ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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ここからしばらく青はでません


16.知らない人からの電話は取っちゃいけません

上坂先輩に対してキレながら家に帰ると、愛梨からラインが来た。

 

「上坂先輩が青のラインほしいんだって。あー、上坂先輩って私の同中の先輩ね」

 

「500円で考えるって言っておいて。」

 

コーヒーは意外と高いんだぞ!!

 

「なんか、先輩が春奈にバラすけどいい?って聞いてるけど」

 

「ラインあげて」

 

というわけで、連絡先を交換した。積極的にミュートしようと思う。

その後、借りたUSBのデータをコピーして、目を通す。うーん、全部見るのは骨が折れそうだ。取り敢えず要点をまとめてWordで書類を作っておくか。

うーん、でも毎年なんか同じような話ばっかりしてるなー。ん?というか毎年精々2回分しか議事録がないぞ?どうしてだ?

おっ、一年だけ違うことしてる年がある。でも、この年も失敗かー。どうしようかね。多分担当者このデータ確認してないな。

でも、こんなにきれいにまとめてたら去年のデータくらい見るだろ。でも毎年のように同じ質問をしてるな。これ、もしかして誰かがまとめ直した?

もしかしてと思って上坂先輩にラインする。やったとしたらこの人だろう。だが、この人にこんなちゃんとした資料が作れるのか?大人が作ったみたいにちゃんとした資料だぞ。

 

「これ、もしかして先輩達もこの校則を変えようとしてました?」

 

「さーねー?」

 

「どんな方針で行こうとしたんですか?」

 

「さーねー?」

 

こりゃ答えてくれないな。というか、先輩達もやってたならどうしてその資料がないんだ?今年のデータもくれよ。まあいいけど。

 

「というか、なんで伝票を置いていったんですか?奢るなんて言ってないですよ!!」

 

「懐の大きいとこを見せてよ。春奈に嫌われるよ?」

 

「僕は好きな女にだけ懐がデカくなるタイプです。」

 

「浅いよ、青。お姉さんは悲しい。」

 

白々しいな。

それからなんて連絡しても返ってこなかった。既読スルーかよ。

 

 

 

 

取り敢えず、資料は出来た。今日は寝るかー。

 

 

 

次の日の放課後、昨日のように三人で集まる。

 

「おっ、青。どうだった?」

 

五月が尋ねてくる。

 

「副会長が曲者だった。」

 

「へー、副会長かー。愛梨が知り合いなのは知ってるけど私はよく知らないな。」

 

「副会長……」

 

春奈は少し、複雑な顔をしている。こりゃ多分ただの昔馴染みじゃないな。あの人何やったんだ。

 

「取り敢えず量が多すぎるから、要点をまとめたプリントを作ってきたよ」

 

「おー、優秀だね。」

 

というわけで3枚プリントアウトした紙を渡す。

 

「おー見やすい。青、センスあるよ。」

 

デキる女に褒められると嬉しい。

 

「で〜、結局方針どうするの?」

 

「春奈、それ読んだ?」

 

「読んでない。私が読んでも多分わかんないもん。てきざいてきしょ、てきざいてきしょ。」

 

はぁ~とクソでかため息をついて、五月が目を通す。

 

「うーん、これ毎年似たようなことしてない?三年前以外。」

 

「うん、僕もそう思う。」

 

「でも、流石に資料があるのにそれを参考にしなかったとは考えづらいから、資料は次の代に継承されなかったのかな?」

 

「でもそれだとどうしてまとまってるのか謎じゃない?」

 

「うーん、確かに。」

 

「まあ、それは今関係ないから対策を考えよう。」

 

「そうだね。」

 

この会話をしている間、春奈は暇そうにしていた。

 

「春奈、方針は私達が考えるから、演説原稿を早く仕上げて。」

 

「はーい。」

 

春奈が作業に向かい、五月が黒板に何かを書きながら

 

「取り敢えず方針はこの、三年前の案をベースにしようか。」

 

と、言う

 

「僕もそれがいいと思う。」

 

「それで、三年前の案の問題点だけど……」

 

三年前の案というのは行事の間だけスマホの使用の許可を求めた案である。他の年はスマホ使用自体を許可させようという案だったのだが、「学業に支障をきたす」という理由で不可となっている。

 

「えーと、不認可の理由は?」

 

と、資料を見ながら五月が聞いてくる。

 

「行事って言う定義が曖昧らしい。」

 

「ふーん、でもそれくらいだとすぐに修正して、許可されそうだけどね。」

 

「それは、何故か解らないけど毎年精々2回しか会議が行われてないんだよね。」

 

「うーん、それは困ったね。理由を聞いてきてくれないかな?ほら、春奈こんなだし。」

 

と、言ってぐで~っとしている春奈を指差す

 

「ふぇっ、ちゃ、ちゃんと進んでるし!!」

 

「ホントだね、でもこことこことここ、漢字違うよ。あと、ここは〜」

 

と、ダメ出しモードに入ったので、僕はさっさと生徒会室に行くことにする。と言うか手書きなの?

 

「あっ、青、行ってらっしゃい。パシりみたいになってごめんね。」

 

「えーよ。」

 

と言って生徒会室に向かう。慎重に4回ノックする。

 

「どうぞー。」

 

と会長の声が聞こえる。

 

「失礼しまーす。」

 

どうやら上坂先輩はいないらしい。会長一人だけだ。

 

「昨日の資料について聞きに来たんですけど……」

 

「あー、そうなのか、すまない。それは俺が認知するところではない。」

 

「そうなんですね、じゃあ誰が?」

 

「上坂だ。」

 

「じゃあその上坂先輩はどこに?」

 

「ここで待ってればじきに帰ってくる。ここで待ってるといい。」

 

「はい、」

 

「…………」

 

当然特に会話もすることがないので、双方無言だ。気まずい。

 

「あの、先輩。今期の生徒会ってスマホ使用についての交渉ってしてるんですか?」

 

「ん?てっきり昨日はそれについて話してるのかと思ったけど……聞いてないのか。そうか。」

 

「はい。」

 

「うん、俺から言うのは何か違う気がするが、あいつがただ頭おかしいだけのゴミ女ではないことは話しておこうか。」

 

うわぁ、会長の副会長への評価それなんだ。あの人相当ヤバイんだな。

 

「あれは丁度一年半前のことだ……。」

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