【深淵の魔女】〜人間?の赤子を拾ったハイエルフは、母性に目覚めてママになる。   作:二宮まーや

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8話 アリスちゃん2歳の誕生日

 

 

 月日は流れて、あれから2年が経過しました。アリスちゃんは、更にまた可愛くなって健やかに成長しています。今日はアリスちゃんの記念すべき、2歳のお誕生日です♪ 本当の生まれた日は分かりませんけど、私とアリスちゃんが出会った日をアリスちゃんの誕生日として数えています。

 

「ふゎあああああ……しゅごいごちそうだ!」

「アリスちゃん、お誕生日おめでとう!」

「お嬢様おめでとうございます!」

「お嬢おめでとう!」

 

 アリスちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねてる姿を見ると、私も頑張って料理を作った甲斐がありましたよ♪ テーブルの上にお肉やお野菜にスープやシチュー等沢山の種類の料理が並んでいます。少し張り切り過ぎたかもしれませんね。

 

「ママ、フェンねーたん、サラねーたん、あいがと!」

「アリスちゃん偉いぞ〜ありがとうって感謝の言葉が言えるのはとても大事な事でちゅよ〜」

「えっへん! ママ! なでなでちて!」

「あらあら、相変わらずの甘えん坊さんでちゅね〜♡」

 

 アリスちゃんはミレーナの膝の上に座って、身体をスリスリとさせて甘えている。ミレーナも優しげな表情を浮かべながらアリスちゃんの頭を撫で撫でしていた。

 

「ほら、ご飯冷めないうちに食べちゃいましょうね〜」

「ママ! アリスが食べさせてあげゆね!」

「ほほう、じゃあそこのお肉食べさせてくれるかな?」

「うん! ママ、あ〜んちて!」

 

 アリスちゃんが可愛いくてしょうがないです! 昔はアリスちゃんの可愛さに良く気絶しかけたり、発狂したりと色々大変でしたけど、最近は気絶しかけることは無くなりました。私も成長したものですね!

 

「うん、美味しいよ〜♪」

「んにゅ。あー」

「うふふ……今度は私が食べさせてあげるね」

 

 ママは意地悪なので、普通には食べさせてはあげませんよ♡

 

「!?」

「あら? アリスちゃん、食べないの?」

「ママが意地悪しゅるもん!」

「あらあら、頬っぺた膨らませて可愛い♡ つんつん」

 

 アリスちゃんの口元に持って行った直前に、私がパクリと食べてしまいました。アリスちゃんは驚いた顔をしてから、頬を膨らませています。

 

「主、顔が不審者みたいだぞ?」

「昔の凛々しくて、カッコイイ姿の主はいずこへ……」

 

 まあ、失礼しちゃうわね! フェンちゃんとサラちゃんにはおやつ抜きにしてあげましょうか。

 

「アリスちゃん、はいあ〜ん♪」

「あむ、もぐもぐ……おいちいよ!」

「それは良かった♪」

 

 この穏やかな日常が何時までも続いて欲しい物ですね。もう私は貴族との陰謀や国との争い事等に一切関わりたくありません。もう2年が経ちますけど、私のお弟子さん達はみんな活躍して頑張っているのかしら? 私がこんな森の奥地に住んでると言うのを誰にも知らせて居ないから、ここへ来る事は恐らく無理でしょうね。結界も張ってありますし。月日が流れて行くにつれて、【深淵の魔女】と言う名も薄れて行ってくれれば良いなと思います。私はもう世捨て人みたいなものだから。

 

「ママ、あちたおでけけしたい!」

「ん? お出掛け?」

「うん!」

「じゃあ、お弁当作って皆んなでピクニックに行きましょうか♪」

「わーい! おでけけだ!」

 

 舌っ足らずな言葉で喋る娘が尊すぎる……この子は無自覚に私の心臓を止めようとして来ますね。何と恐ろしい子でしょう。今日は寝る際に思いっきり愛でてあげないと私の持病……【不治の病(ロリコン)】は収まりそうにないです。この病の恐ろしいとこは、永遠に治りそうに無いという所ですね。

 

「主、明日は何処へ行くのですか?」

「う〜ん、そんな遠出はしないよ。この近辺でピクニックかな」

「了解だ。他の者にも一応声掛けておくぜ」

 

 私達が住んでいるこの森は、冒険者ギルド協会が指定する、危険指定難易度SSS級のダンジョン。【深淵の森】と呼ばれる恐ろしい森です。危険指定難易度と言うのは、下から数えると、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSと言った順に定められています。SSSは一番上のランク帯ですね。

 

「いつの間にかこの森のボスは、主だもんね。みんなすっかり怯えちゃってるよ」

「私は正当防衛をしただけだよ〜」

「でも、昔の主なら殺してたもんね。半殺しにするだけでもかなり成長したんじゃないかな?」

「私も立派なママだからね♪ そら変わりますよ」

 

 この森に住んでる魔物はどれも凶悪で、人間達が近づかないのも納得の場所です。冒険者ですら近づくのを躊躇う程だと言いますし。

 

「でも、サラちゃんやフェンちゃんの方がかなり暴れてたよね。アリスちゃんが寝ている間に付近の魔物一掃したり、覇権を争う凶悪の魔物達を撃退したりと」

「だって、主はともかくお嬢様は戦う術を持っておりませんからね。身を守るのも僕達の仕事だから」

「うふふ……ありがとね」

 

 さて、ご飯食べて明日に備えましょう! アリスちゃんには、明日出掛ける時に可愛いお洋服を着せてあげたいです。

 

「まま?」

「あ、ごめんね。そうだ! ママからプレゼントがあるのよ♪」

「ふぇ? ぷれぜんと……!?」

 

 可愛い兎さんのぬいぐるみです♪ アリスちゃんの為に最高級の品質の物をふんだんに使った一級品のぬいぐるみなのです!

 

「まま、ありがと! たいせつにしゅるね!」

「うんうん♪ 喜んでくれてママは嬉しいよ♪」

 

 喜んで貰えて良かった。アリスちゃんのプレゼントに丸一日かけて、フェンちゃんやサラちゃんと相談して決めたのが、この兎さんのぬいぐるみです。アリスちゃんは未だに過去に私の作った、熊さんと呼べるかどうか怪しいボロボロのぬいぐるみを宝物のようにしていましたからね。

 

「まま、くまきちのおともだち!」

「くまきち? あ、私の作ったぬいぐるみね」

 

 ボロボロの熊さんの名前は、くまきちと言うらしいです。なら、新しく増えた兎さんのぬいぐるみの名前は何にするのかな?

 

「この子にも名前を付けてあげないとだね♪」

「うん! うさみだぉ!」

「ほほう、この子の名前はうさみちゃんと言うのね。アリスちゃんに名前を付けて貰って、うさみちゃんも喜んでいるわね♪」

「うさみたん!」

 

 アリスちゃんが物凄く喜んでいます。この子の笑顔を見ると自然と私も笑みを浮かべてしまいます。フェンちゃんもサラちゃんも穏やかな表情で、アリスちゃんの事を見つめて笑っています。

 

「じゃあ、うさみちゃんは置いてご飯を先に食べましょうね♪」

「うん!」

 

 ミレーナ達はご飯を食べてから、少し休憩してお風呂に入る準備をしました。

 

 

 

 

 ―――お風呂場―――

 

 

 

 

「アリスちゃん、気持ち良いかな?」

「うん!」

 

 アリスちゃんを膝の上に乗せて、私は湯船に浸かっています。アリスちゃんは、私の胸が好きなのか指でつんつんとして遊んでます。

 

「ままのぱいぱいおおきいね!」

「うふふ、アリスちゃんもそのうち大きくなるよ〜」

「ほんとぉ? ままみたいになれりゅかな?」

「うんうん♪ なれますよ〜」

 

 アリスちゃんは自分の胸と私の胸を交互に見比べています。アリスちゃんもだいぶエルフの容姿に近付いて来ています。耳も少し長く尖っており、金髪の髪の毛も肩まで伸びて、もう立派な女の子ですね。毎日一緒にお風呂に入っていると我が子の成長が良く分かるものです。

 

「まま、あちたはいっちょに、おはなさんたくさんみつけようね!」

「うんうん、綺麗なお花が沢山咲いていると良いね」

「うん!」

 

 明日は大所帯になりそうな予感がします。サラちゃんが、従えた森の魔物達も連れて来ると言っていたので、どれ程の数になるのか正直想像がつきません。サイクロプスのサイちゃんにセイント・ユニコーンのユニちゃんも元気にしているのかしら?

 

「あちたがたのちみだね!」

「そうだね♪ じゃあ、今日はしっかりと寝て明日に備えなくちゃね♪」

 

 こうして今日も私の幸せな時間がゆっくりと過ぎ去って行くのでした。

 

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