幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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251話 連鎖する反撃⑧ その2の95~96の途中まで

なにしろ『地下』は多様な民族や共同体の『共生』を第一に掲(かか)げる社会。

言い換(か)えれば、共通の文化(マナー)が少なく、“自分たち”の“常識(ふつう)”が常に通用する保証が限りなく少ないという、実はその理念に反し、共同的な行動が比較的困難なセカイなのだ。

 

ならばこそ、異質なヒトビト(ロマンカインド)が共同『共生』を実現し共に手を携(たずさ)えてそこで生きるためには、その社会を構成する成員やその前段階(こどもたち)に、予(あらかじ)め『共生』という共通で『正しい』『普遍性(ベーシック)』を、そしてそれを実現させるための『道徳(コード)』を、しっかりと刷(す)り込み/インプリティングしておかなければならない。

それも絶対に。

そうでなければ、“共生社会”などと言うものは、瞬(またた)く間(ま)に、瓦解(がかい)していってしまうに違いない。

なんとなれば、誰も維持せず責任持たず、その存続に労力を払わない共有地(セカイ)ほど…脆(もろ)く儚(はかな)いものは存在しないのだから。

 

ともかく、このまま『ラリスキャニア』たちが押され続け、ダメージ(いたみ)と言う“教訓”を“教えられ”続けれてしまえば…【愛の鞭(ムチ)】は“正しく”機能し、彼女たちは揃(そろ)ってラクルラールの生徒に逆戻り。

たとえ大敗や大失点が無くとも、女教師に見事支配されてしまうことは、疑いない。

戦歴(けいけん)も技能(しゅわん)も上の相手に鍔迫(つばぜ)り合いを演じていることは、それ自体が既(すで)に敵手(てきしゅ)の思惑通り。

敗北に直結する、陥穽(ピットホール)でしかなかったのである。

 

とは言え、だからと言って『ラリスキャニア』たち”地下アイドル即席連合(仮)”は、今更ここで女教師から逃げるわけにもいかない。

どのみち、決着はつけねばならないのだ。

そうしないとどちらの気も収まらない、と言うこともあるが、そもそも尊厳(プライド)を賭けた戦いとは、おしなべて呪術的なものなのだから。

こうして一旦(いったん)勝負が開始してしまえば、もはや敗者は全ての名声を失い、破約者(ゲッシュやぶり)のように没落することは避(さ)けられない。

ある程度の“格”や名声を持った者たちにとって、勝負、とは、すでにそれだけで死線そのものなのである。

 

もちろん、高度な『呪文』による誤魔化し、あるいは勝負を知る全員を『使い魔』系圧力を用いた勝敗条件(ルール)の改変に協力させるなどすれば、例(たと)え敗北したとしてもその負債(ペナルティ)から逃れることも出来ようが…そんなかなりの力業(ちからわざ)を使ったところで、結局そのこと自体で格落ちしてしまう危険性(リスク)は否定しきれないし、そもそも今の『ラリスキャニア』たちの腕前では、そこまでの芸当は難しいだろう。

 

つまりは、もう誰も逃げられない。

事態の回帰不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)は、とっくに過ぎてしまったのだ。

 

更に、決着をつけるべき理由はそれだけではない。

相手にはおそらく、やり直しの機会があると思われるからだ。

今のラクルラール、正確にはその残滓(キャッシュ)は、その挙動から判断するにおそらく未来から干渉して/操作されている。

だからこそ、そんな魔女にはいまここで絶対に勝たねばならない。

そして、その戦いの結果を、彼女の敗北を心から納得させ受け入れさせなければならないのである。

なぜならば、その気になればラクルラールはいくらでもやり直しが可能であり、いつどんな時空、いかなる転機をも目掛(めが)けて、攻撃を仕掛けることが出来るのだから。

 

もちろん、あの女教師に干渉されて良い時間など、本来一分一秒たりとも有りはしない。

 

けれど、その干渉を防ぐことは、実質的にかなり困難である。

なにしろ相手は『守護の九姉』

呪力量で言えば、マイナー神話体系の主神に匹敵するような存在だ。

その影響を妨(さまた)げるには、最低でも六王級の力が必要となるだろう。

 

とはいえ今回の場合、実は対抗手段は存在する。

まず第一に、女教師にもやり直しの限界や限度は確実に存在するであろうからだ。

 

そもそももし、ラクルラールが本当に自在に勝負を仕掛けられるのであれば、あの“ラクルラール学園決戦”の直後から秒刻みで再戦を挑んできていても、おかしくないはずである。

おそらく彼女の“本体”は(いつかは知らないし知る由もないが)未来にある。

その“時間”の差を使い、女教師はいくらでも休憩と充呪(チャージ)を済ませることが可能だろう。

だから、理論的にはこちらがゴング鳴らし(ラウンド終了)の無い戦いで疲弊(ひへい)しきったタイミングで、向こうだけフル回復を終え即座に再挑戦してきたとしても、全くおかしくはないのである。

 

だが、現実にはそうではなかった。

何故(なぜ)か。

 

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