ULTRAMAN インToLOVEる   作:マーベルチョコ

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episode2 事件の顛末と誤った告白

宇宙人ララの一騒動が起こった翌日、ゲッソリしているリトに新星が話しかけた。

 

「おはよーっす、リト」

 

「おう……シンセー」

 

「大丈夫?すんごい疲れてるみたいだけど?」

 

「あぁ…昨日の夜色々あったからな……」

 

リトはそう言いながら昨夜の出来事を思い出す。

 

 

ララの発明品を壊し、無事だったリトは尻餅もついて地面に落ちた。

 

「いでっ!?」

 

地面にぶつけた尻をさすりながら周りを見るとララの前にアーマーを着た新星が立っていた。

 

「えーっと、それでアナタは誰なの?」

 

「一応『ウルトラマン』って、呼ばれています……」

 

「うるとらまん?」

 

するとリトはララの横に立ち、ウルトラマンをまじまじと見る。

 

「うわ……すげぇ本物だ」

 

「リト、知ってるの?」

 

「最近SNSやニュースで有名になってるヒーローだ。事故や事件を解決してるんだ。……てか、お前のせいで大変な目にあったんだぞ!?」

 

「えへへ、ごめんね。だいぶ前に作って操作方法忘れちゃった!」

 

リトはララに向かって怒鳴り声を上げ、ララは苦笑いしながら申し訳なさそうにする。

新星はリトとララをどうしようかと悩んでいると3人に声を掛けられる。

 

「ララ・サタリン・デビルーク第一王女、結城 リト。その場を動かないで貰いたい」

 

声のする方を向くと黒スーツを着て、片目をアイパッチで覆った背が高く筋骨隆々の男が立っていた。

 

「だれー?」

 

「こ、今度は誰だよ?」

 

「あ、隊長……」

 

新星に隊長と呼ばれた男はリト達に近づき、リトとララを見る。

その鋭い眼光にリトは少し後退りするがララは気にした様子ではなかった。

 

「私はS.S.S.T所属の『アラシ』と言う者です。ララ・サタリン・デビルーク第一王女、貴女に逮捕状が出ている。私達と共に来ていただきたい」

 

「何でついて行かないといけないの?」

 

「貴女が地球に来た理由、ここ荒らした訳等を聞きたいのです。お手を煩わせて申し訳ございませんが来ていただきませんか?」

 

「うーん……いいよ!」

 

アラシは怖い見た目とは打って変わって声色を柔らかく警戒させないような話し方ですララにお願いし、ララは承諾するがそこに待ったを掛けられた。

 

『ララ様お待ちください!得体の知れない輩について行くなど言語道断です!!』

 

ララの頭上から声が聞こえたのは彼女の発明品『万能コスチュームロボット ペケ』だ。

 

「そんなに警戒して頂かなくてもララ様はデビルークの第一王女、危害を加えるなど毛頭ございません」

 

『そう言いながら何か企んでいるのでしょう!?野蛮で下劣な地球人は何を考えている分かりませんからね!!』

 

ペケの一言にアラシの眉がピクリと動き、険悪な空気が流れる。

そこに声を上げたのは渦中の人であるララだ。

 

「コラ!ペケ!そんなこと言っちゃダメでしょ!」

 

『し、しかしララ様……』

 

「このアラシっていう人はうるとらまんの知り合いみたいだし、悪い人じゃないよ、ね?」

 

ララは新星の方に顔を向けて聞いてくるので頷く。

 

『わ、分かりました……しかし、そこの隻眼の地球人!ララ様に妙なことをしたらただじゃおきませんからね!!』

 

「勿論です。一切の危害は与えません」

 

アラシはそう言って頭を深く下げた。

 

「じゃあ、私は行くねリト」

 

「お、おい……大丈夫なのかよ?」

 

優しいリトはトラブルに巻き込まれたとはいえ、妙な連中に連れて行かれるララを心配した。

 

「心配してくれるの?優しいんだね。でも、大丈夫だよ。私、強いし!じゃあ、またねリト」

 

そう言ってララはS.S.S.Tと共に去って行った。

 

 

リトは昨日のことを思い出し、難しそうな表情をして唸っていた。 

ララのことは心配だが巻き込まれたことへの憤りも感じていた。

新星はその様子を見て、昨日の騒動の顛末を思い出す。

 

 

S.S.S.T(科学特別捜査隊)の彩南町支部では重苦しい空気が流れていた。

会議室にいるのはアーマーのヘルメット部分だけを脱いだ新星と1人の青年がいた。

紺色の髪で鋭い目をし、眼鏡をした青年はキリタ。

主に新星のオペレーターと作戦立案を行なう人物で歳は若いが非常に頭がキレる人物である。

 

「で、あのお姫様?どうするのさ?」

 

「今は上の決定待ちだ。おおかた何も苦情を言わずに母船に返すだろう。相手はあのデビルークだ。文句を言えば地球を消される」

 

キリタは表情を変えずにそう言うが今回の騒動で納得いっていないようだ。

それを聞いた新星もどこか不服そうな表情をして会議室に備え付けられているモニターを見る。

モニターには取調室が映し出されており、そこにはお茶とお菓子を楽しんでいるララが映し出されていた。

 

『地球のお菓子って美味しいね!まだある?』

 

『はい、ありますよ』

 

「呑気なもんだ」

 

お茶係の女性にお菓子を要求するララを見てキリタは呆れたように呟いた。

そこにアラシが入ってきた。

その表情は憤りを隠せておらず、眉間に皺が寄っている。

 

「今すぐプリンセス・ララを解放しろとのことだ。ふざけやがって」

 

「賠償等は?」

 

「そっちの星で起きたことなのだから関係ないだと、完全に俺達のことを下に見てやがる。せめてあの頭に引っ付いているロボットだけでもぶっ壊してやろうか」

 

アラシはそう言って拳の骨を鳴らす。

その時背後の方から誰かが歩いてくるのを感じとったアラシは2人に指示を出す。

 

「2人とも顔を隠せ」

 

新星は机に置いてあったヘルメットを被り、キリタは胸ポケットに入れてあった四角いデバイスを展開しヘルメットに変形させて被る。

2人がヘルメットを被ったのと同時に会議室の扉が開けられ、入って来たのは白く骨のような意匠をあしらえられた鎧を着た男と黒スーツの男2人だった。

 

「貴公が責任者であるアラシか?」

 

「責任者ではなく担当者ですよ。王族近衛師団団長『ザスティン』殿」

 

鎧を着た男はザスティンでララのお目付け役である。

 

「ふむ、そうか。では早速だがララ様を引き渡していただきたい」

 

「………承知致しました。こちらです」

 

慇懃無礼な態度にアラシは心の中で悪態を吐きながら案内しようと先導するが、途中ザスティンが足を止めた。

 

「君がウルトラマンと呼ばれている者か?」

 

「え、えっと……はい」

 

ザスティンは新星の方を向き聞いてきたので、少し緊張しながら答える。

 

「君のおかげで私の部下は怪我少なく済んだ。礼を言わせてくれ」

 

その言葉に新星は少し呆然としたがキリタに小突かれて慌てて返事をする。

 

「そんなお礼なんて当然のことをしただけですし……」

 

「当然か。異星人である私達を助けるのは当然のことなのか?」

 

「困っている人がいたら助けるのは当たり前じゃないですか」

 

当然のことのように言ってのける新星にザスティンは一瞬きょとんとしてしまうがすぐに笑みを浮かべた。

 

「そうか……その名の通り君はいい人間のようだな」

 

ザスティンはそう言い残して去って行った。

 

「『その名の通り』ってどう言うことだろ?」

 

「さあな」

 

その後ララをザスティン達に引き渡し、会議室には新星、キリタ、アラシ、そしてララの世話役をしていた女性がいた。

 

「スラム、姫の対応ご苦労だった。もう擬態を解いてもいいぞ」

 

「あら、そう?」

 

オルパと呼ばれた女性の体が水色に変色し、スライム状の物質に変わると顔つきが別の物に変わった。

彼女は変幻自在星人スムイラ星人の『スラム』、S.S.S.Tのメンバーである。

 

「うーん……!何だか変に肩凝っちゃった。キリタくん肩揉んでよ」

 

「お前に肩なんかあるのか?」

 

「酷いこと言うなぁ。じゃあシンセーくんが揉んで?」

 

「良いですけど……どこら辺を?」

 

スラムはまた擬態を始め、今度は肩までのセミロング髪の美女に擬態しその大きな胸を強調する。

 

「ここよ。こ・こ……」

 

「え、いや、その……」

 

胸を強調してくるので新星は顔を赤くして固まってしまうがアラシが止める。

 

「スラム、御門に化けて揶揄うな。後で俺に苦情が来る」

 

「ふふ、だってシンセーくんの反応が面白いし、リョウコの姿だと男が引っ掛かりやすいんだもの」

 

楽しそうに笑うスラムにアラシはため息を吐いた。

 

「用が無いなら俺は帰るぞ。明日の準備をしないといけないんだ」

 

「確か生徒会の書記さんに無理やり入部させられたテーブルゲーム部だったけ?」

 

「はぁ……」

 

キリタはため息だけ吐いて会議室から出て行った。

 

「じゃあ俺も……」

 

「新星、お前に指示がある。結城 リトを見張れ。あのお姫様が接触してくる可能性がある」

 

「接触したらどうすればいいですか?」

 

「接触した時は何があった報告しろ。あのお姫様が動くだけで全宇宙が動き出す」

 

真剣な表情でアラシは言うので新星は気を引き締めた。

 

 

(って、言ったけどリトのこの様子だと接触してこない方がいいなぁ)

 

相変わらずゲッソリしながら隣を歩くリトを見て新星はそう思った。

すると曲がり角でリトの想い人である西蓮寺 春菜が現れる。

 

「おはよう。結城くん、明銀くん」

 

「おはよう、西蓮寺さん」

 

「さ、西蓮寺!?オ、オハヨ……」

 

「どうしたんだよ、リト。顔が真っ赤だ」

 

リトは春菜が現れ驚き、途端に顔を真っ赤にする。

 

「私、きのう……」

 

「あ、あの!」

 

春菜が何かを話そうとしたがリトが話を遮った。

リトは中学時代から春菜が好きでいつも想いを伝えようとしていたが恥ずかしくてできずにいた。

しかし、今朝は春菜に声をかけられ有頂天になったリトはこの勢いのまま告白しようとしていた。

 

「オ、オレ……オレ……!」

 

(え、リト…もしかして西蓮寺さんに告白しようとしてる?俺がいるんだけどどうすれば……)

 

リトの突然の敢行に新星は戸惑い、上からやって来た人物に気づけなかった。

 

「オレ…初めて見た時から君の事が…好きでした!!だから…その、付き合ってください!!」

 

一世一代の告白にリトは目を瞑ってしまい、前を確認していなかった。

そのせいでとんでもないトラブルに巻き込まれてしまう。

 

「へぇ〜そっちもそのつもりだったんだ。ちょーどよかった♡じゃあ結婚しよ♡リト!!」

 

「はぁっ!!?な、なんでお前がここに……って結婚ん!?」

 

春菜に告白したと思ったら上から降りてきたララが間に入ったため、ララに告白してしまった。

ララは嫌がるどころかそれを受け入れ、しまいには結婚しようと言い出した。

 

「あ〜…これはとんでもなく不味いのでは……」

 

新星の呟きは誰にも聞こえなかったが自分の耳には嫌に残っていた。

 

 




人物紹介
⚪︎新山 嵐(しんざん あらし)
種族:地球人
性別:男
年齢:46歳
所属:S.S.S.T日本支部所属広域活動部隊 αチーム
役職:支部長兼チーム隊長
コードネーム:アラシ

S.S.S.T日本支部の支部長とαチームの隊長を務めている。
地球人でありながら異星人と渡り合う頭脳と身体能力を持つ。
外見はスポーツ刈りのマッチョ、片目のアイパッチが絶妙に似合っていない

※元ネタはア⚪︎ンジャーズのニック・フューリーとテラ⚪︎ォーマーズの小町小吉


⚪︎スラム
種族:スラン星人
性別:雌雄同体
年齢:ヒ・ミ・ツ♡
所属:S.S.S.T日本支部所属広域活動部隊 αチーム
役職:諜報員
コードネーム:スラム

S.S.S.Tの一員である異星人。
シェイプシフターの一種であり、希少な種族。
外見は淡い水色のセミロングのユニセックス的な女性。
特性は一度見た物、触れた物なら有機物、無機物関係なく変身できる。
だが自分の体積以上の人物、物には変身できない。
スラン星人は雌雄同体だが本人曰く、男で遊ぶのが好きなため女性でいることが多い性悪。

※元ネタは転⚪︎ラのリムルの女性体


⚪︎三条 桐那(さんじょう きりた)
種族:?
性別:男
年齢:16歳
所属:S.S.S.T日本支部所属広域活動部隊 αチーム
  秀知院学園2年
役職:諜報員兼戦闘員
  秀知院学園生徒会庶務
  テーブルゲーム部副部長
コードネーム:キャリバー

S.S.S.Tの一員。
異星人であるが詳細は不明。
身体能力は地球人を軽く凌駕している。
外見は切れ目のメガネイケメン。
戦闘は剣を好んで使用しているため、このコードネームが付けられた(命名者は新星)。

主な任務は日本の政治界、財界の子息達が多く集まる秀知院学園の監視と護衛。
ひょんなことから生徒会に所属し、そこの書記に勝手にテーブルゲーム部の副部長に任命されてしまった。
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