人工フラクトライトとして紫の十字架は生まれ変わる 作:出涸らし皇子のファン
ifでもあんまり関わらないので、どのように対応するのか分かりません。タスケテ…
「おーい、キリト。もう時間だろ!」
そう言って近づいてくる男の子。その子は亜麻色の髪に光の加減で蒼にも見える翠の目だった。ボクはそれをとても綺麗だと思った。
村を回ってないから人もあまり見てないけど、やっぱりファンタジー風だなぁ。この子誰だろ?
「悪い悪い。ほら、俺はこいつを案内してただけでサボってるわけじゃないぞ」
「どうだか。それを理由にサボろうとしてたんじゃない?」
「おい。ちゃんと連れてきているだろ!」
「日頃の行いだよ。自業自得さ。それでその子は…」
「ああ、お前が見つけた倒れてた子だよ」
どうやらこの子にとってもキリトは色々やらかして、被害を受けているみたい。あれ?「お前が見つけた」って言ったよね?てことは…
「そっか。元気になったんだね、よかったよ。えっとユウキだっけ、
僕はユージオ。よろしく」
「あ、うん。よろしくー♪ボクはユウキであってるよ」
どうやらこの子がユージオみたい。キリトの友達って言ってたけど意外とおとなしそうだなぁ。何気にキリトの同年代の男の子じゃない?
クラインさんはあれだし、周りは女の子ばっかだし。
「でも、なんでこっちにきたの?僕達の天職は見てもつまんないと思うよ?」
「あー、なんとなく?ちょっと興味があったの。だめだった?」
「いや!そういうわけじゃないよ!気を悪くしたらごめんね」
「ダイジョーブだよ♪じゃ、見てていいよね?」
「うん、僕は問題ないよ。キリトもいいよね?」
「そもそも俺が連れてきたんだぜ?問題あるわけないさ」
とりあえず2人はどうするのか見てみようと思ったわけだけど…
「えっ、そんな重そうな斧で打つの?この木に?」
「あー、ユウキは知らないのか。この木はギガスシダーと言ったろ。
この木は燃えないし、ただの鉄じゃびくともしない。だからわざわざ
央都から竜骨でできた斧を取り寄せてんだ。このくらいの斧になんないと、傷すらつかないぜ。まあ、これでも傷ついてんのか怪しいけど…」
どうやら相当の斧じゃないと切り倒せないみたい。本当に木なの?
いくらなんでもありえない気が…
「じゃ、じゃあその木を切るために2人で頑張ってるの?意外と切り進められててると思うけど…」
ボクがそういうと、2人は顔を見合わせて、笑った。
「あっはは!まさか!とても2人だけでここまで切り進めないよ。
いいかい、僕達は7代目の刻み手なんだ。三百年かけて漸くここまで
だから、単純に計算してええと、あと900年かかるよ。18代くらい代わる頃に切り倒せるんじゃない?」
「え、ええ!?なんでそんな続ける必要があるの?これを絶対切り倒さなきゃいけないの?」
あまりにも気の遠すぎる作業でとても切り倒そうと思えないんだけど…
どんな理由があればここまでやると思えるんだろ…
「まあ、そう思うよなー。俺たちも先祖代々の悲願ってことでやってるだけだし、開墾したいならさらに南の森を切り拓けばいいと思うけど、
それ言ったら村長に怒られたしなー」
「えー、昔の人がやろうとしたのを継いでるだけ?それじゃやる気が出ないよ!」
「あはは、まあそうだね。でも一度決まったことはやり遂げるでもしないとやめる事ができないよ。それが決まりなんだから」
どうやら2人も別にやり甲斐があるわけじゃないみたい。まあ、普通はそうなんだろうけど、それにしたってここの法律ってなんか不自由すぎない?こんなちっちゃい頃からやりたくない仕事を一生死ぬまでやらなきゃいけないなんて。
「そろそろやろうか。あんまり話ばっかしてると日が暮れるしね」
「あっごめんね。邪魔しちゃって」
「いや、ちょっとやそっとじゃギガスシダーを切り倒す時間なんて変わんないから気にしなくていいよ」
そう言ってユージオがまず斧を木に振る。カァン!と音が鳴る。
…なんか音からしてとても木に思えないなー。
そうして、ユージオが50回叩き終える。と思ったら尻餅をついて息を切らしていた。やっぱ見た目通り...いやそれ以上に重労働のようだ。
するとキリトが代わりに斧を持ってまた50回叩く。どうやら2人で50回叩いて交代するみたいだ。
「ねぇ、これを後何回やるのー?」
「ああ、言ってなかったよね。2人で合計2000回叩くんだ。午前のうちに1000回は叩きたいね」
「そ、そうなんだ…」
……やっぱりこの世界厳しすぎない?あの2人があんな頑張っても達成感なさそうな仕事を10歳から一生やるって普通に考えておかしくない?なんなら勝手に決められるんでしょ?
そう思いながらも見ているとどうやら疲労が溜まったようで2人とも倒れちゃった。
「はぁ、はぁっ」「ひい、ひい」
「ふ、二人ともお疲れ。少し休んだ方がいいんじゃない?一応いつまでに何回かやれってわけじゃないんでしょ?」
「「そ、そうだね(な)」」
とりあえず2人は休ませた方がいいだろう。こんなに汗かいてるんじゃ水が必要なんじゃ?
「ねぇ、水ってどこにあるの?2人とも飲んだ方がいいよ?」
「あー、もうお昼だしアリスが来てくれると思うぞ...あっ」
「?どうしたの、キリト?」
「あー、ここにユウキがいるってアリス知らないよな…」
「ええっ。なんで伝えなかったんだい、キリト。ユウキのお昼ご飯はどうするんだい?」
「ん?どういうこと?」
「ああ、それわね、「あれ?その子誰?」あっ、来ちゃった...」
唐突に聞こえた声に振り向くと、そこには金髪、綺麗な青い眼の女の子がいた。
「やぁ、アリス。この子は昨日僕達が見つけた子だよ。」
「あら!もう元気になったの!?こんなとこにいて大丈夫なの?」
「こんなとことはなんだ。それにそいつがここに来たいから連れてきたんだぜ」
「あ、そうなの?えっと名前は…」
「ボクはユウキです!よろしく!」
「ユウキっていうのね。いい名前じゃない!よろしくね」
どうやらこの子がアリスって子みたい。キリトは綺麗な女の子に縁があるのかな?アスナに怒られるんじゃ?
「あっそういえば3人がボクを助けてくれたんだよね?ホントにありがとう!助かったよ!」
「そんなことないよ。アリスが冷静に大人を呼んでくれたからお礼はアリスにいえばいいよ」
「あら、最初に見つけたのはユージオじゃない。私だけとは言わせないわ。それより、あなたのお昼は?」
「あっ、そっか。なんも考えてなかったよ。どうしよう」
「仕方ないわねぇ。私のを少し分けてあげるわ。みんなで食べましょ」
「いいの?ありがとう!」
「あっでもちょっと待って。天命を見るから…」
天命?それって何?とボクが思っていると…
「ねえ、ユウキ。まさか天命も忘れちゃったんじゃないよね?」
「えーっと…ごめん、なんだっけ?」
この世界の常識らしいが本当にわかんないし、素直に聞いた方がいいだろう。そう思って正直に言った。
「ええっ、本当に何もかも忘れちゃったんだなぁ…。天命ってのは今アリスが見ているようにその命の数値で、その数値が尽きると腐っちゃったり、死んじゃったり、やがてこの世界から消えるんだよ。」
「へー、この世界の耐久値のことなのかな?」
「た、たいきゅう?あまり聞かないなぁ、君の住んでたところではそう言うの?」
「あっえっとね、そう言うもんかなー、あんま覚えてないけど」
「へぇ、変わったところだね。天命はこの世界の共通した言葉だと思っていたけど…場所によって意外な言葉もあったりするのかな?」
危ない危ない。なんとか誤魔化せたけど…なんか意外と当たり前のように信じてくれるんだね?
「うーん、急いできたのにもう天命がだいぶ減っているわ。そう言うことだから急いで食べちゃいましょ」
はーい、とみんな口揃って言って笑ったのは余談だ。
とりあえず、今日はアリスとユージオも食料を分けてくれたのでお腹いっぱいになった。前の世界じゃどんなに美味しくても偽物の満足感しか得られてこなかったのが続いてたので、こんなにお腹いっぱいになったのは本当に久しぶりに感じた。それにどうやらゲームの世界ではないのにシステムがあるからおそらくALOと同じく仮想世界なんだろう。でもなんで完全にお腹いっぱいになった時の状態が再現できるんだろう?
現実では食べていないのだから違和感はほんの少しでもあるはずだ。
「ねぇ、この世界について教えてくれる?なんにもかも忘れちゃって、
この世界の常識すら怪しいんだ。おねがい!」
ボクは意を決して3人に頼み込んだ。みんな驚いているがしばらくはこの村に住むだろうし知識を得ないと生きることも難しいだろう。
「…そっか、そうだね、村の掟から禁忌目録も知らなそうだもんね。
今からだと大変だろうし、アリス、教えてあげられるかい?」
「私が?ユウキはここにいるんだし2人が教えてあげなさいよ。ごめんね、ユウキ。これから家のお仕事を手伝わないといけないの。その代わり、安息日にはたーっぷり教えてあげるわ。それでいいかしら?」
「うん、十分だよ、ありがとう!」
「それじゃあ、そろそろ仕事を再開するから、交代しながら教えるよ。
最初は僕が仕事をやるから、今はキリトが教えてよ。」
「えっ、いきなりかよ!まぁ、なるべく頑張るよ」
「うん、それで、さっき言ってた村の掟なんだけど...」
「あぁ、それはなー...........」
そのあと2人交互に教えてもらい、仕事の分の2000回が終わると
「また明日な」ってユージオと別れ、キリトと教会に戻る。
これからはきっと、ボクが生きてく為に頑張りながらもみんなに支えてもらって、楽しく過ごせると思っていた。
けど、まさかこの新しく始まった楽しい日常が突然終わりを迎えることになるなんて、この時のボクは知るよしもなかった。
えー、とりあえず時系列としてはキリトが現実に帰る1年くらい前という設定です。あまり文章力もないので結構飛びます。