幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】 作:鳳卵
「待って、頭が混乱してきた。ええと、ボクが貴方で貴方が僕で?」
「難しく考えなくて良いんです。僕は貴方を赦し、貴方は僕を赦し、互いに互いを受け入れるのです。だってお互いに赦しあえば、そうすればおあいこ。どちらかが上だという『地位』も『罪』もなくなりますよね?」
でも貴方は…」
「そう、僕はしょせん仮面(ペルソナ)を被った貴方に過ぎません。どれだけ僕が赦しても、それはただの自己欺瞞、甘えに過ぎないとそう思えてしまうでしょう」
「だったら!」
「それでも、まずはそれが必要なのだと僕は思います。どれだけ『罪』を犯しても、どれだけ力が不足でも
まずは、そうした自分を受け入れて、そこから始めるべきなのだと。どれだけ他人に受け入れられなくても、愛される保証なんてなくっても、まずは自分で自分を愛するべきなのだと」
「自分を受け入れて、愛する…」
「ええ、だって、そうでないと…悲しすぎるでしょう?ただの暴力からは何も産まれません。
自分で自分を罰しても、自分で自分に幾ら暴力を振るっても、その後に残るのは、堂々巡りする痛みと苦しみしかないでしょう」
「それでも…それでしか救われない人間もいるとしたら?」
「でも、貴方はそうじゃない。でしょう?貴方が求めているのは、他人に認められ、愛され、何より自分で自分を愛することが出来る居場所のはずだ。だとしたら、それは自分しかいない処刑場からは最も遠い場所です」
「自分しかいない処刑場…」
ラリスキャニアは、胸に手を当て、思いを凝らした。
果たして自分は、どうするべきなのか、と。
天使(レオ)触手の言葉はどうしても上から目線であったが、その物腰、その言葉からはラリスキャニアに対する思いやりで溢れていた。
なにより、その真っ直ぐで清らかな瞳と話しながらぴくぴくと動く猫耳は、本当に愛らしかったのだ。
ラリスキャニアは、まだ胸に残った懸念を少しずつ天使触手に吐き出すことにした。
状況を整理するために、そしてそれが自分で自分を認め、受け入れ、赦すことに繋がるのだと、そう信じて。
「ボクは…怖い。負けたり飽きられることも、もちろん怖い。けど、一番怖いのはそれじゃないんだ」
「聞かせて下さい、貴方の恐怖を。そして、貴方が何を望んでいるのか」
猫耳(レオ)触手のうながしに導かれ、ラリスキャニアは語る。
「ボクは、居場所を失ってしまうのが怖い。これから始まるであろう激動の時代、いわば『大アイドル時代』についていけなくなるのが怖いんだ」
「『大アイドル時代』ですか?」
「ああ、リーナ・ゾラ・クロウサーの陰謀によって始まる、世界の全てをアイドルが支配する時代。それが、ぼくが予想する今もっとも可能性が高い未来。『大アイドル時代』だ」
「ちょっと待て!リーナの陰謀って、そんな…もがが!」
ここで悪魔(アキラ)触手が口をはさもうとしたが、その試みは彼自身の左手によって防がれた。
本体の口をふさいだ左手が、語りて曰く。
「あ、この人のことは気になさらないで下さい。どうか、続けて続けて」
ラリスキャニアは、言われたとおり、自分の未来予想を述べる作業にもどった。