幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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288話 太陽と月の挑戦② その2の121の途中まで

そして彼女は呟きから一転、今度は声を張り上げ、

 

「“妹”の失態は、この試合(たいけつ)にて晴らさせていただきましょう。モニ子さん、先程愚妹(ぐまい)が申し上げた通りです。私たちに今後も『ちゃんこ9』(チーム)の一員として共に闘(たたか)う資格があるのか、あなたにはそれを確かめる手伝い(サポート)をお願いしたいのです。私たちは、先程のあなたの試合(ライブ)に希望を見ました。どうか、この愚かな“姉妹”に贖罪(しょくざい)の機会を与えてくださいませんか。お願いいたします」

 

そして全く似ていない“姉妹”は事前に打ち合わせていたのか、揃(そろ)って深く腰を折り、頭を下げた。

 

当のモニ子は、突然の展開に目を白黒させていたが、ここで感情制御が発動。

その頭上に唐突に現れた“ネドシューラ”幻影(ヴィジョン)に骨ピコピコハンマー・義手(ハンド)で頭を殴られて、気を取り直す。

 

そして返答するに、

 

「はい!正々堂々と闘いましょう!」

 

と威勢のいい声。

彼女もまた『シナモリアキラ』

 

闘争(ファイト)の挑戦を受けることは、やぶさかではなかったのだ。

「ならば、まずは私の過去をお話します!こうした形式(マイクパフォーマンス)にモニ子さんは不慣れでしょうから、身を以(もっ)てお手本(ロールモデル)を示して差し上げますわ!」

 

「よろしくお願いします!」

 

まさに打てば響くような、後輩の返事。

それと共に、朱色の光が辺りを包み…気づけば世界はまた一変していた。

 

赤い鉄柱(コーナーポスト)張り巡らされた白いロープ、そしてもちろん四角いリング。

現れしは、見まごうことなきプロレスの舞台。

そんな闘技場の中に閉じ込められた後輩に対し、先輩は高らかに言い渡す。

 

「タッグマッチ形式なので、まずは私から攻(せ)めさせていただきます!形としては二対一となりますが、よろしくて?」

 

それに対し、

 

「はい!私は『シナモリアキラ』そして『ちゃんこ9』ですから!タッグは既に成立しています!むしろこちらの方が多いくらいでしょう!」

 

論理を成さないような、意味がよく分からない回答が返される。

しかしそれを聞いた巨大縦ロールの美女は、満面の微笑(ほほえ)みを浮かべた。

 

「良いお返事ですわ!あなたには、常に“九人目のメンバー”がついていることを、忘れないでくださいまし!」

 

強くうなずくモニ子。

その表情を見定めたノーブルは、間髪入れず次の挙動(ふるまい)へと移行した。

また朱色の光が走ったかと思えば、その背後に巨大な画面(スクリーン)が現れる。

それに映し出された光景を見ながら、先輩は手元に出現させたマイクを、強く握り締めていた。

そう、これこそが…

 

「私の物語、過去回想(メモリーボム)ですわ!」

 

そして彼女は、そのまま大きな声で己が過去の経歴(エピソード)を語り始めた。

それは…

 

「私、『ノーブル』は『地下』育ちの難民二世で元プロレスラー。第五階層の地下プロレスと元祖シナモリアキラ様への刺客となったための死(はいぼく)を経て、再生者として今に至ります。あ、ちなみに転生者でもあって当時の名前はディルトーワ。総長(ラプンシエル)の前世の夫でもあるラブディ王国の始祖ですわね。なので、怖いものは竜、特に総長とその半身(アレッテさま)ですわ!以後お見知り置きを!」

 

物凄(ものすご)い速さで一気に終わった。

 

「え、あれ…?」

 

当然、呆気(あっけ)に取られる後輩(モニ子)

そして、何故(なぜ)か自慢(じまん)げにしていた先輩(ノーブル)の方はといえば、

 

「一気に詰め込みすぎですよ!」

 

と、批判(ツッコミ)を入れられていた。

 

声に続いて、片手に巨大…に見える紙剣(ハリセン)を持った兎が、白鳥跳躍(スワンダイブ)でコーナーポスト経由で飛び込んで来る。

 

彼女こそが、いまやらかした縦ロールの“姉”(エルダー)であった。

 

その“姉”は、空中でさらに跳(は)ね、複雑な回転によって更に勢いを加速させてから…

 

スパアアアン!

 

と快音を上げて紙剣で“妹”を殴りつけた。

 

「い、痛いですわ」

 

頭を抱えてうずくまる“妹”

それに向かい、再びコーナーポスト上に舞い上がっていた兎から一言。

 

「他人に説明をするときは、順序良く一度に出す情報量を絞るべきでしょう。特にそれが、己の過去回想となれば尚更(なおさら)です。結局は『自分語り』ですからね。独善的にならないように、常に気配りを忘れないことです」

 

「は、はい…ご教授感謝しますわお姉様…」

 

と、うずくまりながら謝罪する金髪巨大縦ロール先輩は、髪に覆(おお)われてまるで新種の珍獣のようだ。

実際、既にネットにはそんな感じの念写コラ画像が大量に出回っていた。

 

「あ、あの…」

 

ここで思わずモニ子が声をかけるが、

 

「放っておきましょう。“馬鹿につける薬は、かの製薬魔女(ペリグランティア)でさえ作れない”と言いますからね。暴走恋人達(バカップル)についても以下同文です。ましてや、自己愛(ナルシシズム)となればこれはもう手がつけられないと言うべきでしょう」

 

と、“姉”は槍もほろろである。

 

 

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