幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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第4話(4の最後~5の途中)

 

 

「待て、それならボクの”部品としてのありかた”がシナモリアキラに近づけば、結局ボクはシナモリアキラになってしまうのではないか?」

 

「いや、それはちょっと違う。たとえお前が結果としてシナモリアキラになってしまったとしても、それならそれで”お前しかなれないシナモリアキラ”になれば良い。

同じシナモリアキラと言っても、オルヴァやカルカブリーナ、マラコーダなどそれぞれに個性はあるし、それぞれの”演じ方”にも違いはある。”反シナモリアキラ運動”とやらをやっているラプンシエルだって、シナモリアキラだろう?お前はお前のままで良いんだラリスキャニア。

シナモリアキラになっても、お前がお前自身であることは失われない。それで足りなかったりズレがあったとしても、それは全部外部に問題解決を委託(アウトソーシング)すればいいだけのことだ。それこそが、【シナモリアキラ】(サイバーカラテ)なんだよ」

 

「そうか…」

 

「俺は正式な【シナモリアキラ】ではなく、お前の記憶を元に再演されている劣化した(デッドコピー)【シナモリアキラ】でしかない。だが、それでもなんの問題もない。そもそも、【シナモリアキラ】とは既に何度も死んでいて(デッド)複製(コピー)された存在だ。

今更それが一回や二回、一人や二人増えたところで、【シナモリアキラ】のキャラクター性にはいかなる変動もない。それこそが、【シナモリアキラ】の【自己同一性】(アイデンティティ)だ。そして、それはお前も同じだろう?」

 

「ボクが?」

ラリスキャニアは、自分を指差して不思議そうに聞いた。

 

「そうだ。お前が何をやっても、お前がラリスキャニアであることは変わらない。お前が成功するためにどんな手段を用いたとしても。成功のために、あらゆる手段を取ってきたのがラリスキャニア(おまえ)という存在だからだ」

 

「ボクという存在…その定義」

 

悪魔(アキラ)触手は、ニヤリと笑うと主人(ラリスキャニア)の決断を後押しするために、最後の後押しをすることにした。

「だからラリスキャニア、お前は、やりたいようにやれば良い。そのために必要な手段がどれだけ【シナモリアキラ】的であったとしても、お前はそれを恐れる必要はないんだ」

 

「そうか、そうなのか…」

 

悪魔触手の言葉を聞きながら、目をつぶって頭の中を整理していラリスキャニアだが、この最後の言葉を聞いてようやく瞼を開き、動き始めた。

懐からピンク色のケースを取り出し、そこからさらにマイフォークを出す。

そして、ついに青色のスパゲティを口に運ぼうとした。

 

それを見て、満足げに微笑む悪魔触手。

だがその時、彼女のその行動に、またもや割り込むモノが現れた。

 

「少し、少しだけ待って下さい」

 

頭の中に直接響く声、もしやと思って振り返れば、その身体はまたしてもラリスキャニアと接続して(つながって)いる。

猫の耳、白い羽、黒いローブ。

そして何よりその眼は美しく澄んでいた。

まるで、山の奥に人知れず存在する湖のように。

 

悪魔触手に対抗する存在、天使(ねこみみびしょうねん)触手の出現である。

 

 

 

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