好奇心が人を殺す世界で   作:HERO-S-

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主人公が心優しい女の子かと思った?残念そいつはもういない!



プロローグ#2

 

今とても好奇心を擽られている『個性』がある。

 

『透明化』だ。

 

透明人間、脳を見ることでしか『理解』を得られない自分にとってこれ以上なく気になりもどかしさを覚える相手だ。

 

そのために光の反射以外で捉える方法を探した。

 

この模索の時間もまた好奇心を満たす一時であり私に充足感を齎す。

 

生物系統の『個性』が良いだろう。完全な能力を扱えるようになる私にとって生物系統の力はそこから派生されるあらゆる能力を一度に扱えるようになるためだ。

 

『蛇』を殺した。

 

赤外線センサーの役割を果たす『ピット器官』を狙ってのものだ。

 

副産物として『神経毒』『出血毒』『筋肉毒』『毒牙』『ヤコブソン器官』『鱗装』『腹這い』『脱皮』『保護色』『穴掘』『木登』『滑空』『冬眠』等が得られた。

 

やはり生物系は素晴らしいな。

 

『ピット器官』を試してみたが想定していた程鮮明ではなかった。表情がギリギリ読み取れるか読み取れないか程度、これでは充分とは言えない。

 

次に殺したのが『蝙蝠』だ。

 

眼が見えないにも関わらず投げられた石ころを避けるという話が気になったからだ。

 

狙っていた『反響定位(エコーロケーション)』を手に入れることが出来た。

 

副産物として『翼』『飛行』『超音波』『超聴覚』『休眠』『吸血』『伝染病』等も手に入れた。

 

『反響定位』を試してみると効果は絶大だった。

 

周りのものがハッキリと分かるのだ、見えると言っても差し支えがない程に。

 

もちろん音と光なのでラグはあるがそれでも充分すぎる能力であった。

 

早速透明人間の家を襲った。

 

配達員のようなスーツを着て黒い帽子とサングラスで顔を隠し、肩パッドや上げ底で体格を偽装した。

 

呼び鈴を鳴らし出てくるのを待つ。無理やり開けても良いが周りにバレる場合は事後の方が何かと都合が良いのだ。

 

「はーい」と気の抜けた返事をして母親らしき人物がエプロンを着て出てくる。服が浮いているのが中々に奇妙に感じられ好奇心が唆られる。

 

チェーンもかけずに開けて来たため、これ幸いと無理やり開き母親の口があるであろう場所に手を押し当てながら『念動力』で壁にドンと叩きつける。

 

扉を閉め、声を上げようとした母親の首を『念動力』を強めて締め上げると子供が奥の部屋からやってくる。

 

「来ちゃダメ」と母親が言いたげな顔をするより先に『念動力』で部屋の奥まで飛ばし子供を衝撃で気絶させる。

 

『反響定位』を使って母親が泣きそうになっているのを観察しながら『念動力』を強め額を横一線に割いていく。

 

「安心しな、子供には手を出す気ないから」

 

『今は』という言葉は発さずに伝えると、安心したような恐怖したような顔をしながら母親の命は途絶える。

 

『反響定位』によって脳を確認するとその構造を理解し、あらゆる情報と力が流れてくる。

 

『透明化』『屈折』『収束』『発散』『観測』『遮光』『反射』

 

何より驚いたのは『観測』である。

 

全方位から浴びせられる光を自身の視神経に収束伝達させ全方位の景色を理解するという能力だ。

 

しかし私では脳の情報処理スペックが足りないため使用不可に近いのが残念である。

 

しばらくした後、ある可能性が浮かぶ。

 

━━母親は【異形型】であったが子供は【異能型】かもしれない━━

 

判別方法は簡単だ。体液を見れば良い。

 

【異能型】は気絶する者もいるが持続する者もいるため確認する必要がある。

 

『念動力』を使って子供の額を浅く横一線に切る。

 

『反響定位』で確認すると血が流れているのが分かるが赤い色は見られない。

 

ならばわざわざ調べたいこともないためそのままその家を立ち去る。

 

『透明化』は【異形型】より【発動型】の方が優れているかもしれないな。

 

【異形型】は自分の身体を操ることしか出来ないが【発動型】であれば衣服や所持物も透明化出来るだろうし。

 

そうなると気になってきた。今度は【発動型】の『透明化』を見つけるまで透明人間を狩ろう!

 

あ、でも切り替えが可能なら透明人間の襲われるニュースが流れれば透明にならなくなるか。

 

じゃあしばらく保留かな、路地裏で人を狩る生活に戻ろうっと。

 





書いたら3800字とかなったから次の話に持ち越しにした。ただ透明人間狩るだけの回になっちゃったよ。
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