翌日、学校で玉口さんに声をかける。いつもなら声なんてかけられないけど、今日は用事があるから、合法的に声をかけられるのだ!!
「えーっと、玉口さん?」
「あ、昨日はごめんね。少し体調が悪くなっちゃって、途中で帰ってしまって。他のみんなも付き添ったから、二人きりにさせちゃったよね?」
なるほど体調が悪かったのか。なら仕方ないよね。それより体調が心配だ。
「体調、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。何も伝えずに帰ってしまって本当にごめんね、連絡しようと思ったけれど、連絡先を知らなかったから。……だから、連絡先を交換しない?」
「是非是非是非」
やったぜ、連絡先ゲット。いやー、やっぱりラブコメって存在するんですね。
「じゃあこれからも、よろしくね?」
微笑をたたえながら手を差し出してくる。握手?握手ですか?これもう僕のこと好きでしょ。とか思いながら握手を交わす。柔らかい。まあ、僕のこと好きじゃないのはわかっているんだけど。
「あ、あと玉口さんって呼ぶの禁止ね、春奈ちゃんか春奈って呼んで、私も青って呼ぶから。」
「わ、わかったよ。は……春奈。」
なんとか声を絞り出す。下の名前とかハードル高い。モブ子Aとかモブ子Bならともかく。というか昨日一緒にカラオケに行ったあの二人の名前は何なんだろう、まあいいか、モブ子Aとモブ子Bで十分だ。
ここから視点変わります
あれを一目惚れと言わずして何というのだろうか。生憎、一目惚れという表現しか俺の語彙にはない。初めて見た瞬間に惹きつけられた。特別目を引くわけではない。寧ろやや地味と言わざるを得ない。しかし、小鳥遊青はなぜか俺を強く惹きつけた。どうにかしてお近づきになりたいと思った。何度声をかけても適当にしか返事を返さないし、それどころか無視されることさえあった。男だけじゃ駄目だ。そこで、女子に声をかけた。彼女の名前は玉口春奈というらしい。女子と一緒なら来るのではないかという淡い期待を胸にして玉口に声をかけると
「任せといて!!」
と小さな胸を張って言った。
玉口のおかげで6人でカラオケに行くことに成功した。さらに、彼女は気を利かせて二人きりにしてくれたのだ!!
しかし、お通夜のような空気にしかならなかった。加藤とかいう知らない人が来てからはだいぶマシにはなったが、今回のカラオケで小鳥遊が俺に好意を持ったとは考えられない。それどころかいじめだと思って心配してるかもしれない。あー憂鬱。
だが、そろそろ球技大会がある。球技大会を通じてどうにかして小鳥遊と仲良くなりたいものだ。
だからBLタグが必要だったんですね