ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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新キャラ登場です


15.準備は大事

春奈はここ数年間誰も成し遂げられてない校内でのスマホ使用の達成を公約として掲げてくれるらしいが、実は最近、毎年そういう公約を掲げる人がいるらしい。でも、達成できないから、その公約を掲げても、実現性がないからよくないとのことらしい。なら、もっとプラスで何かしないと。

 

「ねー、春奈は何かしたいことないの?」

 

「ない!!」

 

やけに元気だな。

 

「どうしようか、多分対立候補が出たときにこの公約だけじゃあ弱いよね」

 

今は放課後。空き教室で、公約について考えている。

 

「だよねー、だから今日はスペシャルゲストをお呼びしています。ドコドコドコドコ……」

 

セルフドラムロールが始まった。どうせ五月だろ。

 

「じゃじゃーん!!」

 

と春奈が言うと、五月が入ってくる。やっぱり。

 

「青が、知ってますけど?みたいな顔してるぞ。」

 

「えっ?えっ?わかってた?」

 

コクリとうなずく。

 

「えー、びっくりすると思ったのに。」

 

「いや、五月でしょ。それ以外いるの?」

 

「まあ、確かに。」

 

と、いうわけで五月が手伝いに来てくれた。

 

「まず、方針を発表します。」

 

五月が黒板に文字を書き始める。「確実な公約の実現」と書かれている。黒板をバンッと叩いて、

 

「まず、公約をスマホ使用についての校則改正に限ります。そして、具体的にその達成のための方法を語って、私達の本気度を見せます。それで勝つ!!」

 

「でも、五月……多分信任投票でしょ?」

 

と僕が言うと

 

「甘い!!」

 

再びバンッと黒板を叩く。

 

「髙橋君が出馬するということ情報を掴んだ。彼が出るなら苦戦は必至。全校待望のスマホ使用の解禁が行けるんじゃないか?という希望をもたせる具体的で実現可能な方針の提示で勝ちに行く!!」

 

僕と春奈は圧倒されている、ポカーンである。

 

「わかった?わかったら返事!!」

 

「「はい」」

 

というわけで具体的に詰めていく方針になった。でも、まずは今までのスマホ使用の校則の改定が許可されなかった理由について調べないと………というわけで過去の情報収集は僕の担当になった。春奈たちは選挙演説などを考えるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、生徒会室に来た。生徒会室にはテトラポットっと書かれた紙が貼られている。そういえば、テトラポットって別名だったな。コンコンと二回ノックをする。すると、中から聞こえてきたのはどうぞという入室を許可する声ではなく、ブリブリブリブリというかなり、汚い音だった。

 

「!?!?!?!?」

 

驚愕のあまり、声がでない。えっ、何?怖いんだけど。これって、排泄音だよね?なんで?

驚きのあまり五分ほどその場に立ち尽くしていると、後ろから声が聞こえてくる。

 

「あの、君、邪魔なんだけど、何してるの?」

 

「ハヒッッ!!」

 

顔を見ると、生徒会長だった。

 

「いや、実は、生徒会に用があって来たんですけど、ノックしたらなんか、変な音がして。……」

 

「あー、なるほどね。君、二回ノックしたでしょ?だからだよ。」

 

「え?」

 

二回ノックしただろうか?覚えてない。困惑していると、会長がドアを二回ノックする。すると先程と同じく汚らしい音が聞こえる。

 

「ビジネスマナーだと二回ノックはトイレでの在室確認なんだよ。」

 

そう言って、会長は生徒会室のドアを開けるへー、そうなんだ。

 

「だから、このアホがいるときに二回ノックをすると、さっきの音が中から流れるんだ。」

 

そう言って、中にいる三年生らしい女の人を見る。

確か副会長だったはず。めっちゃ可愛い。でもやってることからして曲者なんだろうなー。

 

「おーー、ハローー。君がトイレノックした子かーー。五分も生徒会室の前に立ってるなんて可愛いねーー」

 

近くまで来て頭を撫でてくる。普通に可愛いしいい匂いするからやめてほしい。照れる。

 

「茶化すな、それで、何のようだ?ここに。」

 

と会長が問いかける。

 

「えーと、実は、僕の友人が生徒会選挙に出るんですけど、スマホ使用についての公約を掲げようと思ってて、スマホ使用についての過去の資料が欲しいんです。」

 

会長も副会長も真面目な顔をして僕を見つめる。何か品定めされてる感じがする。

 

「どう思う?俺は貴様に任せる。」

 

「うーん、じゃあこの件は私に一任してくれる?」

 

「貴様に一任すると碌なことにならなさそうだが、まあいいだろう。全体に迷惑だけはかけるなよ。」

 

「はいはーい。」

 

何かよくわからんけど多分いいらしい。

 

「さてさて、トイレキッズの名前は?」

 

「小鳥遊青です。」

 

というか、トイレキッズってなんだ?

 

「じゃあ、たかちゃんって呼んでいい?」

 

なんだ、この距離の詰め方、怖い。

 

「えーと、ちゃん付けは遠慮してほしいかなと……」

 

「んー、まあそうよねー。愛梨から色々聞いてるよー。私の名前、わかる?」

 

「はい、上坂静先輩ですよね、」

 

愛梨が体育祭のときに言ってた先輩はこんな曲者なのか。

 

「そうだよーー、知ってくれてて嬉しいーー」

 

このテンション、疲れる。

 

「さて、で、資料が欲しいって話だよね?」

 

一転真面目な空気になる。温度差すごいな。冬場のお風呂場くらいすごいぞ。

 

「で、生徒会としては、別に資料渡すのはいいんだけど、私としてはちょっと青のこと知りたいな?って思ってね。」

 

「はあ、それで何をすればいいんですか?」

 

「取り敢えず、学校の近くにカフェあるでしょ?あそこ行こうか。ここじゃ会長に聞かれちゃうからね。」

 

「貴様の話に興味はない。」

 

「だってさ〜、でも行くんだけどね。」

 

「あとそれと、小鳥遊といったか、君たちの方針は悪くないように思える。この段階で資料を求めるという発想に至ったことからかなり優秀なんだろう。しかし、事はそう容易くないぞ?まあ、精々頑張れ。」

 

とだけ言って作業に戻ってしまった。なんか褒められたぞ。僕達は荷物をまとめて、喫茶店に向かう。

 

「会長があんなこと言うなんて珍しい。結構気に入られてるじゃない。何か困ったら頼ればいいかもね。まあ、今は文化祭の準備で忙しいらしいけどね。」

 

「上坂先輩はやらなくていいんですか?」

 

「私はねー、免除されてるの。」

 

「なんでですか?」

 

問題児だからだろう。

 

「これ言ってもいいのかなー?まあ、いっか。実はね、文化祭の予算がちょっと足りなかったの。どうしても5000円だけ足りなくてね。それぐらいならポケットマネーから出しても良かったんだけど、そんなことしたら不健全な生徒会運営として学校からの縛りがキツくなるでしょ?だから、ちょっとだけ縮小せざるを得ないかなーって話になるなってたの。」

 

ふーん、そんなことが。

 

「で、私がそれを何とかできたら文化祭の仕事やらなくていいって言われたから何とかしておいたの。」

 

なんだ、この人。ぐう有能じゃないか。なんか変な笑い方してるけど無視しよう。

 

「はい、着いたー。」

 

カフェについた。愛梨とこの前来たとこだ。

席について、ブラックコーヒーを注文する。上坂先輩も同じものを注文している。この人がブラック飲むのはめっちゃ解釈一致。

 

「青、ブラック飲むんだー。かっこいい〜〜。」

 

そんなからかいを受けつつ、注文が来るのを待つ。沈黙が重い。早く来てくれ〜〜。

コーヒーが二杯来る。一口含んで

 

「それで、何の話がしたいんですか?」

 

愛梨絡みだろうか。

 

「春奈のお話。」

 

なんで春奈?というかなんで名前を知ってるの?愛梨から聞いた?

 

「なんで?って顔してるね。……見たらわかるよ。私はね、春奈と小学校が一緒なんでーーす!!」

 

はあ、それで?

 

「もう、もっと驚いてくれてもいいじゃない。はあ、それで?みたいな顔しないでよ。」

 

そんなこと言われても……

 

「それでね、青が春奈に相応しい人間か確かめようと思ってね。これから君のことを一杯観察させてもらうよ。」

 

え、え、え?もしかして、この人僕が春奈のこと好きなの知ってるの?

 

「うん、知ってるよ。」

 

「ちょっと心読まないでください。」

 

「だって、わかりやすいんだもーーん。」

 

コロコロと笑っている。

 

「あとね、なんでそんなに春奈に構うのかも、気になるよね?でも、それは内緒ーー。春奈本人から聞いてねー。」

 

「別に貴方に認めてもらわなくても……」

 

そう、別に上坂先輩に認めてもらわなくても春奈と付き合うことは可能だ。

 

「そうだね、でも今のままじゃ無理だよ。自分でもわかってるでしょ?」

 

さらに上坂先輩は続ける

 

「今のままじゃ友達止まりだよ。よくて仲がいい友達。」

 

そうだ。それはわかってる。春奈が僕に向ける感情は友愛以外の何物でもない。

 

「ねえ、友達と恋人の違いって何だと思う?」

 

そう言って、フフッと笑って、コーヒーを飲み干し、USBを置いて

 

「じゃ、資料はこれね」

 

と言って帰って行った。

友達と、恋人の違いか………。

そんな事をしばらく考えていると、気づいてしまった。

上坂先輩が伝票を置いて帰ったことに。

はっ?僕の奢りですか?ふざけんなー。




上坂先輩は書いてて一番楽しいです
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