幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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第48話(39の途中まで)

「まさにそこから、陰謀の匂いがするとでも言いたいのかい?」

 

「馬鹿馬鹿しく聞こえるかい?『上』は陰謀だらけで、クロウサーの意向次第でどうにでもなる。そんなことは、『下』の幼児ですら知っている当たり前のことだからね。でも、ボクには、それらの事実がたった一本の"糸"にてつながっているように思えるんだ!」

 

その叫びと共に地下アイドルは、教卓を叩いた。

それに合わせて、彼女の背後に映る画像が切り替わる。

大きな木。

もちろん、それだけでは終わらない。

 

それを背景に男性の伸びやかな歌声が響き渡る。

更には、そのメロディに乗って、映画のスタッフロールのように無数の文字列が下から吹き上がり始めたのだ。

その列が示すのは、いずれ劣らぬ大企業の威名。

それらは、競い合うように頂点を、樹上を目指す。

 

猛烈な上昇意欲。

 

それと共に、いくつもの念写画像(スクリーンショット)が、画面の中に浮かび上がる。

木を切る者、枝を落として丸太にする者、乾燥させ製材して材木にする者…

 

それらに加え、人体らしき形をした樹木の生皮を剥ぐ者や、切り刻んで煮込んで紙にし、兎の配達員に手渡す者、まるで指のような枝にはまったままの指輪を競売にかける者、籠に入った木のようなヒトガタを台車に載せて売り歩く者たちまで、映像には、次々と映し出されてきたのだ。

 

それは、それぞれ提携しあい、また競合関係にある企業たちによる、労働の光景であった。

それらの映像は、それぞれ社名と同じ色の枠で囲われ、押し合って自社以外を弾き出そうとしたり、他の枠を吸収してより大きくなろうとしながら、どれも迷わず上を目指し続けていた。

 

その勢いには、まるで、終わりが無いかのようにすら見える。

 

けれど、その上昇には限界があることも実は最初から分かっていたのだ。

なぜなら、樹上には、頂点には決して誰にも超えることが出来ない天井が、玉座が存在しているからだ。

 

いつの間にか、いや、きっと全てが始まるその【紀源】からずっとそこに在ったのであろう、偉大な存在。

 

樹上に燦然と輝くその偉大なる名を、“興行主”は、一息に呼ばわった。

 

「クロウサーグループ!」

 

そのときにもなると、画面に残っていたのは、か細い枝が一本だけだった。

それも三角帽子と箒を組み合わせた社章(エンブレム)が現れると共に形を変える。

多数の細い枝を一点にまとめ、目的のために奉仕させる形と成したのだ。

 

すなわちそれは、箒となった。

 

その箒がひとりでに動き出し、塵を吐き出すとそこでCMが終了したらしく、画面が切り替わった。

次の画面では、スーツに身を固めたニュースキャスターが、第四階層がそろそろ攻略されるとかどうとかという古びた情報を、こだまのように唱えていた。

 

だが、それに興味がないらしい地下アイドルは右手を大きく振って映像を片付け(スワイプ)すると、目の前の『本体』を指差したのだ。

 

そこで彼女は、更に叫んだ。

 

「加えて言おう。なぜ、クロウサー家は、アイドル歌姫『Spear』を支援したんだ?

『星見の塔』の魔女であり、月の姫であり、何よりなぜか、槍神教の異端審問官でもある、そんな彼女を!

 

確かに、現役アイドルが、複数の肩書きや副業を持つのは珍しいことじゃない。

 

だが、これを箔付けや家庭の事情に過ぎないとするのはいくらなんでも無理がありすぎないか?

それらの疑問を一挙に解消できる答えは…おそらく、一つだけだ!」

 

そして、一息でその答えを言い切った。

朗々と響く彼女の声は、狭い教室の中を、まるでコンサートホールであるかのように響き渡る。

 

「クロウサー家、いや、『空使い』リーナ・ゾラ・クロウサーによる『アイドル世界化計画』アイドルによる文化侵略こそが、その目的だっただよ!それこそが、全ての答えだったんだ!」

「な、なんだってー!!!」

 

大げさに驚いてみる『本体』

だが、そのリアクションには、続きがあった

 

『本体』は、即座に問い返したのだ。

「で、その話、『証拠』(ソース)はあるのかい?その世界征服計画のリーナちゃんが、世界を美味しく美味しく食べる調味料はさぁ?」

 

 

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