幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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第15話(13の途中まで)

 

 

 

 

 

 

ここで、舞台にカチリ、と音が響いた。

音の出どころは、舞台袖であり、そこにはいつの間にか黒い布で全身を覆った指人形が存在していた。

 

舞台効果を担当しているラリスキャニアの指人形『黒子キャニア』である。

 

黒子キャニアが、ぶらぶらしている外付けの足で床を踏むと、どこからか歯車が噛み合う音がした。

ガチリ、ギリギリ、ギリギリ、ウィーン。

 

そして黒子キャニアの前に『強力なモーター』と書かれた幻像表示が浮かぶと共に、舞台全体に震動が走り、床から何かがせり上がり始めたのだ。

 

それが指し示すのは、舞台の変動。

すなわち、場面の転換。

次の幕への切り替えである

 

 

 

 

 

ガタン、ギリギリ、ギリギリ、カチリ。

ガタン、ガタン。

キリキリ、ガチリ。

 

そうして巨大な機構が動き、歯車同士が噛み合えば、背景が変わり奈落から大道具がせり上がる。

 

細工はそこそこ、仕上げもそれなり。

けれど、まあ、有り合わせでも、寄せ集め(ブリコラージュ)でも、そこに舞台装置(セット)が組み上がったなら。

後はただただ、始めるだけだ。

 

さあ、演劇(ものがたり)の再開(はじまり!)再始動(はじまり!)

 

始まりは杖(ぶたい)

舞台(あしば)を固めて、幕を張って、誰かの邪視(げんそう)を拾ってきたら、さあ、お芝居の始まりだ。

朗々と呪文(ことば)を述べよう。

時代と場所を設定しよう。

そして語ろう、【使い魔】(かんけいせい)を。

 

出会いに別れに悲劇に喜劇。

欲望希望に絶望苦悩。

 

そう、ついに人類は、時間と空間をその手に入れた。

それがさらなる茶番としても、踊る影法師の自己主張だとしても。

ひとまずは、こうして踊る(えんじる)ことが出来る。

 

だから、さあ、再開し(はじめ)ましょう。

誰かに聞いた、どこかで読んだ。

ありふれた運命(くのう)の物語を。

 

小さなおうちは、大きなのはらに。

王国の鍵は、王国のなかに。

 

世界を呑んでる獣のなかから、個人(わたし)の物語(はなし)を引きずり出そう。

 

小さな人間(もの)は、大きな世界(もの)と。

大きな社会(もの)は、小さな個人(もの)と。

きっときっと、つながってる。

 

ちょうちょの羽ばたき、嵐となって。

世界のすべてを、揺るがすように。

 

それはきっと、不可避の呪い。

万物を縛る、不滅の祝い。

 

だからきっとつながっている。

ボクは彼女とつながっている。

 

はぐれた個人(ボク)のその孤独(ひげき)は、偉大な当主(かのじょ)の運命(でんせつ)と。

きっときっと、つながっている。

 

だから語ろう、物語(うんめい)を。

偉大な当主、稀代の新星。

 

リーナ・ゾラ・クロウサーのアイドル計画(せかいせいふく)を!

 

ガタン、ギリギリ、ギリギリ、カチリ。

ガタン、ガタン。

キリキリ、キリキリ、ガツン!

ガギギギギ―――――

 

「ちょっと待て」

 

ところが、ここで物言いがついた。

 

「ええい!こんどはなんなんだ!」

 

劇のナレーションに集中していたラリスキャニアも、これには怒った。

だが、そんなことには構わず、挙手して発言許可を求めるモノが、そこには居たのだ。

 

そう、言わずと知れた悪魔(アキラ)触手である。

 

 

 

 

 

 

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