幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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201話 九つの異界、一つの戦い/共演⑥その2の57~58まで

まず、

 

・反論①:本物と偽物の区別をつけることへの批判

 

「『ラリスキャニア』に、アイドルは常に『本物』であり、同時に『偽物』です!」

 

次に、

 

・反論:②本物の価値を賞与し、嘘と偽物を蔑むことへの批判

 

「『浄』と『不浄』、陽(ひかり)と陰(かげ)そして生成と消滅の律動(リズム)の循環(サイクル)と螺旋(らせん)!

それこそが、反動として『本物(オリジナル)』 という幻影を、ボクを形作っているのです!

その、どちらか片方だけでも成り立たちません、どっちも必要なのです!」

 

更に、

 

・反論③:本物の価値を賞与し、嘘と偽物を蔑むことへの批判

 

「あらゆる『本物』の定義は…『真実』の『価値』と『意味』は、いつも残らず後から決まります!

だって物事の全ては、“現在”から振り返って都合良く再構成される『言葉』(じゅもん)なのですから!

しょせんは、結婚式の公式動画(PV)や立志伝(ゴーストライティング)のような、都合の良く編集された年表(メモリー)に過ぎません!」

 

「だから、そんなものは所詮は後付けなのです。

人々が見るべきなのは、舞台裏の準備(スタッフ)などではありません。

輝くものは、いつだってその上で演じられるものなのですから。

つまりアイドルは、夢こそが本物!」

 

そしてそこから、

 

「先生、そんなふうに自己を正当化し続け、その存在と価値を固定して何になるのですか?」

 

「なんだと!

貴様、何が言いたい!」

 

攻勢を強めて、

 

「貴女がやってることは、化石の保存作業に過ぎないと言っているのですよ!」

「化石!

この私を化石だと愚弄(ぐろう)するか!」

 

「ええ、『不死』とはただの虚飾!

変化を無くした死体に過ぎません!

生きていないものを、ヒトと生きられないものを後生大事に保管して、いったい何になるのですか!」

 

・反論④:不変の本物の価値を称揚することへの批判

 

「不変の存在は生きてはいない。

生きるとは、変わり続けることだから!」

 

「それはまるで、エスカレーターや動く歩道を逆向きに走っているように。

あるいは、溶鉱炉へ続くベルトコンベアに乗っているように。

アイドルは、そしてそのファンだって、同じ場所に留まるためにも、変わらないように変わっていく!

迷い続け、ブレ続けていく!」

 

一気に追い込みをかけ!

 

・反論⑤:才能と生死転生、アイドル活動について

 

「敗北(デス)と復活(ライフ)、予測と演算(シミュレーション)

そう、“アイドル活動(ライブ)”こそが、ボクの、“ボクら”の生そのもの!」

 

「アイドルの力とは、その生のきらめき、感情の爆発。

つまりは、アイドル小宇宙を爆発させることによって発生しているのです!

生とは死の声を傍らに聞くこと、死を伴走者として走り続けること。

ボク"ら"は、その伴奏によって、叫び(うたい)続け、

生を讃(たた)え続けます!」

 

更に交互に!

 

「そう!

突き詰めれば、アイドルの表現(パフォーマンス)は、その全てが生の讃美歌!」

 

「だってそれが!」

 

「「生きていくってことだから!」」

 

決着を期す!

 

そう、それだからこそ、彼女"たち"は、あえて学友の引喩(パロディ)まで用いたこの危険なネタを選択していたのだ。

それは、『性(エロス)』すなわち性的表現を古代からの神事や文化(ミーム)と絡めることで、それと密接な関係を持つ“生きる”こと自体を、肯定するために。

それには当然、学園あるあるの身内受けと見なされる、と言う危険が伴(ともな)う。

しかしその危険を犯してでも、ここは一気に決めにいくべきなのだ。

 

だから最後に、学友(ミヒトネッセ)の応用(アレンジ)として、独自(オリジナル)の教師パロディによって一気に相手の権威の零落を――

 

「何を言うか、この未熟者が!」

 

けれど、遅すぎた。

 

彼女“たち”は、もっと早く気づくべきだった。

女教師のその姿の意味に。

文化的に規定される『風の色』を持つ異なる色彩のマフラー、それを身につけ、ラクルラールの分身がすぐ間近まで迫(せま)っていた。

それも何人も何人も。

女教師“たち”は、腰のベルトに揃(そろ)いの大きなバックルを付け、それを風車のように回転させて呪文の流れを力に変える。

あれは、糸車(ポピン)

糸(スレッド)を巻き取り、情報と実体の両方を支配するラクルラールの呪力の象徴。

 

それに対抗可能な『ラリスキャニア』側の象徴といえば踊り(ダンス)ではあるが…しかしそのために適切な立ち位置(ポジション)を取ろうにも、自由に動くことすら出来なかった。

強風が支配しているこの疑似『浄界』では、そんなことすら難しい。

 

それでも、慌てて動こうとして…必死に攻撃を避(よ)ける地下アイドル“たち”は、この疑似『浄界』を構成しているのが見えるものだけではないことを、うっかりと忘れてしまった。

うっかりと、足を取られる。

 

とは言え、それを責めるのはあまりに酷と言うものだろう。

それは、絡(から)みつきうねりくる多色の糸を避けたその隙間(スキマ)、空間そのものを罠にした“見えざる落とし穴”だったのだから。

 

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