素早さ極振りにした怖がり少年はネクロマンサーになるようです。   作:名無しという名の者

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なんでわざわざ嫌いな生き物がいっぱいいるダンジョンに行こうとするんですかねこの子は…




怖がり少年とダンジョン迷路

 

「あーひどい目にあった…」

 

超加速を獲得後、気絶してしまった俺はゲーム内での時間が昼頃になったときに目を覚まし、そこからすぐにログアウトして就寝したのだった。

ちなみにログアウトしたら既に午前四時をまわっており、絶賛寝不足中だ。

しかし昨日から三連休であり、まだ二日間もあるのである程度は別に寝ていなくても問題は無いんだけどね。

 

そんな俺にも一つ問題がある。まあそんなこと言ったらモンスターと目が合わせられないことが既に問題なのだが、それは今に始まったことじゃないので大丈夫だろう。

話を戻すと、その問題というのはズバリ『金欠である』ということだ。

 

なぜこんなことになってしまったのだろうか。

え?放火するためにMPポーションを買ったり、わざわざ高いスキルをショップで買ったせいだって?

…勘のいいやつは嫌いだよ。

 

 

とにかくこうなった原因を考えていても仕方がない。

調べた結果、どうやらゴールドを効率的に集めるにはダンジョン攻略をするのが一番良いらしい。

ダンジョンってアレだろ?一杯モンスターがいる〇ぬより辛い場所のことだろ?

しかし背に腹はかえられない。ゴールドを集めるには諦めてダンジョン攻略をするしかないのである。(※そんなことありません)

 

 

「よよぉっしぃ!がが頑張るぞぉっぅ!?」

 

「あれ?おーいゼロくんー!何してるのー?」

 

「ひゃい!?…ってなんだ、メイプルか…」

 

「大丈夫?すっごい返事の仕方してたけど」

 

「だだだ大丈夫。俺のことは気にするな。それより、メイプルはこれから何かするつもり?いつもより緊張してるみたいだし」

 

「そうそう、今からダンジョン攻略をするの!

…って、ゼロくんはダンジョンとは一生関わりがなさそうだね…」

 

 

いまさっきバリバリ行こうと考えていたところなんだけどな。

 

 

「もしかして歩いていくつもり?AGI0だし相当キツくないか?

俺ならAGIに全部振ってるからすぐに着くと思うし、良かったら送っていこうか?」

 

「え?いいの!それじゃお言葉に甘えて…」

 

 

俺はしゃがみこみ、背中をメイプルの方に向け、手の甲を背中につけてメイプルを背負えるような体制にする。

メイプルはすぐに俺の背中に乗り、俺は立ち上がる。

 

 

「重っ!?」

 

「おい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁぁぁぁぁ!!!

まだ生きていたいよぉ!!!」

 

「わっ!?ちょっと、早い早い!ゼロくんこんなスピード出せるの!?もうモンスターは追ってきてないよ、だから安心して!」

 

「ふぇっ…?本当に…?」

 

「本当に本当に!」

 

「よかったぁぁ…」

 

 

とまあ紆余曲折あり。なんとかメイプルの目的のダンジョンに着くことが出来たのだった。

 

 

「ありがとうゼロくん!予定より早く着いちゃった!気をつけて帰ってねー!」

 

「おう!メイプルも気をつけてダンジョン攻略しろよー!」

 

 

無事にメイプルを送り届けることが出来たし、一旦町にでも戻って…いや、ダンジョンがあるということは、ここの付近にもダンジョンがあるはず。ダンジョン攻略をしてゴールドを稼ぐチャンスなのではないか!?

よし決めた。ダンジョンを探すぞーー!

 

 

 

---

 

 

 

 

「これってそうなのかな?」

 

目の前にある洞穴のようなものは、さっき見たメイプルのダンジョンの入口に似ている。恐らくダンジョンであっているだろう。

 

「よーしダンジョンにはいるぞー」

 

………。

 

「よ、よーしダンジョンにはいるぞー!!」

 

………。

 

 

「……やっぱり無理ぃ!!」

 

逆になんでみんな普通に入れるんだよぉ!

なに?これ俺がおかしいの?みんなの方が十分おかしいよ?

そうだ。心の準備が出来るまで待っていよう。うん、そうしよう。心の準備が出来たら入るんだ。

 

 

--数時間後--

 

 

「時間の無駄だったな…」

 

自分でもこうなることは予想出来ていた。昔勇輝と遊園地でお化け屋敷に入ろうと言われた時も、『心の準備するからちょっと待って』と言って3時間待たせたことがある。

 

こういうのはきっかけが大事なんだ。例えば、こうやってダンジョンの中に入ってみたり…

そういって、俺はダンジョンの中に少しだけ入り込む。

 

ヒュルヒュルヒュル…

 

すると、急に入口が糸で閉ざされてしまう。

 

 

「は?…は???……はあぁぁぁぁ!!?!?

おい、ここから出せ!出しやがれ!!入ったのは冗談!冗談だからー!」

 

【三連炎弾】、【三連炎弾】と糸を燃やそうとするが、一向に燃えない。どうやら破壊することは不可能なようだ。

 

「これは悪い夢…これは悪い夢。ははは…現実なわけが無い…だってさ、こんなことあんまりじゃん…」

 

藁にもすがる思いでログアウトのボタンを押してみるが、ログアウトは出来ない。すでにダンジョンの中だからだ。

 

「わぁぁぁぁ!!おしまいだぁ!何もかも!!」

 

--一時間後--

 

「やるしかない。腹をくくるんだ俺…。同じ終焉ならせめて抗ってやる…」

 

閉じ込められて早一時間。ようやく決心がつく。

さあ、行くか…。

 

………。

 

……。

 

…。

 

 

 

「〇しに来てるよね?これ?」

 

ダンジョン探索を始めて1分と経たずに俺は諦めの境地に入っていた。なんと中は『迷路』だったのだ。

ただでさえモンスターのせいで心臓に悪いのに、急に角から出てきたりしたらそれこそ三途の川を渡る羽目になるだろう。

 

「【三連炎弾】!…ふぅ、ここにもいないか…」

 

今俺は杖だけを角から出し、そこから【三連炎弾】を打つことで行く先の安全を確保している。こうでもしないと俺は直ぐに〇ぬだろうからな。

というかあれ?俺ここで〇ねばすぐに町に戻れるんじゃないか?

…いや、ダメだな。遠距離ならの攻撃でやられるのならまだいいが、噛みつかれたりでもしたらゲーム内だけじゃなくリアルに〇ぬだろう。

結局こうしてクリアするしか道は無いのだ。

 

 

「【三連炎弾】!…ってうわぁいたぁぁぁ!!

【三連炎弾】!【三連炎弾 】!早く〇ねぇぇぇ!!」

 

角から【三連炎弾】を出すと、そこには蜘蛛が三体ほどいた。震える声と心と足を必死に押えながら後ろを向き、詠唱をしまくる。

 

「冷たっっっっ!!もうやだぁぁ!!」

 

蜘蛛を2体倒すが、最後の蜘蛛が出してきた糸が体に巻き付き、身動きが取れなくなる。

あ、これ〇んだやつだ。俺このまま噛みつかれたら心臓麻痺で〇ぬ。みんな今までありがとう。どうやら俺の人生はゲームで終わるみたいだ。

 

「……っっ……」

 

蜘蛛に噛みつかれそうになり、気絶する俺。すると、無意識領域の中に入り込むように脳内に無機質な音声が響き渡る。

 

『スキル【平常心】を獲得しました』

 

「…あれ?なんで俺気絶してないんだ…?明らかに気絶したはずなんだが…ってわぁぁぁぁ!!」

 

気がつくと、目の前には噛み付こうとしてギリギリ炎弾による火傷で光の粒子となって消えていく蜘蛛の姿があった。

 

『よかったぁぁ!!』

 

…って言うか結構モンスター見てるけど大丈夫だな。やっぱり成長している?のかな。…いや、足が震えてるし息も荒いから全然か。

というか、さっき【平常心】って…

俺は早速青白いパネルを出し、スキルを確認する。

 

スキル【平常心】

自我を失ったとき、すぐに自我を取り戻してMPを全回復する。精神攻撃が効かなくなる。

取得条件

モンスターの前で気絶し、かつそれまで一切のダメージを受けないこと。

 

ん?これってさ、MPを回復できるっていう点だけで見れば全然悪くないどころか神スキルだと思うけど、気絶することができなくなって、意識がある状態でモンスターに攻撃されるようになったと考えれば…

 

「ゴミスキルじゃねぇかぁぁ!!」

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