ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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生徒会選挙編最後です。
上坂先輩はお気に入りの人を呼び捨てにする癖があります


21.かっぱってホントにきゅうりが好きなの?

はぁ……ひどい目に遭った。なんできゅうりを餌にして川で釣りをしないといけないんだ。なんで、あの人はあんなに楽しそうだったんだ。

疲れた。

 

 

翌日、春奈、五月との話し合いに向かう。

 

「昨日はちゃんと情報は貰えた?」

 

と五月に聞かれたので

 

「なんとか。」

 

と答えると

 

「もう、青が帰ってこないから心配したんだよ、心配で生徒会室に行ったらかっぱを捕まえに行ったって言われるし……。」

 

「あの人、頭おかしいよ……。」

 

「あの人って?」

 

五月が尋ねてくる。

 

「上坂先輩、現生徒会副会長。今日から僕たちを手伝ってくれるって」

 

「へー、ありがたいね。」

 

「役立つかね?」

 

「やっぱ、先輩の助言って大事でしょ。」

 

まだ二人はあの人を知らないからな。いや、春奈は知ってるか。

 

「上坂先輩……。」

 

やっぱりただの同じ小学校ってだけじゃないのかな?

 

 

 

 

でーんでーでーででででーでー

とダース・ベイダーの例の登場BGMが流れる。あー、あの人が来たんだろう。二人はすごく驚いている。

 

「えっ、なになに?」

 

「ダース・ベイダー?」

 

ガラガラと音をたててドアが開く。

えっ!?音だけじゃなくてコスプレ?え?頭大丈夫?

 

「上坂先輩ですよね?」

 

「…………」

 

あ、この人喋らないけど、キャラ守ってる?シューシューと呼吸音だけが聞こえる。

 

「上坂先輩、喋ってください。」

 

他の二人は呆然としている。

 

「え?これ、静さん?」

 

春奈も動揺している。

 

「…………ハロー!!」

 

コスプレを脱ぎながら上坂先輩が挨拶をする。

制服の上から着て暑くないのかね。

 

「五月ちゃんは初めてだね、愛梨が仲良くしてもらってるみたいだね。ありがとう。」

 

意外、ありがとうなんて言えるんだ。

 

「春奈は久しぶり。小学校以来だね。覚えてる?」

 

「は、はい。当たり前です!!」

 

ホントに何があったんだ。

 

「で?今どんな感じ?五月ちゃん。」

 

「このプリントをどうぞ。」

 

プリントを渡す。

 

「おっ、すごいねまとまってる。愛梨に聞いたとおりだ。優秀だ。」

 

「いえ、光栄です。」

 

五月がちょっと照れてる。面白いものが見れたな。

 

「やっぱり方針はいい線いってるね、私とおんなじ。でも、交渉はどうするの?あの人たち、話し合いのテーブルについてくれないよ?」

 

「それはまだ伝えてないです。」

 

「え!昨日なにやってたの?青。駄目じゃん。」

 

「あ、な、た、がかっぱを捕まえに行くとか意味分からないことを言い始めたからでしょ。」

 

「あれ?そうだっけ?」

 

この女……許さん。

 

 

 

 

先輩が来ていいことは正直なかった。うるさいし。

取り敢えず、事情を説明して、方針を決める。細かいことを詰めていたらあっという間に時間が過ぎる。

 

 

 

 

 

今日は遂に生徒会選挙当日。

 

「春奈、頑張って!!」

 

と声をかけるが

 

「ウン、ガンバル。」

 

完全に固まってる。どうしよう。

あっ、上坂先輩だ。えっ、なんかこっちに向かってくるぞ。ガシッと春奈に後ろからバックハグをする。

なんか春奈が拘束された。

 

「春奈、そんなに緊張しないでよー。」

 

耳元にフーと息を吹きかけている。なんかエロい。

 

「勝ったらこんどかっぱ捕まえに行こ?私と、春奈と、青で。」

 

え!?僕も!?やだよ。もうきゅうりで釣りしたくない。いや、でも春奈が行くなら……。とか考えていると、春奈が顔を真っ赤にさせて

 

「はいっ!!」

 

と言って走って体育館に行った。

 

 

 

 

 

 

 

生徒会選挙が始まった。

 

高橋の話はクソつまらんかった。話す価値なし!!次は春奈の番。春奈が全校生徒の前に立ち、大きく息を吸う。

 

「こんにちは、生徒会副会長に立候補した、玉口春奈です。」

 

おっ、始まった。

 

「皆さん、行事の時の楽しい思い出を自分のスマホに残したくはないですか?……私は残したい。一回しかない高校での思い出を。」

 

上坂先輩がうんうんと大きくうなずいているのが見える。

 

「私の公約は、校内でのスマホ使用の解禁です!!今までも、校内でのスマホ使用の解禁に向けた公約を掲げた生徒会がありました。しかし、それは尽く潰えてきました。なぜだかわかりますか?それは先生の圧力です。」

 

ゆっくり聞き取りやすく話す。

生徒がザワつく。先生の一部もザワついている

 

「この学校の生徒会の権限は強いです。しかし、校則の改定に関しては職員会議で賛成多数を取る必要があります。と、ここまでは生徒手帳にあるとおりです。しかし、職員会議の前に校長、副校長、教頭の三人に対して、職員会議で会議をする価値があるかのプレゼンをする必要があります。そして、多くの生徒会はここで倒れてきました。なぜか?それは、先生側が交渉に応じないからです。過去15年間で各生徒会につき二回しか行われていません。これを教師の横暴と言わずして何でしょうか!!」

 

生徒の一部からそうだそうだ!!と声が上がる。

 

「そこで、私は生徒全員に議事録の配布と二週間に一回、進捗の報告をすることを約束します。二週間に一回、最低限話し合いの場を持たなかった場合、皆さんから署名を集めて、教育委員会に直訴します!!もちろん、マスコミにも情報提供します。みんなで、この学校を変えるときです!!ぜひ!生徒会副会長には、玉口春奈をお願いします!!」

 

生徒がウオーーと盛り上がる。教師への不信感が一気に露わになる。こりゃ勝確だな。

 

 

 

予想通り春奈が勝った。先生たちはこんな暴露が行われるとは思っていなかったらしく、職員会議でてんてこ舞いなようだ。

お疲れ様です。

 

 

 

 

翌日、とある教師が僕に話しかけてきた。

 

「小鳥遊、ちょっといいか。」

 

こわ、春奈と仲いいからかな?

 

「そんなに怖がらなくていい。実は昨日の話は先生にとっても寝耳に水でな。生徒会の案が先生たちの中でもあの三人によって握りつぶされているとは思いもしなかったんだ。」

 

へー、そうなんだ。ホントかな?

まあ取り敢えず協力してくれるらしい。大人の協力者は貴重だ。流石に今の状況で春奈には話しかけづらいだろうし僕に話しかけたのも賢い。利用させてもらおう。

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