幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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257話 連鎖する反撃⑭ その2の100の途中まで

しかもそこへ増強(ブースト)が加わる。

勾玉アクセ端末、グロートニオン結晶使用、ファンメールの呪術アイテム化、触手リゾームドレスによる序列支配の撹乱、蛾の羽根を模した目玉に十字(カシュラム)文様の追加パーツ、etcetc(などなど)

それらSSR級以上の価値の呪物(フェティッシュ)は、もちろんガチャラクルラールが先程こぼした代物(シロモノ)である。

どれだけ排出率が渋(しぶ)い抽選(ガチャ)であっても、運営から直接奪ってしまえば問題ない。

 

そして更に、最大限に強化され武装(どんき)として用いられていた台本が、懸賞形式(ガチャかきん)に纏(まと)わりつく恨みと共鳴。

失望と停滞の呪詛(おんねん)は、希望が反転して絶望に変わった呪力のその勢いのまま真白い凍気となって、その代役(すけーぷごーと)と見做(みな)されたラクルラール人形に襲いかかっていく。

元のタイプライター猿へと戻った抽選器が逃げ去り、台本の霜(しも)が倒れた人形を覆いつくすのを観ながら、台本ラリスキャニアは祈りを捧げた。

 

きっと台本の原作者様もこの台本と同じだ。

いつか、永(なが)い時が流れ、課金者や読者を含めた全てが風化し、化石や降り積もる無数の地層へと変わり尽くしたとき…

きっと“彼女(仮)”たちは、作品と共に冬眠(クライオニクス)され、遥か未来に復活(チン)されることであろう。

千年、万、億…恒河沙(ごうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由多(なゆた)、不可思議、無量大数、あるいは火竜の滅びやブレイスヴァの貪(むさぼ)りを幾度も経(へ)た、幾劫(いくカルパ)もの歳月(としつき)の果てに。

恐竜や二足巨大鳥、旅行鳩、その他(ほか)滅び去ったはずの名もなき優しく美しい生命たちや、八頭身藻菜亜猫や美久駄陽、褒明春香といった異界の古代幻獣たち、そしてもはや延ばせないし延ばす必要が無くなった締切と共に、失われたはずだった全ては蘇(よみがえ)るのだ。

遥(はる)か未来にて人々に喜びを与えるために。

 

現状、これだけの攻撃(ぼうりょく)を行っても、"九部屋"における戦況は、まだまだ定まっていない。

戦いは、なおも続く。

しかし、それでもこれだけは断言出来る。

そうしてここでゆっくりと未来を祈り信じられることこそ、ここのラリスキャニアにとっての何よりの勝利なのだ、と。

そしてそれは、そのガチャラクルラールと戦っていた氷結(エターナル)台本使いの『ラリスキャニア』の、そしてその操作者(プレイヤー)に位置づけられている札『ラリスキャニア』“たち”の勝利となり…彼女“たち”の新たなる手番(アクション)、反撃の機会へと繋がっていく。

 

すなわち、

 

「続けて手札から『ハイスピード・素足走者(ベアフット・ランナー)』を起動!もはや姫はハイスペイケメンに囲われたり、玉の輿(こし)を追いかけるような時代は終わりました!魅力は自由と皆の幸福のために使うもの!追ってこい、王子様(やっかいファン)!」

 

その台詞(セリフ)と同時に、机に既に置かれていた札――他の“部屋”の映像が切り替わり、市中引き廻し(さらしもの)からレースへとその様相が一変(いっぺん)する。

カード効果、そして何よりこの場にも働いているアイドル空間“第一位”の特殊な『浄界』の作用により、この場に新しい法則(ルール)が追加されたのだ。

ゲーム『浄界』は、合意の下(もと)にあらゆる遊技を認定し、その承認する競技は対等の戦いを原則としている。

よってここでの振る舞い(アクション)は、即座に観測(チューニング)に反映され、“下層”に位置付けられたまた別の“部屋”へと反映されていく。

 

かくして、札(カード)部屋はそのまま実況解説となり、勝負の行方は“サウナ部屋”へ、そこで睨(にら)み合う“バスモデル・ラクルラール”と地下アイドルユニット『ちゃんこ9』に託されることと相なったのだ!

 

 

札部屋での猛反撃。

時刻は、その少し前に遡る。

 

ここは、サウナモデルルーム。

SUMO・サイバーカラテアイドルである『ちゃんこ9』が、女教師人形の一人・サウナラクルラールと戦っている部屋である。

だが、その戦況は酷(ひど)く悪い。

『ちゃんこ9』のメンバーは、女教師の斬新な戦術によって6人までもが次々と敗(やぶ)れ、もはや残るのは新人のモニ子ただ1人となってしまったのだ。

サウナでの対決は、アイドルアピールを盛り込むという理念によって改変(ハック)され、ただの我慢比(がまんくら)べから、ラクルラールの本領であるファッションショーへと変貌(へんぼう)していた。

 

恐るべきことに、あの人形はほんの少しのタオルの巻き方の変化だけで大旋風(バズ)を巻き起こし、その未来的としか言いようがない感覚(センス)で、SUMOアイドルたちを圧倒してきたのだ。

 

 

 

 

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