幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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第12話(9の途中〜10の途中)

 

「待って、頭が混乱してきた。ええと、ボクが貴方で貴方が僕で?」

「難しく考えなくて良いんです。僕は貴方を赦し、貴方は僕を赦し、互いに互いを受け入れるのです。だってお互いに赦しあえば、そうすればおあいこ。どちらかが上だという『地位』も『罪』もなくなりますよね?」

 

でも貴方は…」

「そう、僕はしょせん仮面(ペルソナ)を被った貴方に過ぎません。どれだけ僕が赦しても、それはただの自己欺瞞、甘えに過ぎないとそう思えてしまうでしょう」

「だったら!」

 

「それでも、まずはそれが必要なのだと僕は思います。どれだけ『罪』を犯しても、どれだけ力が不足でも

まずは、そうした自分を受け入れて、そこから始めるべきなのだと。どれだけ他人に受け入れられなくても、愛される保証なんてなくっても、まずは自分で自分を愛するべきなのだと」

 

「自分を受け入れて、愛する…」

 

「ええ、だって、そうでないと…悲しすぎるでしょう?ただの暴力からは何も産まれません。

自分で自分を罰しても、自分で自分に幾ら暴力を振るっても、その後に残るのは、堂々巡りする痛みと苦しみしかないでしょう」

 

「それでも…それでしか救われない人間もいるとしたら?」

 

「でも、貴方はそうじゃない。でしょう?貴方が求めているのは、他人に認められ、愛され、何より自分で自分を愛することが出来る居場所のはずだ。だとしたら、それは自分しかいない処刑場からは最も遠い場所です」

 

「自分しかいない処刑場…」

ラリスキャニアは、胸に手を当て、思いを凝らした。

果たして自分は、どうするべきなのか、と。

 

天使(レオ)触手の言葉はどうしても上から目線であったが、その物腰、その言葉からはラリスキャニアに対する思いやりで溢れていた。

 

なにより、その真っ直ぐで清らかな瞳と話しながらぴくぴくと動く猫耳は、本当に愛らしかったのだ。

 

ラリスキャニアは、まだ胸に残った懸念を少しずつ天使触手に吐き出すことにした。

状況を整理するために、そしてそれが自分で自分を認め、受け入れ、赦すことに繋がるのだと、そう信じて。

 

「ボクは…怖い。負けたり飽きられることも、もちろん怖い。けど、一番怖いのはそれじゃないんだ」

「聞かせて下さい、貴方の恐怖を。そして、貴方が何を望んでいるのか」

 

猫耳(レオ)触手のうながしに導かれ、ラリスキャニアは語る。

 

「ボクは、居場所を失ってしまうのが怖い。これから始まるであろう激動の時代、いわば『大アイドル時代』についていけなくなるのが怖いんだ」

「『大アイドル時代』ですか?」

 

「ああ、リーナ・ゾラ・クロウサーの陰謀によって始まる、世界の全てをアイドルが支配する時代。それが、ぼくが予想する今もっとも可能性が高い未来。『大アイドル時代』だ」

 

「ちょっと待て!リーナの陰謀って、そんな…もがが!」

 

ここで悪魔(アキラ)触手が口をはさもうとしたが、その試みは彼自身の左手によって防がれた。

本体の口をふさいだ左手が、語りて曰く。

「あ、この人のことは気になさらないで下さい。どうか、続けて続けて」

 

ラリスキャニアは、言われたとおり、自分の未来予想を述べる作業にもどった。

 

 

 

 

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