ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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40.一度あることはニ度あったりする

ラグビー部の部室を出たあと、グラウンドを使うすべての部活に話を聞きに行って、希望を聞いたが、どう考えても枠が足りない。変な部活が多いからどう考えても足りないんよなー、どうしようかと考えるも特に妙案は思いつかず、今週末は狸たちとの話し合いもあるのでそればかりに時間もかけられない。

 

僕が一人で悪戦苦闘している中、校則改正のほうは、なんだかんだとスマホの改正案を調整して、2回目の話し合いを迎えた。

 

2回目の話し合いでも1回目と変わらずダラダラと訳の分からない質問につきあわされた、それでも許可は出ない。糠に釘と言うやつだ。どうしたものか。別に悪いところがあるわけではない、ただダラダラと細かいところをついてくるのだ責任がどうとか、そこも明確にしているのにしつこい。

 

結局その日は話がまとまらなかった。

 

「なんなの、あの狸!!」

 

会議室から出て、生徒会室に戻ると五月が前回のように文句を垂れている。まあ言いたいことはわかる。彼らは明らかに改正案を通す気がない、粗を探しているならまだいいのだが、なんというか小さい穴を掘り返して無理やり広げて誤魔化してる感じがある。

どうしたものか。

 

生徒会室に戻ると、やはり遠坂先生と上坂先輩がいた。遠坂先生はどうやってこんなに早く戻ってきてるんだ。

 

「ああ、お帰り、相変わらず散々だったね。」

 

「ホントですよ、あの狸は私達の改正案を通す気がないんですよ!!」

 

と五月が愚痴る。

 

「まあ、そうだろうね」

 

「こんなん通るわけ無いですよ!!」

 

「まあ、不可能ではないと思うけどね、でもこれを教えちゃうと上坂君に怒られそうだからね、それに僕も面白くない。」

 

と遠坂先生はニヤニヤしながら教師にあるまじき(?)発言をしている。上坂先輩はこの人を飼い慣らしすぎなんですよ

 

「そんなこと言わずに、ヒントくださいよ」

 

と僕が頼んでみる。

 

「うーん、この前言ったとおりだよ、考えるときはベクトルを間違えないことが大事だって、ベクトルって数Bか、まあいいでしょ、それくらいわかるでしょ」

 

わかんないよー。まずベクトルもわからないし。

 

結局話し合ってもわからない、五月はベクトルの意味はわかるらしい。すごいね。因みに向きと大きさが定義された数学的な量のことらしいよ。どうすればあの狸が納得してくれるのか、教えてくれればいいのに。

 

 

 

土日をまたいで月曜日。今日はグラウンドの使用割当をなんとかしようと四苦八苦していた。しかし、どう考えても無理がある。うんうんとパソコンの前で唸っていると、パソコンと自分の発する音が同期して自分がパソコンのように思えてくる。そうやって僕はパソコン僕はパソコン……と心のなかで念じていると、

 

「お、おい小鳥遊、大丈夫か?」

 

と高橋が心配した様子でこちらを見ている。こいつに頼ろう。なんだかんだ言って頼りになるんだ、高橋は。

高橋に事情を話すと、

 

「うーん……あそこ使えるかもな。」

 

そう言うと、急にバッと席を立って、

 

「ちょっと預からせてくれ」

 

と言ってどこかに行ってしまった。

数日後、高橋が

 

「ちょっとついてきてほしい」

 

というので校外に出た。もしかして、告白?

そんなくだらないことを考えながらしばらく歩くと広い原っぱに出た。川が近い、所謂河川敷というやつだろう。イナズマイレブンでしか見たことないやつ。

 

「ここを部活で使っていいと許可をもらった。」

 

えっ、ここを?そんな許可でたの?

 

「え?まじ?」

 

 

 

 

話によれば市役所などに電話しまくって許可をとったらしい。すげえな

 

というわけで高橋のおかげで運動部の使用割当もなんとか全員に納得してもらえた。みんな使用機会が増えて、ご満悦みたいだ。

 

よかった。

 

「高橋、ありがとう」

 

「気にすることはない、同じ生徒会役員じゃないか。」

 

こいつ、いいやつだな。

 

各部活に使用割当が決定したことを報告して生徒会室に上坂先輩がやって来る。

 

「おーおー、青ー。グラウンドの割当は解決したみたいだね、よかったよかった。」

 

あれ、この人にそのこと話したっけ?

 

「あれ?先輩なんでそのこと知ってるんですか?」

 

「え?なんでって、ここでそのお話してたでしょ?たまたまサッカー部の部長に聞いたのよ、その顛末を。」

 

ふーん、一応裏を取っておこう、サッカー部のあのいけ好かないイケメンに。

 

「そんなことよりさー、聞いて聞いて、なんかー、生徒たちに不満が溜まってるみたいだよー」

 

不満?なんの?高橋もそう思ったらしく、上坂先輩に

 

「不満ですか?なんの?」

 

と聞く。

 

「生徒会の改正案の進捗が全然ないこと」

 

なるほど、確かに成果を公表すればこういうことにもなるか。高橋も合点がいったようで少し複雑な面持ちだ。

 

「もう議事録さっさと全開示すればいいんじゃないの、」

 

と上坂先輩が言う

 

「でも、それって目標達成からは遠ざかるんですよね?なんでかわからないですけど」

 

「さあ?」

 

とぼけやがってーーーうざーーい!!

 

と思ったのでプンスカしながら僕は外に出ていった。行く場所は当然サッカー部の部室だ、さっきの真偽を確認するのだ!!

 

サッカー部の部室にいくと、都合よくあのクソイケメンがいた。

 

「部長、少し聞きたいことがあるんですけど」

 

とめちゃくちゃ不満そうな顔で、聞く。あいてもこちらの不満げな顔に気づいたようで

 

「あ、はい…なんでしょうか」

 

と怖がっている。

 

「上坂先輩にグラウンドの割当てのこと言ったの?」

 

「言ったも何もあの人がグラウンド使用について生徒会に掛け合ってみたら?って言ってきたからなあ、そもそも」

 

また、貴方が元凶ですか……

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