【深淵の魔女】〜人間?の赤子を拾ったハイエルフは、母性に目覚めてママになる。   作:二宮まーや

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14話 冒険者チーム ・ナイトガーデン【クレア視点】

 

 

 

 

 ◆ロクサスの街・冒険者ギルド協会

 

 

 

 

 とある冒険者ギルドの2階の一室。重苦しい様子で冒険者ギルドマスターのアイゼンとロクサスのトップ冒険者チーム、Aランクの【ナイトガーデン】の面々が密かに面会をしていた。

 

 

「失礼します」

「おお! 皆、来てくれたか。そちらのソファに掛けてくれたまえ」

 

 

 立派なカイゼルを髭を生やした壮年の男性のアイゼンは、溜め息を交えながらも話を切り出した。冒険者チームナイトガーデンのメンバーは、若い女性の3人組で主に冒険者活動をしている。前衛のソードマンの赤髪のクレアにクレリックのルシアとアーチャーのシルフィ。この街で唯一の高ランク女性冒険者チームである。

 

 

「君達を呼んだのは他でも無い、例の件についてだ」

「なるほど、アルベスタ大森林の魔物の件ですね」

「そうだ。あの森はベテランの冒険者でも行くのを躊躇われる程の場所だ。故に頼めるのもAランクの君達しか頼れる冒険者は居ないのだ」

 

 

 アルベスタ大森林......冒険者の間でもこの森に関しては誰も近付こうとはしない。その理由が、純粋に出現する魔物達が凄く強いのだ。そして、その先にある深淵の森と呼ばれるダンジョンに関しては強大なネームドを持つ魔物達が支配をしており、縄張り争いが激化している危険地帯。

 

 

「うげ〜あそこはやばいよぉ。命がいくつあっても足りないってぇ。お! このクッキーおいひぃ♡」

「ルシア、少しは遠慮しなさい」

「はいはぁ〜い♡」

 

 

 全く、この子はいつもこの調子何だから......話しを聞くのは良いけど、私達だけではちと荷が重いわね。

 

 

「しかし、最近になってこの街の周囲にゴブリンやオーク等の魔物達が押し寄せて来るようになって来てね。普段は森から魔物がこちらへやって来る事は無いのだが、何か森の方で異変が起きて居るのでは無いかと思ってね」

「なるほど、その原因を調査と言う訳ですね」

「あぁ、この任務は辺境伯からの直々の指名依頼でもあるのだ。報酬は何と金貨30枚だ」

「30枚!?」

 

 

 そんだけあったら......当分遊んで暮らせる程の大金じゃないの!? これはもしやチャンスなのでは......内容も魔物と直接戦う訳では無い。だが、美味い話には必ず何かがある。一言返事で決めて良いものでは無いでしょう。ましてや私はナイトガーデンのリーダーよ。仲間を危険に晒す訳には行かない。

 

 

「リーダー、受けるべき! 私、新しい防具や武器をそろそろ新調したい!」

「シルフィ待って、確かに美味しい話しかも知れないけど、皆で話し合って良く考えて決めましょう」

「美味しいご飯♡」

「ルシア、貴方は静かにしてなさい!」

「ふぇ〜ん、クレアに怒られたぁ♪」

 

 

 ルシアもシルフィも欲望に忠実何だから......ここは私がしっかりしなくてはなりませんね。

 

 

「ごほんっ、ちなみにだが......金貨30枚の他に辺境伯が遺跡級(レガシー)の魔道具を1つ報酬として加えるとか何とか......」

「ギルドマスター! 正式にその依頼を受けます!」

「リーダー!?」

「ホント、うちのリーダーは魔道具に目が無いんだからぁ。やーい、魔道具おたく〜」

 

 

 遺跡級(レガシー)の魔道具......お金を沢山積んでも買えない代物なのよ!? 魔道具マニアとして、これは見過ごせ無いわ!

 

 

「お、おう......それは良かった。では近日中にも正式に依頼を手配しよう。それと物資の方もこちらで全て用意をしよう」

「ありがとうございます。必ずや原因を調べ上げて吉報を持ち帰ります!」

「あぁ、頼む。ここからは、私個人としての推測の話しだが、今回の原因は王公四域(レミナード)達が絡んで居るのでは無いかと思う」

「ごくりっ......王公四域(レミナード)ですか」

 

 

 それは冒険者で無くても知っている有名で恐ろしく強大な力を持つ魔物の王達の総称。情報は少ないが、王公四域(レミナード)達は深淵の森にて、熾烈な縄張り争いを長年繰り広げているそうだ。深淵の森が最難関とも呼ばれる所以が、この王公四域(レミナード)達の存在が大きい。

 

 

 ―――東を統べる王【聖獣】セイントユニコーン

 

 ―――西を統べる王【妖刀】イクシオン

 

 ―――北を統べる王【魔眼】サイクロプス

 

 ―――南を統べる王【女帝】エルメシア

 

 

 有名なネームドを持つ魔物達の名前だ。冒険者協会が定める魔物の危険指定ランクはA級とはなっているが、実際の所はS級に匹敵する力を持つとも言われている。まず私達が仮に王公四域(レミナード)に遭遇でもしたら、生き残る事は無理でしょうね。

 

 

「あの四すくみの勢力バランスが崩れた可能性があると私は思うのだがね」

「可能性としてはありえますね。争いに敗北した勢力の魔物達が逃げて、そこを住処にしていたゴブリンやオーク等の低級の魔物が追われる様に逃げた可能性もありますね」

「あぁ、だが決め付けるのはまだ早い。あの場所については、いずれこの国の王が軍隊を送り森を切り拓くとも話しは出ておるそうだが、上の者はあの森の恐ろしさを知らない」

「そうですね。いくら屈強な精鋭を送り込んだとしても全滅する未来しか見えません。あの森は王公四域(レミナード)以外にもダイアモンキー、レッドウルフ、マリンスパイダー、オークキング、ゴブリンロード等、強い魔物は沢山居ますからね」

 

 

 挑む際はしっかりと準備をして挑もう。私達が駆け出しだった頃、あの森の事を知らずに舐めてかかって痛い目にあった事はまだ鮮明に今でも覚えてる。私、ルシア、シルフィの3人がダイアモンキーに襲われ死に掛けて居たその時……神々しくも美しい聖獣に助けられた。

 

 

(あれは恐らく、王公四域の聖獣セイントユニコーンだったのだと思う。あの美しくも気高き白馬には、どんなに鍛錬を積んで我々が束になって掛かっても一生勝てない相手だと悟った)

 

 

 同じAランク帯でも冒険者のA級と危険指定ランクA級の魔物とでは天と地の差がある。王公四域に関しては、魔物の中でもS級の【炎帝竜】サラマンダー、【古龍】ラルトロス、【死霊魔術王】エルダーリッチ、【鋼の巨人】ガラルマグア、【真祖】アストレアス、【海姫】グラスマーメイド等の領域に匹敵するやもしれない。

 

 

 S級の最上級に神級と呼ばれる魔物も居るそうだが、それは御伽噺の様な存在……その中でも一番有名なのが【氷神狼】フェンリル等もいる。

 

 

「クレア君、また詳細はまた後日詰めるとしよう」

「はい、今日はありがとうございました」

 

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