ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

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昨日のUAがすごく伸びててびっくり。
そろそろ終盤戦です。とある動画の影響でエモい話が書きたい欲がすごいです。(書けるとは言ってない)


47.別れ

卒業式からしばらくして、生徒会の仕事も残すところは引き継ぎだけになっていた。といっても引き継ぐことなんて大したことはないのでさっさと生徒会室で資料作って帰るかなーと思いながら生徒会室に向かう。コンコンコンと軽快なノック音を響かせて、ドアを開けて中に入る。あー、もうノックは三回じゃなくても何も言われないのか、と思いながらどうぞ~という声を聞いてから中に入る。中には生徒会のメンバーがほとんど揃っていた。副会長二人がいないみたいだ。

 

「おー、青。青も引き継ぎ?」

 

ここにいる皆引き継ぎの資料を作りに来たんだろうか。と思ったが、どうやらそうでもないらしく、パソコンは一つ使われていない状態だった。パソコンを起動させるとホーム画面はもはや見慣れてしまった腹ペコアオムシのコラ画像ではなく、なんかオシャレなホーム画面になっていた。

ああ、ホントに上坂先輩がいなくなったんだなあと考えながらホーム画面を見ていると、五月がそれに気づいて

 

「いるときは面倒くさいと思ってたけど、いざいなくなると悲しいよね」

 

と僕に言う。五月も同じ気持ちなのかなあと思った。

 

カタカタとブラインドタッチで作業を仕上げていく五月の横でポチポチと人差し指で引継書を作っていく。いいなー、ブラインドタッチ。

五月は大変仕事ができる。説明もうまいし、資料を作るのも上手い。だから、ホントは春奈がやるべきなんだろうが、来期のスマホ使用の改正案の試運転についての資料も任されている。僕なんて大して記すこともないというのに僕が作業を終えたのと、五月が作業を終えたのは同時だった。

僕は作業を終えて大きく伸びをする。隣の五月も同じく伸びをしている。

そうしていると先輩達の会話が聞こえてくる。

昨日のテレビの話やらなんやらで楽しそうに雑談している。まあ、そうだよな。普通こんな部屋が高校生に与えられたら溜まり場になるよな、今までは上坂先輩がいるかもだから人がいなかっただけで。あの人めんどくさいからなー。

 

「そういえば、上坂先輩、東大受かったらしいよ。」

 

五月が徐ろに思い出したように言う。そうだったのか、知らなかった。ラインとかも来てなかったし。まあそりゃ別にわざわざ合格したよーとかラインしないよな。そう思いながらパソコンの電源を切る。外を見ると、桜が咲き始めていた。もう、一年が終わるのか。

 

この数日、上坂先輩に全く会っていない。そりゃそうか、わざわざ自分の母校に来る人はあまりいない。実際に僕も中学校になんて行ってない。そう考えるとあれが、最後だったのかもな。それならもう少し何か話したほうが良かったかもなと思った。

 

「上坂先輩は下品だし、悪ふざけが酷いし、うるさいし、面倒事持ってくるけど、なんだかんだ言っても私好きだったな」

 

五月が苦笑しながら

 

「なにそれ、上坂先輩が死んだみたいじゃん、まあ言いたいことはわかるけど。せっかくなら卒業式の日、挨拶だけでもすればよかった。」

 

確かに。死んだみたいだな。卒業式で挨拶できただけマシか。あれ?挨拶したっけ?まあいいか。

 

その日も五月は愛梨と帰ってしまい、春奈も消えていたので僕は一人で帰ることになった。一人でとぼとぼと歩いて帰っていた。

その時後ろから目隠しされて

 

「だーれだ」

 

という上坂先輩の声が聞こえる。なんで、こんなとこにいるんだ。

 

「上坂先輩……なにやってんすか。」

 

「流石、青。」

 

そう言って手を離してくれる。そもそもこんなことするのはこの人しかいないからね。それに、声でわかる。

 

「そろそろ私がいなくて寂しい頃かなーと思ってきてみたよーー」

 

完全に図星だったので答えに窮していると、上坂先輩が僕の後ろから目の前に移動してくる。白いセーターに黒いワイドパンツを履いている。今まで学校以外で先輩に会うとなると大体登山する関係上この人はジャージだったからな。普通の服を持っていて安心した。やはり顔がいいからかすごくなんというか似合っている。

 

一応大学に合格したのは祝っておいたほうがいいだろう、と思って

 

「そういえば、先輩東大に合格されたらしいですね、おめでとうございます。」

 

と言っておく

 

「ありがとー、まあ落ちないだろうとは思ってたけどね。因みに田中も受かったよー、東大二人で学校側はお祭り状態みたいだねー」

 

まあこの学校からしたら凄まじい実績だ。東大一人でればすごいくらいの学校だからな。

 

「私のいない生徒会室はどんな感じ?」

 

「まあ生徒会役員の溜まり場って感じですね、そういえば、パソコンのホームの背景もオシャレなのになってましたね」

 

そう言うと、先輩は大げさに否定するように手を振って、

 

「いやいや、オシャレなのは前からでしょ」

 

「え?」

 

「え?」

 

「ま、まあともかくそりゃ高校生にあんな場所与えたら溜まり場になるよね、当たり前。唯先輩もそんなこと言ってたし。」

 

「そういえばさー、東大入試のときにリスニングがすごく音質が悪くて……」

 

そんな話をしながら駅まで歩いて帰る。駅に着くと、先輩とは方向が違う。

 

「あ、私こっちだから」

 

と言って立ち去ろうとするので、僕は先輩の袖を掴んで引き止める

 

「ん?どうしたの?青?」

 

「先輩、また今度」

 

高校を卒業してからも異学年と会うなんてなかなかないだろう。それでも、今度いつ会えるか分からないが、僕はこの人と会いたいと思った。だから、敢えて今度という言葉に重みを載せて。

 

先輩は笑顔で

 

「うん、またね」

 

と言って手を振って帰っていった。

 

時は流れて終業式の日。ちゃんと事前に春奈を桜の樹の下に呼んである。告白には最適な場所ではないだろうか。告白スポットとしては体育館裏と並んで二大スポットらしい。だからなんだとは思うが。

 

狸の長い話を適当に聞き流して終業式が終わり、あっという間に放課後になった。終業式が終わって教室に戻ってくる時から心臓の鼓動が収まらない。やばい。心拍だけではなく、手汗もダラダラだ。教室に戻ったあとの先生の話もほとんど耳に入ってなかった。

 

教師の話が全部終わってみんながざわつく中、急いで桜の木の下に行く。ソワソワソワしながら春奈を待つ。どんな言葉で告白するかは決めてたし、特に何もすることがないので、頭の中で、振られて、その後のことが頭をぐるぐると回る。こういうときは悪い想像が捗るものである。

 

十分ほど待つと春奈がやってくる。帰りのショートホームルームが終わった瞬間に外に駆け出して行った自分が恥ずかしくなるほどに普通に来ていた。

 

「やっほー、青。で、こんなとこに呼び出してどしたの?」

 

と明るい声を春奈が出してやってくる。

 

「え、あ、話って言うのは…」

 

心臓の鼓動がここに来て今日で一番のBPMを記録する。心臓が早鐘をうち、頭が痛くなってくる。

 

「僕、あの、友達とかじゃなくて、恋人的な意味で春奈のことが好きです。付き合ってください」

 

言った……。

春奈はしばらく驚いたような顔をして、少し困ったような顔をして頭を搔いて、

 

「あー、そうなんだ、ごめんね、私青をそういう風に見れないや」

 

と言って気まずそうに

 

「じゃあね」

 

とだけ言って去っていった。




まだ終わりませんよ
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