ラブコメなんて実際に起こり得ないことの証明   作:寿太郎

8 / 54
スポ根みたいになってますね


8.久々に運動したあとは筋肉痛になるよね

筋肉痛がヤバイ。普段の運動不足をこんな事で痛感するとは思わなかった。体が重い。いつもなら大したことのない距離である通学路さえも万里の長城もかくやという感じだ。階段を踏みしめるようにして登る。ふと、横を見ると春奈も同じように踏みしめるようにして階段を登っている。春奈も気づいたのか顔をほころばせて

 

「一緒だね」

 

と話しかけてくる。

 

「筋肉痛が酷いよ………」

 

と返すと

 

「今日も練習あるんでしょ?ヤバイ……」

 

などと話しながら教室へ向かう。教室に入って周りをみると、僕達と同じように体がダルそうな人達が多い。どの団も同じ感じらしい。これで授業大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

大丈夫じゃないらしい。爆睡している人がいつもの5倍はいるぞ。クラスの1/3は寝てる。ちなみに春奈は寝てる。可愛い。写真撮りたい。でも、校内でスマホ使えないんだよなー。残念。確かに眠いけどね、まだまだピークじゃないから。一番眠いのは正直5限。お腹一杯になったあとであたたかな太陽の陽気に誘われて眠ってしまう。プロ5限スリーパーとしてはそこでの睡眠の質を上げるために今は寝たくない。ギリギリでウトウトしてる瞬間が最高なの。と思いながら春奈を鑑賞してこの時間は過ごした。

 

 

 

 

お昼休み。最近は春奈、五月、僕の三人で食べることが多い。体育祭の練習も始まったということで自然と話題はそのことになる。

 

「聞いてよー、五月。昨日の練習めちゃキツくてさー。もー、足パンパンだよー。五月はどう?」

 

「うーん、私もマグロ引きではないけど、かなりキツいかな。マグロ引きに人が取られてるせいで他はかなりてんやわんやだよ。」

 

そうなのか、確かに先輩が僕達はほとんど他の種目には出ないって言ってたな。確かにそれだと他の人も大変だな。と、初夏の蒸し暑さを億劫に思いながら会話を交わす。6月。梅雨が近づいてくるのを感じる。そういえば梅雨に入ったら練習はどうなるんだろう。

 

 

さて、楽しみにしていた5限だ。ウトウトと眠りに落ちていく。

 

夢を見た。夢の中で髙橋が春奈と付き合ってた。ブチギレそうになった。リアルでさえ僕にとっていいことをしないあいつが春奈と付き合うなんて許せん!!邪魔してやろうとも思った。そうして、僕はふと思った。僕にとって春奈って何なんだろう?友達?好きな人?僕は春奈を恋愛的な意味で好きなんだろうか?はいとも答えられないし、いいえとも答えられない。どっちなんだろう。うんうん、と悩んでいると春奈に起こされた。寝ぼけて

 

「うーん……春奈は僕のこと好き?」

 

と聞いてしまった。

 

「当たり前じゃん」

 

と言われて肩を叩かれた。多分そういう意味ではないんだけどなー。

幸い、他には誰も聞いていなかったらしい。周りに人がいない。なんでだ?

ヤバイ、次は移動教室だ、青春の悩みを抱えている場合じゃない。

 

 

その日の放課後。今日も練習があるのか………と思って憂鬱になりながら、今日のメニューが書かれた紙を見る。

今日のメニュー

姿勢の練習

5kmランニング

体幹トレーニング

あれ?今日は昨日より楽そう。いや、キツいのは間違いないけど……。

 

「なんか、昨日よりは楽そうだね。」

 

と春奈が言う。

 

「そうだね、筋トレ系がないね。」

 

と返すと、愛梨がまたまた入ってきて

 

「なんかー、流石に毎日筋トレだとー疲労が貯まるだけでーあまりー効果がないらしいよー。」

 

「「へー、そうなんだ。」」

 

あ、春奈とハモった。

 

「ふふっ、ハモったね。」

 

ん、可愛い。愛梨が情報通なのが少し意外だったので、

 

「愛梨って、情報通だよね、どこから仕入れてるの?」

 

と聞いてみた。

 

「三年生にー知り合いのー先輩がいるんだよー」

 

そうなのか、僕は他学年に知り合いなんていないからな……。少し羨ましい。

 

どうやら、綱にマグロの絵がついているということもあってかなり引きにくいので引くのには慣れが必要らしい。だから筋トレをしない日には引く練習をしたほうが効率的とのことだ。

 

 

 

 

 

先輩達が綱を引く様子を見る。実物を見るのは初めてだから少し想像と違った。綱の両端に一つずつバカでかいマグロの絵が描かれた木の板がくくりつけられている。外から見るとそのマグロの絵の口の部分から縄が出ていてまるで二匹のマグロが綱引きをしているようだ。マグロ引きってマグロを引くんじゃなくてマグロが引くのか。なるほどマグロは全長15m以上あり、確かにダイナミックだ。ちなみにマグロの口から尾ひれまでに全員が入らないと行けないらしく、かなり詰めないと入らないからそこも各団の腕の見せ所らしい。大体30人くらいいるから確かに詰めないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

難しいぞ、これ。まず、腰を落とせない。一人あたり50cm強くらいしかスペースがないから綱引きで定番の腰を落とすという姿勢ができない。そして、綱が持ちにくい。できるだけ腰を落としつつスペースを最小限にするというなかなか難易度の高いことを求められる。こりゃ練習が必要なのも納得。そして中途半端な姿勢だからかなり腰とか下半身にくる。こりゃ筋トレも必要だわ。納得。キツい。と、実際にやってみて先輩達のメニューの合理性に気づいた。そして、このクソ競技の不合理性に気づいた。なんでこんな邪魔な看板をくくりつけながら綱引きするの?頭おかしいの?

せっせとわけわからん姿勢で綱を引く練習が終わると、次は5kmランニングと体幹。二つ合わせて体感5kmランニングじゃ駄目かね?とか考えるくらいしか抵抗することができない。結局今日もヘトヘトになって帰ることになった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。