【深淵の魔女】〜人間?の赤子を拾ったハイエルフは、母性に目覚めてママになる。   作:二宮まーや

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13話 一方その頃、ミレーナの配下達【ユニちゃん視点】

 

 

 セイントユニコーンのユニちゃんは、主であるミレーナの命を受け、現在鬼人族の青髪の青年と冒険者が侵入した場所へと向かっていた。

 

 

「オーッホッホッホ♪」

 

 

 さて、セイントユニコーンのこのワタクシが如何に役に立つという所を主様にお見せしなければなりません。しかし、主様も馬使いが本当に荒いです。口を開けば、直ぐに馬刺しやユッケ……非常食とは本当に酷いです! 

 

 

「どうしたのだ? ついに気でも狂ったか?」

「まあ! 失礼な! ワタクシは至って普通よ!」

 

 

 フェンリル様やサラマンダー様も私の事を歩く肉と見ているのです! 私も人化しようとも考えたのですが、私の場合は人化してしまうともう元に戻る事が出来ないのですわ!それにどんな容姿になるのかも分からないので少し怖いですの……リスクが高いので人族化するのは慎重にならねばなりませんの。

 

 

「今日は良き天気……快晴ですわね」

「そうであるな」

 

 

 セイントユニコーンの隣りに一緒に居るのは、長年縄張り争いを繰り広げて来た鬼人族の頭領、【妖刀】の異名で呼ばれるイクシオンだ。2本の逞しい角を生やした筋骨隆々の青髪の青年である。

 

 

「イクシオン、貴方それ過剰戦力じゃないかしら?」

「失敗は許されぬ。常に万全の体制で事に当たるべきだ。それにそれを言うならそちらもそうだろう?」

「馬刺しにされないためよ!」

 

 

 イクシオンの背後には精鋭50名の鬼人族が控えている。刀や槍に棍棒と言った多種多様の武器を装備した強者達だ。セイントユニコーンのユニちゃんの後ろにも数多くの魔物が目をギラつかせながら追従している。

 

 

「ミレーナ様やアリスお嬢様は息災か?」

「ええ、今日も仲睦まじく戯れておりましたわ。今頃、イリス様達を混じえて楽しくお絵描きをしている筈ですの」

「ほほう、それは何よりだ」

 

 

 何だか違和感がありますわね。お互いに縄張り争いで激しい戦闘を繰り広げて来たと言うのに……今ではこうして肩を並べて一緒に歩くとはね。

 

 

「しかし、こうしてお主と肩を並べて歩くのは不思議な感じだ」

「そうですわね、あれだけこの森の覇権を争ってた深淵の森の四柱……聖獣のセイントユニコーン、鬼人族のイクシオン、魔眼のサイクロプス、ダークエルフの女帝......様々な勢力が全員ミレーナ様に降伏したからね」

「ふっ、我はミレーナ様に忠誠を誓った身……ユニコーンよ、昔の事は水に流して、同じ主を頂いた身として共に邁進して行こうぞ」

「あらあら、イクシオンがそんな事を言うとは……貴方変わりましたね」

「…………」

「あら? そんなに顔を赤くして」

 

 

 薄々気付いては居ましたけど、イクシオン……貴方、ミレーナ様に惚れてるわよね。確かにミレーナ様は、性格はともかく強くてお美しい。イクシオンもやはり殿方ですのね。恋愛から最も遠ざかった男だと思って居ましたが、最近の彼の様子を見ていると思春期の初心な青年と言った感じです。昔の殺伐とした雰囲気はいずこへ……

 

 

「こ、この世は弱肉強食……強き者に従うのは弱者の定め……それに……ミレーナ様お優しくてお美しい」

「う、うん……で?」

「夜な夜なミレーナ様の事が頭から離れぬのだ……あの笑顔......やっと寝れたと思えば、夢の中でミレーナ様が我に微笑むのだ……あぁ……ど、どうすれば良いのだ!」

「くすくす……初心(うぶ)ですのね」

 

 

 種族の垣根を越えた禁断の恋愛……何故かゾクゾクしちゃいますわね。しかし、主様はアリスお嬢様の事を心底溺愛しておられます。愛情の度合いが凄まじくて他の輩がは入る余地は微塵もありません。これは前途多難な恋ですの……

 

 

「さあ、イクシオン。切り替えなさい、そろそろ目的地へ向かいますよ」

「あぁ、そうだな。使命を全うしようか」

「うふふ……日頃の鬱憤を発散してやりますわ! この深淵の森の……元上位聖獣として君臨したワタクシが直々にお相手をしてやりますわ! オーッホッホッホ!」

 

 

【深淵の魔女】と呼ばれるミレーナ様には手痛い敗北を受けましたけど、流石に冒険者の人間相手に遅れを取る訳には行かないのですの! 聖獣セイントユニコーンは気高き種族!

 

 

「貴方達、ワタクシに続きなさい!」

「ウキッー!」

「ワオ〜ン!!」

「キシャアア!!」

 

 

 セイントユニコーンのユニちゃんの背後には、配下のグラスモンキー10体、マリンスパイダー20体、レッドウルフ20体、合わせて50体の大所帯である。それに加え鬼人族の精鋭が50名……冒険者ギルド協会が定めた危険指定ランクA級、白馬の聖獣セイント・ユニコーンと推定A級の鬼人族、更にはB級のダイヤモンドの様に硬い身体を持つグラスモンキーとレッドクリムゾンの異名で呼ばれる凶暴なレッドウルフ。

 

 

「エンチャント......【神々の聖域(リア・シュブネグラス)】」

 

 

 まさに大国が国家総動員令を発令しなければならない程の災害級戦力である。魔物の危険度は、下からF級、E級、D級、C級、B級、A級、S級と連なる。C級以降からはベテランの冒険者や戦闘に長けている騎士でも苦戦を強いられるレベルだ。

 

 

「貴方達、人間共を殺すのはNGですの! 半殺しくらいにして、二度とこの地へ来たく無くなるようなトラウマを植え付けるのですの!」

「ウキッ……ウキキキ!!」

「がるるっ!」

「キシャアアァ!!」

 

 

 

 ユニちゃんのデバフ魔法により魔物達の全ステータスが上昇する。

 

 

 

 

 

 

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