ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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朝出し忘れた


26.文化祭その2

お化け屋敷を出て、情報を共有したが、どうやら誰も謎を発見できなかったらしい。

 

「まあ、多分この中にはないだろうね。」

 

「薄暗くて見づらいし」

 

というのが共通見解だ。ふと時計を見ると、そろそろ時間は10時に近づいてきている。あのよくわからん学歴厨たちの討論会が始まる時間だ。

 

「じゃあ討論会に行こうか」

 

と五月が言う。

まじ?あんなのに行くの?

他のみんなも驚いているみたいだ。

 

「えっ、五月……ホントに行くの?」

 

「行くよ。春奈は行かない?」

 

「えっ、うーん、クラスのやつ見たいかなー。」

 

「まあ、一瞬見るだけだから。別に私一人で行ってもいいよ」

 

え?どゆこと?

みんなの疑問を見透かしたように五月が説明してくれる。

 

「例えば、こういうイベントを盛り上げようと思ったらどうすればいいと思う?」

 

「え?人を集めるとか?」

 

と春奈が言う。

うーん、まあ人を集めたら盛り上がりはしそうだけど

 

「まあ、それも正解かな?取り敢えずたくさんの人が集まってたら盛り上がってるなって思うじゃない?だから、人を集めてやるタイプの討論会みたいなイベントの会場に問題の紙があったら人が集まるでしょ?だから実験室にあると思うんだよね。」

 

確かにと思うが少し疑問が残る。

 

「えっ、でもそれだとおかしくない?だってみんなそのイベントで問題が出てくるかなんてわからないじゃん。だから人が集まるかわからないよ。」

 

「私は問題が一つとは思ってないよ。」

 

どゆこと?

理解していないのを察したのか五月が説明してくれる。

 

「多分問題の情報を小出しにしていくんじゃないかな?例えば昨日の問題だとA→○ B→✕ C→✕ E→?だったでしょ?だから問題用紙が4枚あってそれぞれA→○が一枚目に書いてあってB→✕が2枚目に書いてあって……みたいになってると思うよ。」

 

「なんで?」

 

「一つしか問題がなかったらそれが見つかっちゃったらそれで終わりじゃん。それだと長く色々回ってほしい生徒会からするとマイナスだよ。それに、討論会みたいなイベント会場に問題を配置したらそれまでは絶対にその問題が見つからないからその間探してもらえるでしょ?だから、そういう時限式のイベントに問題が置かれてると思う。複数問題があればニ回目以降のそういうイベントには人が集まるからね。」

 

ほえー、すごいねー。五月、賢い。

上坂先輩がニヤニヤしてるから多分正解なんだろう。そんなに考えてあのイベントやってんのか。上坂先輩はやっぱり賢いな。

 

 

「やっぱり、早慶と並ぶのは横国だ!!」

 

「いや、北大だ!!この駿台模試の平均点を見てほしい!!」

 

「いや、名古屋だ!!併願者の合格率がー……」

 

実験室に行くと、こんなひどい討論が繰り広げられている。何が楽しいんだ。

五月の言う通り謎が貼られていた。

 

2:実験室

 

ふーん。まあ、2っていうくらいだから1とか3もあるんだろうな。五月の言う通りだ。

 

「なあ、小西。別にイベントのときに行かなくても事前に行けばいいんじゃない?」

 

と高橋が言う。

流石にそれは先輩達が対策してるんじゃないか?

 

「うーん、でも使う教室には入れなくなってるんじゃない?流石に。」

 

「うーん、でも鳥小屋の中に紙なんて貼るかなー?」

 

あー、あの謎の鶏研究会か。

 

「確かに……行ってみようか。」

 

「あー、いや行かないほうがいいんじゃないかな?うん、なんとなくね。ない気がするなー。」

 

と上坂先輩が急に騒ぎ出した。

 

「あっ、なんか急にあのミステリーが見たくなったなー、」

 

と近くのクラスを指差す。

こりゃ、図星か。

 

「はいはい、じゃあそのミステリーは後で見に行きましょうねーー。」

 

と言って半強制的に鳥小屋へ向かう。

 

 

鳥小屋の扉には

 

3:鳥小屋

 

と書かれた紙が貼られていた。

 

「まったく、これじゃわざわざここに貼った意味がないよ。」

 

と上坂先輩が呟いていた。

 

「うーん、これで全てかな?」

 

と五月に聞くと

 

「いや、まだ他にあるはず。」

 

「そうなの?」

 

「今のままだと何番を答えればいいのかもわからないでしょ?その状態だとマズイでしょ?」

 

確かに

 

「そろそろヒントを考えてもいいんじゃないか?」

 

高橋も偶にはいいことを言うじゃないか。

 

「そうだね、あと二つくらいのクラスを回ってみて、なんの情報もなかったら探してみようか。」

 

というわけで、上坂先輩が見たがってたミステリーを見に行くことにした。

 

「えー、私ミステリーあんまり好きじゃないんだよね。」

 

なんでミステリーが見たいとか言ったんだろう。

 

「私、途中で犯人わかっちゃうからさー。犯人がわかるシーンでも、ふーん。って鼻ほじりながら聞けちゃうから。ん?いや、いいことを思いついた、よし、ミステリー見に行くぞーー。」

 

賢い人は辛いね。嫌な予感しかしないけど。

 

素晴らしいクオリティの映画だった。役者の演技も丁寧だし、かなり引き込まれる。僕は楽しみながら見ていた。

 

中盤辺りに隣の上坂先輩が肩をつついてくる。

なんだよ、今いいとこなんだけど。

 

「ねえ、犯人あのおじさんだよ。トリックはねーー、………」

 

はっ?ふざけんな。慌てて上坂先輩の口を塞ぐ

 

「もご……みゃど……」

 

何か言おうとしているけどこれで解決だ。

 

犯人と一部のトリックがわかっているのでクソつまらなくなった。ふざけるなと思って上坂先輩をにらみつける。上坂先輩は大爆笑している。いいことってやっぱり碌なことじゃなかった。

 

映画が終わって外に出ると、

 

「青、私の気持ちわかった?」

 

と聞いてくる。

 

「よーく、わかりました。2回目はないですよ?」

 

と言っておく。

 

外に出て、次どうするかを話し合う。

 

「じゃあ、取り敢えずヒントについて考えようか。」

 

「どこで話し合う?こんなとこでたむろしたら邪魔でしょ。」

 

確かに、春奈の言う通りだ。

 

「上坂先輩のクラスがやってるメイド喫茶は?」

 

「えっ、静ちゃんのクラスはそんなことやってたの?」

 

「そーだよー。」

 

というわけでメイド喫茶に行くことになる。

 

 

「めっちゃ並んどるやん。」

 

という高橋の言葉通り長蛇の列を作っている。

どうやら、美少女がメイド喫茶で働いているとのことで長蛇の列をなしている。

まあ、多分愛梨だろうな。

 

待っている間にも謎について考える。

 

「まず、このパンフレットの謎からだね。間違いなく7,11,18がないのと、5が三つあるのが謎だと思うんだけど。問題文の紙が7枚とかあるとは思えないからなー。」

 

確かに、7つもあったらもっと見つかりそうである。

 

「昨日の謎みたいに50音に対応してるとか?」

 

と言ってみる

 

「5が3つあるのはどうするの?」

 

「おが3つあるとか」

 

「それだと、おおおきさつになるけど、アナグラムだとしても意味なさそうだよ。」

 

そっか、じゃあその方針は厳しいか。

 

「というか、このパンフレット、情報量に対して紙が小さいから文字が小さくて読みづらい。」

 

と高橋が言う。

確かに。文字が小さい。

 

「あら、ごめんねー。会長達、私のせいで忙しかったからかしら。文句言っておくわね。」

 

この女。悪びれもせず。

 

「元はと言えば貴方のせいでしょう。」

 

「まあねー。」

 

と言ってニヤッと笑う先輩

 

「でも、問題を出してみんなが苦しんでいる姿を見るのは気持ちいいわね。ハマりそう。」

 

などと言っている。

 

結局待っている間には考えつかなかった。

 

「いらっしゃいませー、ご主人さまー。」

 

なんか様が間延びしてサマーに聞こえる。夏かよ。

 

「あれー?五月たちー?」

 

どうやら、案内してくれるメイドさんは愛梨であるようだ。メイド服が似合っていて、可愛い。五月は目をハートにしてメロメロだ。

 

「愛梨………似合ってるよ。」

 

「えへへー……五月ー恥ずかしいよーー。でもーー、嬉しいー。」

 

なにイチャついてんだよ

 

僕たちは適当な席に案内される。

 

「みんな何頼むのー?」

 

「コーヒー」

 

「私も」

 

「じゃあ俺も。」

 

僕と先輩、高橋がコーヒー。高橋もコーヒー飲むんだ、へー。あとの人は紅茶を頼んだ。

 

 

「この、総数も関係してるとおもうんだよね。26って聞き覚えがある。どこで聞いたんだろう。」

 

と言ってみる。

 

「わからん。」

 

「私もわからない。」

 

ちなみに春奈は

 

「紅茶おいしー」

 

と、紅茶を楽しんでいる。

 

しばらく話しながら考えてみるが、わからないので、段々口数が減ってくる。コーヒーがやや冷めてきたあたりで上坂先輩が飽きたらしく僕の足を蹴りながら

 

「青、なんか面白いことやって」

 

無茶振りが過ぎる。

周りの三人はチラッとこちらを見て可哀想にという視線をこちらに送ってまた考え始めている。触らぬ神に祟りなしと言うやつだ。

 

「えーと、じゃあ一人の少女がエレベーターに乗りました。上に行くでしょうか?下に行くでしょうか?」

 

「上。」

 

即答が返ってきた。もう少し時間が稼げると思ったけど。全然稼げなかった。一人の少女が英語でa girlだから上がる。つまり、上なんだけど

 

「私、この問題きらーい。だってa girlじゃなくてもいいじゃん。一人の少女だったらスペイン語でもドイツ語でも何語でもいいじゃん。あんまり面白くないよね。」

 

散々な言われようである。確かに英語である必然性はないけど、

先輩はつまらなさそうにコーヒーを飲み干す。

 

「つまらないクイズを出せって言ったわけじゃないの、面白い話をしろって言ったの。」

 

勘弁してくれよ。

 

「すいません、トイレ行きます。」

 

逃げよう……。

 

「あっ、逃げた!!」

 

走ってトイレに入って、個室に入り、一息をつく。ここなら誰も入ってこないだろう。

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