ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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2.陰キャはすぐ騙される

……一体何が起こったのだろうか。今、この部屋には自分とあと一緒にカラオケに来た男の二人きりであり、お通夜のような雰囲気になっている。おかしい。来たときにはもっと人がいたのに。

 

 

 

 

 

 

カラオケに到着して数十分。ここまではそこそこうまくやれてたと思う。

みんなでラインを交換して。女子達が、最近の流行りを歌って。男が何を歌っていたか忘れたが、なんか盛り上がってた。因みに僕はアニソンを歌ってみんなをポカーンとさせた。でも玉口さんがなんか喜んでたからいいんだよ。

というか、許してほしい。カラオケなんてあまり行く機会がなかったんだ。中学生のときは友達いなかったし。ただ、一人カラオケはよく行くのでレパートリーは豊富だよ。田舎なんてカラオケとボウリングしか娯楽がないからね。

小学生はボーリングを楽しみ。中高生になるとボウリングを楽しむようになる田舎の成長過程はあまりにも有名。(オタク特有の早口) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、何故かは分からないが僕はずっと男と喋っていた。せっかく女子と喋るチャンスなのに。というか、こいつも僕とばかり喋っていいのか、もっとやることあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の名前は高橋春樹というらしい。かなりのイケメンで身長が高い。こんな奴でも女子と喋るのは緊張するんだね、安心する。

 

 

「というかさ、小鳥遊はカラオケとかよく来るの?歌、うまいけど」

「まあ……それなりにはね。」

 

嘘はついてない。一人でよく来る。そもそもこいつは僕が歌っている曲を知っているのか?知らないのにうまいとか言ってたら殴るぞ。

因みに僕は玉口さんが知らない曲を歌っている間「うまい!!」とか言って頑張って会話してました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな会話をしながら、三十分くらいしてトイレに立って、戻ってきたら高橋以外がいなくなっていた。

「玉口さんとかどこ行ったの?」

と聞いても

「えっ?ホントだね、いない。」

などと驚きの白々しさを見せつけてくる。お前の前世は漂白剤なのか?どんだけ白いんだよ。流石に気づかないなんてことないだろ。とか思いながら帰ろうとすると

「ちょっと待って、せっかくお金払ったんだから最後までいようよ」

と声をかけられる。おいおい、勘弁してくれよ。僕はそういう趣味はないんだよ。男と二人で密室とか勘弁してくれ、と思いながらも確かにお金がもったいないので座る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして冒頭につながるわけだ。カラオケとはよく言ったもので、まさに空っぽの桶に迷い込んだ魚のように二人とも挙動不審である。だって仲良くないし。もう帰りたい。この空気ヤバイ。カラオケで君が代を歌ってももっと盛り上がるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この地獄の雰囲気に三十分くらい耐えていると、ふと部屋のドアがあいた。僕にはまるで天使の助けのように見えた。入ってきたのは少し茶色がかった長い髪をもった雪のように白い肌を持つ美少女だった。やったぜ。というか誰?

 

「あれー?君たち誰?………なんかお通夜みたいな雰囲気だね」

 

謎の美少女は微笑みながらそう聞く。

 

「あれ?部屋間違えちゃったかな?まあ、いいかー。」

 

僕たちはポカーンとしている。それにも関わらず謎の美少女は歌を入れる。

 

「盛り上がっていこー」

 

と言って、歌い始める。うまい。知らない曲だけど。さっき玉口さんが歌っていたような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約一時間。彼女のお陰でお通夜みたいな空気はまだマシな空気になった。そして、カラオケの時間が終わって帰ろうとして、外に出ると

 

「あっ、いた。」

「ホントだ、もう、どこ行ってたの?愛梨。」

 

と隣の謎の美少女に話しかけている。ふむふむ、愛梨ちゃんというらしい。

 

「あっ、ごめんねー。忘れてたよ。」

 

と愛梨ちゃんは言う。そして、僕たちの方を向いて

 

「今日は楽しかったよー。えーっと、私は加藤愛梨。連絡先交換しよー。」

 

というわけで、連絡先を交換した。というかこの子他の人と来てたのになぜか僕たちと歌ってたのか。何やってんだ(困惑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、高橋と二人きりなんてごめんなのでさっさと一人で帰路につく。というか玉口さんはどこいったの?

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