幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

3 / 272
第3話(4の途中まで)

「なぜだ!なぜお前がこんなところに!」

 

「なに、気にすることはない。【サイバーカラテ】(シナモリアキラ)は、いつでも必要とする者のところに現れるというだけのことだ。

顔のように見える岩や天井のシミ、蟹の甲羅に至るまで、そこに『サイバーカラテ』を見出し必要とする者が現れれば、俺はそこに姿を現す。選択と決断を必要とし、力や仕事をアウトソーシングしたい者のところに来るわけだ。言ってみれば俺は"自動的"なんだよ」

 

「くっ…槍神教なんかの支配を受けてないから、【奇跡】認定によってまがい物が排除されたりしないのか!このボウフラ紀人め!」

 

「ボウフラとは酷いな。俺はあくまでお前の意識の反映に過ぎない。言ってみれば洞窟の反響のようなものだ。

スマートスピーカーアキラくんとして、気軽に命令してくれて良いんだぜ。『アキラ、室温を変えて下さい』とか『アキラ、スケジュールを教えてくれ』とかな」

「アキラ、自害しろ」

 

「ぐふっ!」

 

シナモリアキラ】は、即座にラリスキャニアの命令に従った。

その反応は速く、自分をためらいなく傷つけたその行動は、まさに自動的であった。

だが、そんな【アキラ】の表情は奇妙だった。

絶命の苦しみがありながらも、その中に妙な穏やかさというか、安らぎがあるようだったのだ。

 

それはまるで、前々から自害の命令を待ち焦がれていたかのようであった。

その態度がなんだかムカついたので、ラリスキャニアは、再び悪魔(アキラ)触手を再生させることにした。

自分が苦しんでいるのに、コイツだけ楽に逝かせてなるものか。

 

ハロー世界!こんにちは、あなたの【アキラ】触手です!お呼びとあらば即転生!」

そしてすぐに後悔した。

ラリスキャニアの中にある【シナモリアキラ】のイメージのせいか、この触手、やたらとウザかったのである。

 

「おちゃらけは良い。さっさと役割を果たせ。あんまり長引くとラプンシエルの【シナモリアキラ反対運動】に気づかれるおそれがある。女子ネットワークの反感を買うと後が厄介なんだよ」

「出禁なのは知ってたが、アイドル迷宮の中じゃそんなことになってたのか…」

「いいから早く」

 

「謎のスパゲティを食べるか食べないかで悩んでいるようだが、お前の悩みの本質はそこじゃないよな、ラリスキャニア。他のアイドルに対抗するために、ありとあらゆる手段を試してきたお前だ、今更パワーアップアイテムの一つや二つで悩みはしないだろう。

『シナモリアキラに近づくかどうか』お前が恐れているのは、それだ。」

 

「む。それは確かに」

 

「『シナモリアキラのように勝利するための力を外部依存してしまえば、それは結果的に自己を喪失し、シナモリアキラのキャラ性に呑み込まれることになってしまうのでは?』それを恐れているのだろう?

だが、そんなことを悩む必要はない。悩まなくて良いんだ」

 

「なぜ、そんなことが断言できる?」

不審げに聞き返すラリスキャニア。

 

「なぜなら…お前がさっき考えたとおりアイドルとはアイコンに過ぎないからだ。

どんなアイドルであろうと、その存在は何らかの企画や組織に依存し、その力は外部からもたらされていることには変わりないんだ。大企業や国家を基盤に持つと同時にそのシンボルである【空組】、槍神教の支援を受ける【歌姫Spear】うずめやクレイにしても例外じゃない。

アイドルとは、いわば部品(パーツ)だ。それ単体では力を発揮できず、そこに価値を見出す支援者やファン、そしてそれらを一体として動かす企画(プロジェクト)の出力端末となって、初めて機能するんだ」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。