七年前、宇宙より巨大隕石が飛来し、東京の渋谷の街を一瞬で壊滅させた。
宇宙からのプレゼントはそれだけでなく、ワームという地球外生命体をも連行していた。
ワームは、地球を侵略せんと、人間に擬態し、オリジナルの人間を殺戮し、記憶を完全コピーして、本物に成り代わって街に溶け込んでいた。
それから時が経った現在、ワームは着実にその数を増やしていた。
「遅刻だぞ」
出勤に遅れた蓮太郎はその言葉に、「すみません」と、返事をする。
蓮太郎がいるのは、港湾エリアで、ZECTの戦闘部隊が複数のワームと対峙している戦場だった。
蓮太郎はカメラを使って、戦闘の様子を撮影している。
戦闘部隊が対峙しているワームは、緑色の怪物で、サリスと呼ばれるサナギ体だった。
サリスは体を赤く変色させると、脱皮をしてアラクネアワーム・ルボアに変態。クロックアップという目にも留まらない超高速移動で戦闘員を翻弄する。
「うわああああ!」
「ぎゃああああ!」
宙に舞う戦闘員たちから、悲鳴が聞こえる。
「どこだ? どこにいる?」
ワームのクロックアップは人間の肉眼では視認できず、発動されたら最期、死亡リスクは急激に高くなる。
「クロックアップか」
もちろん、蓮太郎の構えるカメラでも、ルボアの姿は捕えることができなかった。
「退け!」
戦闘員は退却を余儀なくされる。
蓮太郎はワンボックスカーに乗り込み、仲間と共に現場を離れた。
「芳賀さん」
蓮太郎は基地に向かう車の中で、上司の
「マスクドライダーシステムの完成はいつなんですか?」
「マスクドライダーシステムか。完成はしている。だが、あれはシステムを起動するゼクターに選ばれなければ、使うことはできん」
「俺じゃ、無理ですかね?」
「さあな」
そう答えて話を終える芳賀。
同じ頃。
自宅のガレージで、
「さて……」
バイクを綺麗にした健は、掃除道具を片付け、CBR1000RRを駆って外出した。
向かった先は、恋人の
秋山家から、玲奈が出てくる。
玲奈はヘルメットを被ると、バイクの後部に跨る。
「掴まってろよ」
健がクラッチを切り、シフトペダルを一速に入れ、半クラッチでバイクを走らせ、ギアを繋いでアクセルで加速させていく。
二人が向かうのは、埼玉県の東武動物公園である。
その様子を、高台の上から見下ろすルボア。
ルボアは、手下のサリス二体を、健と玲奈に擬態させようと、企んでいた。