素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。 作:名無しという名の者
だんだんと早くなっていきますねー零士くん。
「さーてと。今日もレベル上げしますか!」
メイプルとフレンドになってから3日、ゲームを始めてから5日が経った今日。今やレベルは9になっていた。
それもそのはず、3日目からなけなしの金を払ってMP回復のポーションを買い、森へ向けて炎弾を打ちまくったのだから。副産物として、
スキル【
炎で自然を燃やした時、MPが少量還元される。
土魔法のダメージが20%カットされる。
獲得条件:炎で森を大規模に燃やすこと。
こんな不名誉なスキルも手に入れたので、ほとんどモンスターを見ずに倒すことが出来たのだった。途中で少しINTにステータスを振っておけばよかったと後悔したのは内緒だ。
「おりゃりゃ!炎弾!!」
今日も今日とて無心で炎弾を森へと打ち込む。すると、音声が頭の中で流れる。
『スキル【炎弾】が【三連炎弾】に進化しました』
『レベルが10に上がりました』
スキル【三連炎弾】
炎弾と同じMPの消費量で三つ炎弾を放つことが出来る。
獲得条件:炎弾を100回使用する。
「順調にスキルやステータスが強くなっていってる…!」
いつものステータス画面へと行き、流れるようにステータスポイントをAGIに全て振る。
レベルが10になり、2桁の大台にもなったことだしそろそろ冒険にでも出てみるか…!?
「くぅーーっ!!夢が広がるなぁ!!」
とにかく、今の俺ならモンスターなんてちょちょいのちょいでやっつけられるはず。今まで散々苦しめられた憎しみを込めてやっつける!
「よーしモンスター共!!覚悟はいいか!?どっからでもかかってこい!!」
「クゥ?」
声の主をたどってみると、そこは俺の足元のようだ。恐る恐る足元を見てみると、そこにはいつもの白兎が。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!ほんと無理ぃぃ!!!」
スキル【影駭響震】が発動して、二倍となったAGIで北の方へと俺は走っていったのだった。
「はぁ……はぁ……っ…」
一体どこまで走ってきたのだろうか。気がつけばあたりは真っ暗になっていた。
その時、シュボッ!と空中に青白い鬼火が出現する。どうやらここら辺の森はゴーストがスポーンするようだ。
「ノォォォォォ!!!」
拒絶の声を上げる俺。
そう、何を隠そうこの男、生き物だけでなく、幽霊も無理なのだ。逆になにとなら大丈夫かというと、恐らく人間だけである。
俺は気がつけばボロボロの家のような所に身を潜め、そこで俺は一人反省会をしていた。この家の中にはゴースト達は入ってこられないようだ。
「調子になんか乗るんじゃなかった…大体レベルが上がったのは放火をしまくったおかげで上がったのであって、自分が成長して生き物を見れるようになった訳じゃないのに…」
一人反省会に口を挟むかのように『ウオォォ…』という声が聞こえてくる。
「神様仏様キリスト様…」
まるで地震の時のように俺は机の下の中に潜り込む。すると、『ウオォォ…』という声が大きくなった。というか下から聞こえる。
「ク…クリア…クリアしないとっ…!」
パニックになっている俺はログアウトすればいいものをクエストをクリアしてこの家から謎の声の主を消し、安全に夜を明かすことしか考えていない。
下から聞こえただろうという予想は合っており、地下につながっていた。
「早くクリアだ……!!」
決心した堂々とする声とは裏腹に、足はガクガクブルブルとしていたのだった。
地下には部屋があり、部屋には地面に置かれた半ばまで溶けた蝋燭が置かれており。
それが照らし出しているのは、血まみれのまま椅子に括り付けられた男性?だった。
「なんだ人間か。なら大丈夫だ」
「痛い…痛い…ぃ…」
さっきから聞こえてきたうめき声は『痛い』と言っていたようだ。
「それじゃ…【ヒール】!…でどうかな?」
少し傷は治ったようだが、まだまだ全回復とまでは行かない。
「【ヒール】!…【ヒール】!!……」
--数分後--
MPポーションを二回使ったところでようやく男の怪我が全て治った。
「あり…がとう……」
男性は段々と天へと登っていき、最終的には光となって消えていったのだった。
『スキル【超加速】を獲得しました』
頭の中にいつもの音声が流れる。超加速ということは、少なくともAGIと関係しているスキルだろう。
さっそく確認をしてみる。
スキル【超加速】
1分間AGI値を50%上昇させる。
30分後使用可能。
んーと?今のAGIが126だから、つまり
126×4×1.5=756
…え?
「756ぅぅぅぅ!!?!?」
いやいやいや、落ち着け俺。影駭響震が四倍の状態で発動するなど滅多に有り得ない。そうなると実質AGI3倍だから、AGI378となり、最高値の半分になる。
「やはり最高値を出すのは難しいそうだな…」
と、俺はさっきまで男のいた椅子の場所を眺めながら考える。
というか、あれ?さっきの男はもう居ない。あの男は天へと召されていったはずだ。つてことはあれは人間なんかじゃなくて…
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!……」
幽霊を長時間(数分)見たことによって、頭がショックで壊れ、思わず気絶してしまうゼロ。
もう明るくなっている森に、今日も元気な叫び声が木霊したのだった。
---
時は少し遡り、ゼロとメイプルが出会って1日経った頃。
ネットのとある掲示板では、あるスレッドが立っていた。
【NWO】ヤバい奴ら見つけた
1:名無しの大剣使い ID:YqlQBxYyk
やばい
2:名無しの槍使い ID:tPZWQXLV3
kwsk
3:名無しの魔法使い ID:mWNkDTm41
どうやばいの
4:名無しの大剣使い ID:isiMckVky
二人いるから聞いてくれ
叫び声が聞こえたと思ったら叫び声が俺の前を通り過ぎていった
わけわかんないこと言ってるようにしか見えないが本当だ
5:名無しの槍使い ID:Hoxa49rxS
??叫び声の主がイッチの前を視認できない速度で通って行ったってことか?
AGI180でも視認できんのにそれはヤバくね?
6:名無しの弓使い ID:Rv2HFGnrQ
>1
強力な装備だったんじゃない?見えなかったんなら真相はわからんが
7:名無しの大剣使い ID:YetyHJDws
もしかしたら俺の幻聴かもしれん
ただ次の奴は幻覚でもない本物のヤバい奴だ
8:名無しの槍使い ID:P9FH1WXlk
kwsk
9:名無しの大剣使い ID:N9omWkN5S
何か西の森で大ムカデとキャタピラー数十匹に取り囲まれながら佇んでた
10:名無しの槍使い ID:YgydZT+6b
は?有り得なくね
普通死ぬだろwいくら大盾装備でも
11:名無しの弓使い ID:FUpCCf+pY
>1
さっきも言ったが強力な装備だったとか?そこんとこどうなん
12:名無しの大剣使い ID:VpCwRP/eQ
見た感じは初期装備だった
思い出すだけでも気持ち悪くなるわ
何で芋虫とムカデの中で平然としてられるんですかね
13:名無しの魔法使い ID:y3ZzhEWR9
その状況で死なないのはダメージを無効化してる?としか…
14:名無しの槍使い ID:1kbM+aVb/
そんなこと出来るか?
15:名無しの弓使い ID:6WeAB92xR
確かβテストの時の検証で防御を極振りにしても白兎の攻撃を耐えられるだけだったはず
16:名無しの槍使い ID:gkj7IX7xB
ゴミじゃねぇか
17:名無しの大盾使い ID:TLFJRhxBz
俺多分そいつ知ってるわ
18:名無しの大剣使い ID:J4esBXhQz
kwsk はよ
19:名無しの大盾使い ID:2pZEWNUJk
プレイヤーネームは知らんが身長150無いくらいの美少女
歩く速度からしてAGIはほぼゼロ
因みに俺がそいつと同じことしたら一瞬で溶けますはい
20:名無しの魔法使い ID:sgY2gzgSQ
やっぱ極振りか?まあ、でも隠しスキルでも見つけたとかかも知れん
21:名無しの槍使い ID:X28w2yeui
あーそれっぽいなって言うか女かそれも美少女か
22:名無しの弓使い ID:0LHtPk2/3
ほうそこに目をつけましたか
俺もだ
23:名無しの大剣使い ID:lQ5w2aEn6
んーまた追々情報集めるしか無いか
トッププレイヤーになるのなら自然と名前も上がってくるだろ
24:名無しの大盾使い ID:QCHsHOx/C
またなんか見つけたら書き込むわ
25:名無しの魔法使い ID:+RSed8FJf
情報提供感謝します!(敬礼)
こうして、零士と楓の知らないところで少しだけ話題になっていた零士と楓なのだった。
超加速を獲得できるクエストは原作基準にするかアニメ基準にするか迷ったけど、面白そうだったのでアニメ基準にしました。(悪魔の笑み)
今更ですが基本アニメ基準になりそうですね。そっちの方がトントン拍子に話が進むし。