幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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198話 九つの異界、一つの戦い/共演④その2の55~56まで

動き出す前に、竜巻によって全てが吹き飛ばされた。

言うまでもなくそれを放ったのは、

 

「先生!」

「ラクルラール!」

 

女教師である。

彼女は、講義のように自信を込めて言い放つ。

 

「そんなものは、最悪の終末に決まっている!

後は悲劇と破滅しかないから続きが無いのだ!」

 

「そんなことは…!」

 

対抗呪文を紡ごうとした『ラリスキャニア』

しかし、そこへすかさず追撃が飛ぶ。

 

「あるいは既に事故や病気で作者はもう既にこの世には居ないのではないか?

火事地震落雷洪水津波地滑り骨牛車に箒に車輌に列車事故。

脳梗塞脳卒中心筋梗塞心不全癌糖尿病認知症衝動的な自殺深刻なゲーム依存症!

創作者(クリエイター)と呼ばれ賛美されるその実態はどいつもこいつも虚弱な瀕死人(しにかけ)なのだ!」

 

「ば、馬鹿な!」

「それは偏見です!」

 

しかしラクルラールは、更に語気を強めて言い返す。

 

「馬鹿は貴様だ!

大方ソイツはこのところの急激な気候の変化にやられてそのまま寝込んでいるに違いない。

室内(インドア)の趣味しか無いからそう言うことになるのだ!

立て外に出ろ運動をしろラクルラール・ドールアーツスクールのダイエットコースを受けて健康になれ!

無価値な趣味など辞めて金を稼ぎ私に貢(みつ)ぐのだ!」

 

それに対し、

 

「それはあまりな決めつけ!」

「健康の押し付けは、かえって心身の健康に良くありません!

ヒトには、ヒトそれぞれの事情とペースがあるのです!

身体をどんな状態に保つか、腐敗具合とか白骨の磨き方とかを誰かに指導してもらう必要はありません!

身体肯定(ボディポジティブ)は現代アイドルには欠かせない潮流(ムーブメント)です!」

「いざとなれば転生すれば大丈夫!

そろそろ祝祭に合わせて、機械女王が移民促進のツールを配るらしいのでその波に乗れば!」

 

と反論したが…

 

「黙れ。全ての創作者は、腰を壊して死ぬ!

それが芸術家気取りの末路!

まるで傲慢で物臭(ものぐさ)な姉のように、ちょっと目を離している間に半身から腐り出すのだ!

“健全な魂は健全な肉体に宿る”!」

 

更に、

 

「応援する者はおろか話題にする者もなく、全ては忙しさを理由に日々に埋もれていく!

頽落(※ たいだ)だよ。

最初からやらない方が良かったのだ!

金を払う者など誰もいないに違いない!

残らず返本!むしろ賠償金と慰謝料が請求される!

だからやはり金だけが唯一確かな価値なのだ!

人間(ロマンカインド)など行き着く先は蛆虫と灰!

金剛石(ダイアモンド)に変えても一銭にもならぬ無価値ながらくた!」

 

続けて、

 

「お前の擁護する作者とやらが勝利者や成功者ならば、この世界全体が一つの物語であることだろうよ。

さしずめ、読者全員が第一話で挫折しているに違いない。

感想も支援画(ファンアート)も二次創作も無く、音信は途絶え次回更新は未定で作者の活動報告も生存報告も無い!

つまりは全てが氷結(こおりつく)のだ!

なんという悲惨な永遠か!」

 

そして止めに、

 

「「「残された道はただ一つ、ラクルラール学園に入学し、我が支配を受けて健康かつ安全に生きることだ!

転生などしなくても、人生の全てを整(ととの)えてやろう!」」」

 

なんと、女教師は語りながら次々と分裂していたのだ。

蜃気楼かあるいは新しい身体(ボディ)の構築か。

 

いずれにせよ、目の前に立ちはだかるそれらの姿からは、いずれも劣らぬ強大な呪力が立ち昇っていたのだ…

 

 

 

 

 

形勢は、圧倒的に不利だった。

しかし、それでも地下アイドル“たち”にとって打てる手が皆無と言うわけではない。

その答えこそが、彼女“たち”が今魅(いまみ)せている振る舞いである。

 

激しく弁じながら、身振り手振りでその弁舌(じゅもん)を強化する『ラリスキャニア』“たち”

その姿には、ある変化が生じていた。

首には砂茶色(オーカー)マフラーが巻かれ、ドレスもいつの間にか、それぞれ色違いのメイド服のような装(よそお)いに変わっている。

そして発するセリフも一際妙(ひときわみょう)だ。

 

「先生、“ボクたち”に何か悪いところがあったら、いつでもご指摘下さい」

「『フィードバック』して今後の参考に致(いた)しますから」

 

丁寧(ていねい)な発言、遜(へりくだ)った語意。

けれど、その台詞(セリフ)と共に『陰』の『ラリスキャニア』が放っていたのは、侮辱を意味する指信号(ハンドサイン)だった。

しかもそれは、性的なニュアンスを持つものに酷似している。

それこそは、複合的なパロディの表現。

“挑発的な/空気読めない発言をするシナモリアキラの演技(パロディ)…をするミヒトネッセの模倣(えんぎ)”である。

この限界ギリギリのパロディは、“今の振る舞いが悪かったり下品なのは自分ではなく、引喩(パロディ)元のせいである”と暗に主張すると言う、責任転嫁を意味していた。

そして性質(タチ)が悪いことに…この場合、実際元ネタが下品で露悪的だと言うことは、否定出来ない真実であった。

 

そのことは、第五階層じゅう、そして地下アイドル空間関係者の全員が熟知している。

 

なにしろその“彼女”は、

 

「ボク“ら”の級友だったのですから!」

「クラスメイトのパロディは、芸の基本!

許される身内ネタです!」

 

 

 

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