幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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181話 天への飛翔③(その2の42の途中まで)

手紙が、ラクルラールのためだけに書かれた大量の卒業証書が、白鳥(しらとり)のように空を飛び交う。

もはや、それらに承認の判は必要ない。

誰もが自分自身に許可を与え、そしてあらゆる者が己自身を『自由』にし、新しい居場所(ホーム)を見つけていく。

それは、まさに教師を送り出す『卒業の式辞』であった。

 

形成逆転。

 

ラクルラールの強大な『教育』の悪夢的呪力を、『ラリスキャニア』が呼び集めた第五階層のヒトビトの『学習』の呪力が押し返していく。

二種の呪力の波形は、もはや互角。

まさにかつてシナモリアキラと実力伯仲を演じた相撲のアキラのように、がっぷりと四つに組み合っていた。

 

そして、周囲から放たれるその光を舞台照明と成し、その中心の一対も、より輝きを増していく。

地下アイドルのドレスは、黄金の輝きを放つ。

それは、ほんの一瞬の間だけのことではあったけれど。

 

それは、光の加減か目の錯覚か。

いいや、違う。

違うのだ。

そう、きっとそれこそは…

 

「これがボクらの輝き!

人々(みんな)が心に秘めている“太陽の欠片”!

天馬のように飛躍することが出来る、未知なる可能性の鼓動(ビート)なんだ!」

 

“二人”は触手を繋げ、霊長類の心臓型を象(かたど)った合図(ファンサ)を放つ。

それは、新しい段階へ到達した“業(ワザ)”だった。

『ラリスキャニア』たちに受け渡された呪力が、一つの強力な呪的図象に集約され、コーデの潜在能力を限界以上に引き出すのだ!

周囲を隈無(くまな)く照らすそれは、太陽の輝き。

コーデが変調し、新たな姿、未知なる輝きを世界に示す――!

同形二様、二つの姿を持ちながら、放つ魅力(ひかり)は等しく貴(とうと)く、その存在感を発揮。

 

これこそが、伝説ではあるが、わりとみんな成功しちゃってるというアイドル空間の都市伝説!

主体化(サブジェクトリウム・チェンジ)である!

生命を燃やし尽くさんとする懸命の決意が、それを可能としたのだ!

 

「瞬間的とはいえ、太陽を再演するドレス…?

不完全とは言え、擬似的な霊血(イーコール)祝福(エンチャント)の再現か。

だが、夜の民に太陽は劇物のはず!

貴様に耐えられるわけがない!」

 

地下アイドルたちは、輝きに包まれながら、笑(え)みを以(も)って答える。

 

「いいえ先生!

全てのものに、太陽はその影響を及ぼしています。

影ももちろん、その代表格!」

「ですから、ボク“ら”にだって太陽の力を、その輝きを纏(まと)うことが出来るのです!」

 

「そんな金鍍金(きんめっき)が!」

 

当然、ラクルラールの猛攻が迫る。

しかも、その勢いは六王の力を得て更に増している。

 

「心に秘めた夢こそが、真の黄金!

アイドルは、星に至るもの!

だから、最も身近な太陽にだって、きっと成れるはず!

そして先生!」

 

そこで、地下アイドルは驚くべきことを言い出した。

 

「これこそが、貴女の弱点だ!」

「なんだと!」

 

「貴女は不死身だけど、大きく変われることが出来ずにいる!」

「誰かと共に生きることも出来てはいない!」

 

「そんな教師は、これからのアイドル空間に、第五階層に必要ありません!」

「だから、これにて一旦(いったん)お別れです!」

 

そこでまた、『ラリスキャニア』“たち”は、声を合わせる。

 

「「二回目の、そして真なる“陰の太陽”の幻想再演を以(も)って、今度こそこの練習試合(たたかい)に幕を引いて見せます!

ボクら先生の元生徒は、学園を卒業し!

先生の教育を改善して、学習して、学んで、そこからもっと新しい教育を編み出していってみせます!

なぜなら!」」

 

そして、二人は、天高く舞い上がった。

それは、太陽を真に再演するに足(た)る、“高さ”を得るための儀式。

 

肩を組むように、互いに重なり合って飛ぶその姿は、まるで頭を二つ持つ一羽の鳥のようであった。

 

「「ボク“たち”の戦いは、まだまだこんなところでは終わらない!

これからだから!」」

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