂の様な青白い光を覗かせていた。

 

 

 

「ふぅ……ゼロと二人でボスを倒すのは初めてだな……いや、二人ではないか」

 

「はは早く倒して早く帰りましょう!!」

 

 

クロムさんはシロップを巨大化させると、先手必勝とシロップに命令する。

 

 

「【大自然】!」

「【暗殺者】【虚絶の刀】!」

 

シロップの周りの地面から伸びる極太の蔦と、俺の無数のナイフがボスに襲いかかる。が、それは全てボスの体を覆う、青白く輝く障壁に止められてしまう。

 

 

 

「まずは、なんとかしてあれを破らないとな」

 

「おおお俺が行ってきます」「頼んだ!」

 

 

「ふぅ──……【隠密】【超加速】!」

 

 

俺は一秒もかけずに25mほどあった距離を縮めてボスの至近距離まで到達する。

 

「【虚絶の刀】からの【綾】!」

 

 

俺は【虚絶の刀】で最大である30本まで生成してボスの周りに浮かせると、自分の手に持っている繊翳ノ刀を振りかざす。

すると一斉に30本のナイフも動き出し、斬撃を発生させながらボスの体を切り刻むように切りかかる。

これが俺の現在持ってる中で一番強い、【綾】というスキルだ。

【虚絶の刀】で生成したナイフで一気に畳み掛ける貫通攻撃のスキルなのだが、使い終わると同時に生成したナイフが全部消えて一分間【虚絶の刀】が使えなくなるのがネックなところだ。

っと、そんな説明をしてる暇はなさそうだな。

 

 

俺の攻撃によってボスの周りを取り囲んでいた障壁はパリンという音を出しながら消えていく。どうやら貫通攻撃が効きそうという俺の見解は合ってたみたいだ。

 

 

「ゼロ!一旦こっちに戻ってこい!」

 

「【幽闇】……これからどどどどうします?」

 

「瞬間移動も出来るって便利すぎないか……?」

 

 

そんな事を話していると、自分を守るものが無くなったボスはさっきとは違う挙動になる。

カタカタと音を立てるボスが地面に長剣を突き刺すと、長方形の部屋の四隅からわらわらとスケルトンが溢れ出してくるように。

 

 

「ゼロ、影達を「ああぁぁぁぁ!!お前ら起きろぉ!!!」

 

 

 

クロムさんは少し苦笑いをしつつも、シロップに周りのスケルトンの処理をするよう指示を出す。ボスに集中できるようにするためだろう。俺も影達に周りのスケルトンとの戦闘を任せる。

 

 

 

クロムさんはシロップと影達のHPに気を配りつつ堅実にボスにダメージを与えていた。

 

シロップも時折【精霊砲】というヤバめの攻撃でボスへのダメージを増加させ、俺も【油断大敵】や出血といった状態異常を駆使して着実にHPを減らす。

 

 

 

「【シールドアタック】!」

「【不撓不屈の支配者】【虚絶の刀】!」

 

 

 

クロムさんはノックバックが入ったボスに追い打ちをして俺もそれに続いて攻撃をする。

 

 

「もうHPが半分だぞ?」「早く倒れてくれぇ!」

 

 

「【炎斬】!」

 

炎を纏った短刀がボスの体を斜めに斬り裂く。

するとボスはもといた場所に戻り、スケルトン達を大量に呼び寄せる。

 

スケルトン達はその場に崩れていき、スケルトンから出てきた真っ黒い人魂がボスへと入っていく。

四隅から出てきていたスケルトンも止まった。

 

 

まだなんかあるの……?

 

 

 

ボスからは真っ黒なオーラが溢れ出し、大きな骸骨を形作る。

骸骨は片手にボス部屋の三分の一はある長さの剣を、もう片手には斧をもっていた。HPバーを見ると状態異常も回復されている。

 

 

「そそそそそそんなのありぃぃぃぃ!?」

 

「第二形態か。メイプルちゃんの方がよっぽど恐ろしいぞ?真似た方がいいんじゃないか?」

 

 

 

 

クロムさんがそう言って大盾を構える。

俺も恐る恐るナイフを握り直す。

まだまだ戦いは続くようだ。

 

 

「残りHPはわずかだ、とっとと終わらせるぞ!」

 

「りょーかいぃ!!!」

 

 

 

 

そう言うと盾を構えながら全速力で前に進みはじめるクロムさん。

俺もそれに続いて【隠密】を使いながらボスに向けて走り出す。

 

それに反応して振り下ろされる大剣。俺はサンを呼び出して守ってもらう。

クロムさんもいい感じにダメージ食らってないといいんだけど……!

 

 

「【油断大敵】!」

 

「ゼロ、避けろ!」

 

 

一旦ダメージを与えた俺に指示するクロムさん。振り向くとシロップが【精霊砲】を撃つ準備をしていた。

俺は【精霊砲】を食らう前に指示通り避ける。

 

しかしその【精霊砲】もボスの持っている剣と斧に弾かれてしまう。

 

 

「接近するしかないか……!シロップ、【大自然】!」

 

 

 

シロップが伸ばした蔓に対処するので手一杯なボスに接近するのは容易だった。足の速さだけは自慢だからな!

 

 

「おおお前ら起きろぉ!」

 

 

ボスの超至近距離で影達を一斉に出す俺。

それを一気になぎ払おうとボスは剣と斧を構えるが、その剣はシロップの蔓に、斧は俺の【不撓不屈の支配者】にそれぞれ固定されていた。

 

 

「【(エクリプス)】」

「ゼロのおかげで最後の攻撃になりそうだ!」

 

 

追い打ちをかけるようにボスのMPを全て吸い取る俺。その隙に距離を縮めてきていたクロムさんも攻撃に加勢する。

硬直があるんであとは頼みました……!

 

炎を纏った短刀がボスの顔面を斜めに斬り裂く。

 

 

その直後、ボスの目の青い光は消えてしまう。

ボスは漆黒の骸骨と共に、光となって消えていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんと言うか……随分あっけなかったな」

 

「俺にとっては十分鬼畜でしたよ……」

 

 

思わずその場に座り込んでしまう俺。気を失わないだけ進歩してる……進歩しているのか?

 

 

そんなことを考えていると、盾のチェックをしているクロムさんの前に魔法陣と大きな棺桶が現れる。

クロムさんは咄嗟に飛び退いてシロップを呼び寄せる。

 

 

「ゼロ、モンスターの可能性もある。気をつけろ」

 

「ひぇっ……もう戦いたくないってぇ!」

 

そう言いながら、シロップを後ろにつけて恐る恐る棺桶を開ける。が何かが出てきた様子はない。

 

 

「これは……」

「モンスターじゃないんですね?!」

 

 

中を見て固まっているクロムさんの横から俺も中を見てみる。そこには赤黒い血のような色の装備に身を包んだ骸骨が入っていた。

起き上がってくる様子はない。

起き上がってきたらちょっとしたホラーだ。

 

 

 

 

「は?こ、これが報酬か?」

 

クロムさんは恐る恐る装備に手を触れるとインベントリにしまい込んだ。

 

 

 

「ユニーク……シリーズ?」

 

「あぁ、俺の装備もそのシリーズですよ。……厨二病っぽい名前も含めて同じです」

 

「なんというか呪われそうな名前と見た目だな」

 

 

 

そういいながら装備についているスキルを確認しているクロムさん。

 

 

「強い……めちゃくちゃ強い……」

「どうです?クロムさんもついにこっち側ですか?」

 

 

そう俺が言うと、少しニヤニヤしていた。よっぽど嬉しいんだな。

 

 

 

「よし……帰るか」

 

「はい、帰りましょう!ムーンに言いたいことが山ほどありますから……!」

 

 

 

 

 






「おい、ゼロがいるのにクロムがユニークシリーズの装備を獲得してるぞ!お前らどうなってるんだ!?!?」

「ちょっと待てよ……分かった!ダンジョンに入る瞬間の人数を参照してるからバグったんだ!」

「なんでそんな初歩的なミスしてるんだよ…担当したの誰だ?」
「悪かったな、こんな初歩的なミスなんかして!途中からスキルを使ってダンジョン内に入ってくるとは思わないだろ!!」


「おい、口を動かす暇があったら手を動かせ!すぐに修正だ!!」


「「「えぇ〜〜…」」」

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