Fallout4 Another War Story   作:Gombei

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 パパやママが111として活躍する世界が多数ありますが、そうでない世界線の話を書いてみたくなったので書こうと思った次第です。
 プレイヤーの数だけ111がいるように、そこに生まれる物語も多種多様であるから変わり種がいてもいいのではと思って作りました。
 あらすじにあるように手記風で進めますので、ご了承ください。
 


放浪者編
第1話 200年後の世界


 2077年現在、アメリカと中国の総力戦が目前となる切迫した世界情勢になっていた。しかし、僕はそんなことは政府の役人や軍人のやるべきことであると暢気に構えて次のロケの準備に勤しんでいたのだ。

 え?僕が誰かって?ネイト?ノーラ?それはご近所さん夫婦の名前だよ。僕はパーマー。フルネームはパーマー・エルドリッチ。しがないスーツアクターさ。映画で正義の味方や悪役がカッコいい装備をするけど俳優本人がやるわけではないから、代わりをする人がいるでしょ?僕はそんな内の一人。あの人気のヒーローもの「シルバー・シュラウド」に対をなす大ヒット映画「スペース・ウォーズ」の悪役、ジェネラル・ヴェイダーの中の人でもある。でもそれは内緒。中の人がバレると自宅特定されて休めないからね。

 おかげでそれなりのいい儲けになってサンクチュアリヒルズに住むことが出来たというわけ。一等地故に暮らしやすい。ネイトさんやノーラさんとはここに引っ越してから知り合った。ネイトさんは退役軍人にしてエンジニア。ノーラさんは凄腕弁護士という絵に描いたようなエリート家庭だ。最近子宝に恵まれて男の子が生まれたらしい。その内出産祝いを用意しよう。

 それはそうと早くロケの準備して人々に大人気のヌカ・ワールドに行く準備をしなければ。そこでジェネラル・ヴェイダーの役をこなさなければいけない。大勢人が来るだろうし緊張するなぁ。

 

最終戦争勃発

 だが、ここで恐ろしいことが起きた。全面核戦争だ。アメリカが最初か中国が最初なのかは分からない。しかし、核は落とされた。僕は頭が真っ白になった。本当にこんなことが起きるなんて!逃げなきゃ!

 幸い数日前にVault-Tecのスタッフが自宅を訪れ入居権の手続きを済ませたところだ。郊外にあるとされるVault111に早く行くべきだろう。

 そこに行くと大勢の人で溢れていた。パワーアーマーを着た軍人たちが2名警護に回っている。僕はその人々をかき分けて自分の名前を伝えて中に入ることが出来た。良かった。リストに入っていて。それらに入ってない人はどうなるのか?この後を考えると怖いが僕一人で全員を救えるのか?無理だ。見殺しのようでいて後ろ髪を引かれる思いはあるがVault111のエレベーターに乗った。ネイトさんやノーラさんも間に合ったようだ。ノーラさんの両手には赤ちゃんを抱えている。無事で何よりだ。

 

 そして、流されるままにVault-Tecのスタッフ一同によりジャンプスーツに着替えることとなり、放射能除去のための特殊なポッドに入ることとなった。ネイトさんは僕の真横、ノーラさんは僕の真正面のポッドの位置となった。これで除去出来るのかという疑問を抱いていたがなんだか急に眠くなってきた。慌ただしい事ばかりだったためか、核戦争になった精神的な疲れのためか僕の意識は遠のいた。ポッドの中だし少しぐらい寝ても問題ないだろう。起きたら全部解決しているさ。大丈夫、大丈夫...。

荒廃した世界

 気が付くと怪しげな男女がノーラさんのポッドを開けようとしていた。僕はポッドを開けようとしたが内側から開けることが出来ないらしくどうにも出来ないでいた。いよいよポッドが開けられ防護服を着た女性が赤ちゃんを攫おうとしていた。ノーラさんは必死に抵抗していた。男性は銃を突き付けて一度しか警告はしないと脅す。ノーラさんは必死に取り戻そうと足掻く。僕にはどうすることも出来ないのか?

 バン!無慈悲に銃声が響きノーラさんは射殺されてしまった。僕はまた見殺しにしてしまったのだろうか?どんなに開けようとしても開けられなかった。足掻いたさ、僕だって!

 赤ちゃんを攫うことに成功した男女はその場を後にすることにしたようだ。僕は無力感に苛まれながらその場を見ているだけだった。去り際にノーラさんを撃ち殺した男性が僕の方を凝視していた。もしくは別のポッド、ネイトさんを見ていたかもしれないがよく分からない。ただ一言、「バックアップはまだある」と。そして僕の意識はまた遠のいた。

 

 再び気が付くと設備の致命的な故障をしたというアナウンスが流れていることに気づいた。その後、ポッドの扉は開かれた。あれからどれぐらい寝てしまったのだろうか?ターミナルで確認すると、生存者は僕一人だけらしい。ネイトさんは...、残念ながら手遅れだったようだ。

 ポッドが開いたのはリモートで操作された結果らしい。誰がやったのだろうか?何にせよ運が良かった。

 メインゲートを開けることに成功したが人気がまるでない。不安だなぁ。早く脱出しなければ。非常脱出口は不具合で機能しないので迂回しなければいけないようだ。道なりに進むと警棒を発見した。護身用に持っておくべきだろう。

 更に進むと何かがいることに気づいた。それは巨大化したゴキブリだったのだ!うわ~、ゴキブリは苦手だから辛い。しかも襲い掛かってくるし!僕は無我夢中で警棒を振り回して巨大なゴキブリを退治した。

 

 更に進むと事務室のような場所を見つけた。人はいなかったが白骨遺体は発見した。何があったんだろうか?只事ではないのは確かだ。

 この白骨遺体はこのVault111の監督官だったようだ。そして、僕は恐るべき真実を知った!ここのポッドは長期間肉体を冷凍させて、停止された場合の生命力の調査をしていたようなのだ。救命措置もしてはならない等と書き込まれており、僕達を実験台のようにしか扱ってはいなかったらしい。職員も絶対服従を強いていたようだ。Vault-Tecがこんな恐ろしいことをしていたとは夢にも思わなかったなぁ。上手い具合に皆騙されていたんだろう。

 監督官にとって僕達がポッドに入るのを疑われなかったのは運が良かっただけかもしれない。あんな非常時には誰も疑う余裕はなかっただろうし。

 

 その後、強制隔離期間が過ぎても本部から連絡が来ないので秩序の維持に努めていたらしい。しかし、それもいつまでも続かなかつたようだ。職員との衝突を繰り返していたようで、これは反乱が起きたと見るべきか?

 監督官のターミナルの上には10㎜ピストルが置かれていた。これは持っておくべきだろうか?何があるか分からないし...。映画での演技のようにやるしかない。確か、銃を撃つには弾を込めて安全装置を外してから照準を合わせて引き金を引けば良かったはずだ。上手く撃てればいいだけどなぁ。

 その後、ターミナルから脱出用トンネルを開いた。道なりに進むと巨大ゴキブリがうじゃうじゃいた。近づくのは嫌なので撃つことにした。映画の演技の通りに安全装置を外して引き金を引く!バン!

 上手く当たってゴキブリは退治した。何だ、思ったよりも上手くいくじゃんか。演技が体に染み込んでいたからかな?

 

 脱出口から進むと僕達が入ってきた時のエレベーターがあった。そこにも複数の白骨遺体があった。脱出しようとして揉めてしまい殺し合いになったのだろうか?これが反乱の結末か?

 僕は脱出するためにどうしたらいいか分からなかった。何かあるはずだと周りを見たら特殊な端末を付けた遺体を見た。僕はこれを失敬して取り外した。確か受け入れの時に見た気がする。僕はそれを取り付けると意外なほどフィットした。この端末はPip-Boyというらしい。

 これからコードを取り出して、エレベーターの機会に取り付けてボタンを押した。ポチっとな!するとアナウンスが流れてエレベーターを閉じていた扉を開き始めたのだ。

 アナウンスでは地表へのお戻りをお楽しみくださいと言っていたが嫌な予感しかない。あの怪しい男女が入れるぐらいだからきっと恐ろしいことになっているに違いない。

 

 地表に出ると荒廃した世界が広がっていた。人気を感じず周りを見渡すと白骨遺体がそこかしこにあった。あの時は入れなかったサンクチュアリヒルズの人々だろう。無念だったろうなぁ。気を取り直して町に戻ってみよう。生き残りがいるかもしれない。居たとしても話が通じるかは疑問だけどね。

 

紳士なMr.ハンディ コズワース登場!

 サンクチュアリヒルズに戻ると一体のMr.ハンディがうろついていた。何故か僕の事をご主人様と呼んでいる。話を聞くとこのロボットはコズワースという名前でネイトさんとノーラさんの家族の一員だったようだ。だが、何故か僕の事をネイトさんと誤認している。奥さんはどうしたかと聞かれたがそもそも僕は独身で所帯を持っていない。

 どう言うべきか迷ったが僕は君の言う人物とは違うと打ち明けた。

 コズワースは困惑していた。僕も困惑している。だって本当に違うんだもの。彼の名誉を傷つけないように言葉を選んで話すつもりだ。

 コズワースは「ショーン坊ちゃん」は如何されたのかと聞いてきた。その子供は知らないがもしかしたらノーラさんが抱えていた赤ちゃんがショーン君なのだろうか?状況的にそうだと思うが。

 

 僕はショーン君が攫われてしまった事を話した。怪しげな男女に誘拐されたのだと。コズワースは僕が空腹誘発性パラノイアを発症したと診断した。パラノイアには罹っていないのだがこんな状況が長く続くと僕もいずれ狂うのかもしれない。何とか正気を保たねば。

 次にあれからどれぐらい時間が経ったのかと聞いてみると210年も経過していたというのだ!つまり2077年から2287年になっているという訳か?ちょっとポッドで寝たら長い時間が経っているなんて、日本の昔話の「浦島太郎」みたいだ...。困惑している僕を他所にコズワースは2世紀ぶりの食事を用意すると意気込んでいた。

 僕もあの核戦争で満足に食べていなかったからありがたく頂くことにした。コズワースは上機嫌に鼻歌を歌いながら準備に取り掛かった。これからどうしていくべきか考えなければならない。




 拙い作品ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
 文中をいくつか修正しました。令和7年3月現在
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