【深淵の魔女】〜人間?の赤子を拾ったハイエルフは、母性に目覚めてママになる。   作:二宮まーや

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11話 新たな生活、イリスの苦難(イリス視点)

 

 

「イリス、声が小さいですよ? はい、もう一度!」

「お、お……お姉ちゃん……」

「ん? そかそか、じゃあこのメイド服をそんなに着たいのですね♪」

「分かりましたよ! お姉ちゃんと呼べば良いんですね!?」

「うふふ♡ はい、良く出来ました♪」

 

 【深淵の魔女】、ミレーナ・フォーゲンベルク。私の娘を育ててくれた恩人です。この方は大陸中に名の轟く有名な大賢者の1人で、数多くの伝説を残している人物だ。そんな彼女が、今私の目の前に居るなんて未だに信じられません。と言うかこの人……引く程に同性愛者……俗に言う百合と言う奴ですかね。私の貞操が危ないかもしれません。

 

「ままぁ!」

「あらあら♡ アリスちゃんどうちたのでちゅか?」

「ぴったんこちよ!」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!! ずっとぴったんこしてよーね♡」

 

 こうしてまた娘と一緒に過ごせる日が来るなんて……まるで夢の様です。しかし、私の事を娘はママと呼んでくれずにお姉ちゃんと呼ぶのです。ミレーナさんの事をママと呼んで娘は四六時中べったりで、少し……いえ、かなり嫉妬してしまいます! でも、それは私が至らぬばかりに……いつか娘にママと呼んでもらえるように努力しなければなりません!

 

「イリスねーたん!」

「どうしたのアリスちゃん?」

「みんなで、おひゆねするの!」

「あらあら♪ 私はお昼ご飯を作らないと行けないから、ミレーナさんと先にお寝んねしていてね♪」

 

 さて、この家で唯一まともだと言って良いのは恐らく私しかおりません。ミレーナさんは、家事能力皆無で救いようの無い変態さんです。隙あれば私の体にセクハラして来るし……そして、ミレーナさんの従魔のフェンさんやサラさんも頭のネジが100本くらい抜けてるとしか思えません。この人達の普通と私の普通のギャップがあまりにも大きすぎるのです!

 

「あ、ミレーナさん! 脱いだパンツはちゃんと籠に入れて下さい!」

「はいは〜い♪」

「はいは、1回です!」

「もう〜イリスは真面目だなぁ」

「私がしっかりしないとミレーナさんが駄目人間に……いいえ、もう時既に遅しですね」

「ほほう〜イリス、言うようになったわね」

 

 私がしっかりとしなければこの家は終わる……と言うより、娘のアリスの教育上あまり宜しく無いかもしれない。娘にはしっかりと真っ直ぐに育って欲しいものです。ミレーナさんの手綱は私がしっかりと握ります!

 

「ほほ〜今日のイリスのパンツは白♡」

「ミレーナさん……!?」

「あらあら? お姉ちゃんと呼んでくれないのかなぁ?」

「ちょっと……やめ……!?」

「形も良く素晴らしいお尻♡ 安産型ね♪」

「ふむふむ、今日のお昼ご飯は……そこら辺に生えてる雑草で雑炊にしましょうか」

「やだやだ! イリスの意地悪! 私、マジョスティック激おこプンプン丸だお♪」

「ちゃんとした言語を喋って下さい。ミレーナさん、貴方年齢いくつでしたっけ?」

「ピチピチの17歳♡」

「ふ〜ん、あそ」

「ふぁっ……!? まさかの塩対応! ちょっとイリス私に冷たくない!?」

「ソンナコトナイデス」

「何故片言なの!? 胸揉むわよ……!?」

 

 さてと、やかましいミレーナさんの事は置いといてご飯の支度をそろそろしましょう。今日は何が良いかしらぁ……

 

「今からお昼ご飯の支度をしますね」

「おお! イリスのご飯〜♡ あ、そうだ。今日のお昼ご飯は馬刺しにしよ! ほら、あそこにちょうど良い馬刺しが寝てる!」

 

 ミレーナさんが指を差す先には、ソファの隣りで寛いでいる危険指定ランクS級のセイント・ユニコーンのユニさんが寝そべっていますね。普通こんな所に居るような……と言うより何故聖獣が居るのか未だに信じられませんが、ミレーナさんと付き合っているとこういう事に慣れてしまう自分も怖いものです。郷に入っては郷に従え……私もここに来て1週間が経ちましたが、段々と肝も据わり順応してますね。

 

「ヒィィ……!? ワタクシを食べても美味しくありません! 主様どうか私を食べないで下さいまし!」

「ユニちゃんったら可愛い♡ 冗談だよ〜もぉ♡ じゅるり……」

「目が本気ですの!!」

 

 本当にこの場所は賑やかで楽しいですね♪ 今日も腕によりをかけてお料理を振る舞いましょう。ミレーナさんは私の手料理にゾッコンなのです。私は元が付きますがエルフの里で料理人をしていたので、料理の腕には多少の自信があるのです!

 

「イリスぅ〜ビーフジャーキー作ってよぉ」

「あらあら、フェンさん。さっき食べたばかりではありませんか。食べ過ぎは良くありませんよ?」

「ええぇ〜良いじゃん良いじゃん! それともこの氷神狼(フェンリル)の僕に逆らうつもり?」

「そうですか……ビーフジャーキー明日から無しで良いですか?」

「くぅん……ごめんなさい。僕が悪かったです」

 

 フェンリルのフェンさんは素直で良い子ですね。しかも、人化してる際は、銀髪ケモ耳美少女なので私の性癖にもろに突き刺さっております。可愛い……はっ!? でも娘程ではありませんけどね! 私の娘……アリスちゃんが世界で一番可愛いのです!

 

「よしよし♪ ん? 何か焦げ臭い……」

 

 嫌な予感がしたので、急ぎ台所へ向かうとサラマンダーのサラさんが何やらお肉を焼こうとしていたみたいです。

 

「ふふっ……お肉はしっかり焼かないとな♪ 美味しくなるが良い……【⠀炎龍の咆哮(レーヴァテイン) 】!」

「ちょっと……!? サラさん貴方アホなの!? アホな子ですか!? ステーキ焼くだけの事で、殲滅級魔法を使うとは何処ぞの脳筋ですか!? 家が吹き飛びます!!」

「ふむ……イリス殿みたいに美味しいお肉が焼きたかっただけなのだ……すまぬ」

「やれやれ……私が美味しいお肉の焼き方を教えますので、一旦落ち着いて下さい」

 

 今日も忙しくなりそうです。とほほ……

 

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