幻想再帰のアリュージョニスト二次創作「コルセスカさん変形する」【togetterでも投稿中】   作:鳳卵

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第68話(55~56の途中まで)

声を上げたのは、またしてもラリスキャニアだ。

彼女は、予想外の格上への勝利(ジャイアント・キリング)を成し遂げ、ぼうぜんと立ちつくしていた。

…そのはずだった。

 

が、気づけば見える景色がおかしい。

正面にいるラクルラールは変わらないが、その姿がやけに大きく見えるのだ。

 

しかも、なんだか身体が冷たく、あたりもなんだかほこりっぽい。

 

まさか、巨大化か?

確かに、ラクルラールは間違いなく『巨人』の位階にいる人物ではある。

それは、その巨体の残骸、すなわちこの学園都市が、廃墟となってもまだ第五階層の夢領域に残留している事実からも、容易に証明出来る。

 

だから、あの陰険女教師が、今更になって巨大化したり『浄界』を再形成したところで、おかしいことは何もない。

 

だが違う。

 

これは、ラクルラールが大きくなったのではない。

その逆だ!

 

地下アイドルは、身体を押し上げる圧力を感じ、自身が置かれた現状を把握した。

恐るべきことに、彼女はいつの間にか…

 

「攻撃したボクの方が、床にはいつくばっているだと!」

 

ぱち、ぱち、ぱち、とその驚愕を歓迎したのは、響き渡る拍手だった。

 

「そう、『逆転』だ。私には、是非ともそれを演出する必要があったのだよ」

 

おかげで、とんだ手間をとらされた。

そう、ひとりごちる女教師に対し、地下アイドルは、またも食い下がろうとした。

 

だが…

 

「……?……!……!……!?」

 

「何もしゃべれない。なあ、そうだろう?」

 

声が、出なかった。

その原因も、また明らかであった。

ラクルラールの拘束が、さらにその強度を増していたのだ。

 

ぱち、ぱち、ぱち、とその驚愕を歓迎したのは、響き渡る拍手だった。

 

「そう、『逆転』だ。私には、是非ともそれを演出する必要があったのだよ」

 

おかげで、とんだ手間をとらされた。

そう、ひとりごちる女教師に対し、地下アイドルは、またも食い下がろうとした。

 

だが……

 

「……?……!……!……!?」

 

「何もしゃべれない。なあ、そうだろう?」

 

声が、出なかった。

その原因も、また明らかであった。

ラクルラールの拘束が、さらにその強度を増していたのだ。

 

いまや、地下アイドルは完全に身動きを封じられていた。

『本体』の変形した巨大な鳥籠。

青い糸による心身への呪縛。

 

それに重ねて、なんだ、この…何かを奪われたような脱力感は?

 

「この地下アイドル迷宮には、先の戦いで厄介な性質が付属してしまっていた」

 

そんなラリスキャニアを放置して、女教師は、またとうとうと語り出した。

 

「それは、『落下した者はそれだけ上昇する』という法則。

いわば、『逆転』の概念だ。

 

それ自体は、この後に絶対に必要なモノではあるのだが……どうにも、今の私には邪魔だった」

 

だから、それを『逆』に利用させてもらったというわけだ。

そう言って、ラクルラールは、にんまりと笑う。

 

その笑みは、まさか今どき幼児でも喜ばないような氷結冗句(オヤジギャク)を、一人で楽しんでいる、というわけでもあるまい。

 

呪術、特に『呪文』の業界(セカイ)では、言葉遊びなど基本中の基本だ。

この程度の手腕を、自慢する者などまず居まい。

 

確かに、ラクルラールが、『呪文』の達人や上級言語魔術師だという話などは、全く聞いたことはない。

もしそうであるなら、例の広告で大々的に宣伝していたはずだ。

 

いくら『広告』を駆使したとはいえ、そもそもあのシナモリアキラと組み合って戦ったという時点で、その呪文戦能力はたかが知れている。

その弁舌は、高く見積もっても機械女王を上回ることはないだろう。

 

だが、だからといって、わざわざそんな低レベルな遊びをするとも思えない。

 

ならば、彼女はなぜ笑っているのだ?

そして女教師はどうして、明後日の方角を向いて語っているのだ?

 

敗北したラリスキャニアを『無視』して、上下関係を確定させようとしている……だが、本当にそれだけか?

この言動、どこかで見たことがあるような……?

 

地下アイドルは、頭がもうろうとしたまま、不可解な謎について考え込んだ。

 

「目はどうだ?痛くはないか?」

 

そして、ラクルラールは相変わらず奇妙なことばかりを聞いてくる。

 

目、だと?

 

そういえば、確かに…

 

「…!」

 

「どうやら、上手くいったようだな」

 

そう笑みを浮かべる女の手の上には、これまたいつの間にか、一つの不思議な球体があった。

それは、不思議な光を放ち、その瞳には、

 

十字の、輝きが……

 

「そうだ。お前は大した器ではないが、ブレイスヴァとマロゾロンド、その両者の霊媒足り得る資質はある。

本人がいかに無力であろうと、相似性が呪力を発生させることに変わりはない。

もしそこへ、この迷宮の『逆転』が加われば、面倒なことになるのは避けられないからな。

だからこうして、あえて敗北を演出する必要があったわけだ」

 

その言葉と共に、ラクルラールは、手の中の義眼を月のように浮かび上がらせ、自身を照らし出した。

 

 

するとなんと、その全身も、青い糸でくまなく覆われているではないか!

 

(操作の呪糸の応用……自己精密操作か…!

まるでシナモリアキラみたいな…)

 

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