ドラえもんが転生者で後天的にTSしてメスガキ化してのび太くんの性癖をぶっ壊してしまった話。

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ドラえもん「ボクがメスガキなせいでのび太くんの性癖破壊しちゃった♡」

 チンチンないなった。

 

 そう、あれはボクが生まれて数年後くらいの時だ。

 

 未来デパートでセワシくんに買われて、ボクがお昼寝していると憎き灰色をした奴らがどことからともなくやってきて、ボクのあそこは無惨にも食い散らかされてしまった。

 

 そんなことされて起きないのかだって?

 うるせーよ。原作補正の力でも働いたんだろ。

 

 種を明かせば簡単なことで、うっかりスリープモードにしてしまったボクは時間がくるまでは目覚めないまさにロボット仕様だったわけで、鼠どもにかじられようが、命の危機にさらされない限りはそうそう起きなかったというだけのことだ。

 

 マジ顔面蒼白になったね。いや、物理的に青くはならんかったが、血の気が引くという経験をさせてもらった。お礼に鼠はこの世界から抹消してやったよ。どくさいスイッチを使ってな……。

 

 まあ、そんなことはどうでもいい話。

 

 しかたがないので、セワシくんはボクを女の子に改造した。

 

 もともと小柄で小学生くらいの体型の美少年ボディだったのが、信じられないくらいの美少女ボディに生まれ変わってしまったということだ。

 

 素養としては、もともとあった。

 チェシャ猫のような――というべきか、どこか妖艶な雰囲気をまとった小学生くらいの矮躯。

 未発達なところと、しなやかな身体は間違いなく子猫を素体としていることを思わせた。

 

――猫みたいな身体。

 

 猫型ロボット。

 

 半端に原作準拠なのである。もちろん寸動鍋のような例の身体ではなかったが、ボクだってアホじゃないから、ここがどんな世界かはもちろんすぐにわかった。

 

――ドラえもん。

 

 説明するまでもない国民的アニメだ。

 

 セワシ君という重要人物の名前や、未来デパートに売ってる様々な秘密道具の数々。

 そしてボク、ドラえもん。

 これでわからないんだったら日本人じゃないと言いたいね。

 

 たださ。最初は美少年ボディだから油断したところはあるな。

 いくらなんでもかじるところないから大丈夫だろと思っていたんだ。

 

 それがまさかのおてぃんてぃん。

 想像できるわけねーだろって話。

 いまでは下半身がないってだけでなく、全身をほぼ換装した形になる。

 蒼目蒼髪、たぬき顔。

 身長は129.3センチ。

 手を丸めると、子猫みたい。シュシュ(空を殴る)。

 足はすらりとしていて、肉つきもほどほど。

 上はスウェット、下はスカート。

 スカートには例のポケットにスペアポケットのダブルぽっけ。

 つまり、かわいい。

 ロボットだからこそできる幻想的美少女。夢いっぱいつまってる感じだな。

 わたし、わたしが不思議。

 そんなわけで、ボクはメスガキになったってわけ。

 

 

 

 

 

 

「本当に行くの。お兄ちゃん」

 

 ボクはコクリと頷いた。

 目の前で過去に向かうボクを見送るのはセワシくんと妹のドラミ。

 ドラミはこれまたクソかわいい美少女で、ボクが元々少年タイプだったことを知っている。

 だからお兄ちゃん呼びだ。

 

――いわゆる原作沿い。

 

 いちおう原作を知らないやつのために説明すると、ボクの使命は過去に行って、セワシ君の先祖であるのび太のもとに行き、人間的成長を促すことで、セワシくんの生活を向上させようという話だ。それって時間犯罪じゃね?

 

 いやまあ、長編映画を見たことがあるやつならわかると思うが、地球人類狙われすぎ問題があるからな。ドラえもんが介入しなければこんな平和な未来はなかったはずで、のび太たちが救った世界は数知れない。つまり、人類史の中でドラえもんの介入は歴史のなかに折り込み済みだという説がある。だから、未来警察も見逃しているのではないかと。

 

 ボクも人類が亡びるのは寝覚めが悪いし、のび太たちのいた現代社会ってやつにできれば戻りたい。郷愁の念ってのはいつまで経っても消えないものだからな。

 

 そんなわけで、セワシくんの計画にのっかる形で、ボクは過去に向かうことにしたのだ。

 

「ちょっとイク♡」

 

 ちょっとイッてんじゃねーよ。

 

 

 

 

 

 

 それにしても野比家のおおらかさよ。

 

 突然、美少女が勉強机から現れても、なんなく居候ポジに収まってしまった。

 もしかすると、これも原作補正ってやつなのかもしれない。

 

 いまではのび太とも、一つ屋根の下。

 むしろ同じ部屋で暮らしているといってもいい。

 押し入れの中がボクの寝床だ。

 ……これって児童虐待じゃね? いやべつにいいけど。

 なんか狭いところが落ち着くんだよな。

 

 さて今日ものび太と戯れることにするか。

 

「の・び・太くぅん♡ 朝だぞ♡ 起きろ♡」

 

――少しだけ誤算だったことがある。

 

 メスガキに改造されてしまったボクは身体だけでなく心もメスガキになってしまった。

 小学五年生のショタのことを、なんとなくメチャクチャにしてやりたい衝動に駆られてしまうんだ。誰だよ、こんなんしたやつ。原作者に謝れ。

 

 そんなわけでのび太くんがいつもみたいにスヤスヤ寝ていたところを――。

 ()()()するボクなのである。いや朝這いが正しいか。知らんけど。

 

 のび太は眠りの術に長けている。

 確かゼロコンマの世界で眠れる天才じゃなかったっけ。

 そんなわけでのび太くんの寝つきはとてもいい。

 朝もなかなか起きない。

 布団を敷いて寝ているのび太くんの顔を見ると、口角がつりあがってしまう。

 

「のび太くん起きろよざぁこ♡ はやく学校へイケ♡」

 

 のび太の育ち切ってない身体にボクの肢体を重ねるようにしながら、胸元に手をあてて耳元でささやく。ショタの匂いで頭狂いそう。

 

「イケ♡ イッちゃえ♡ 無様な大人になる前にガンバレ♡ ガンバレ♡」

 

 ロボットというのは使命感を所与のものとして設定されていると思うんだよな。

 ドラえもんの使命はもちろんのび太を更生させること。

 ボクの使命が果たされるたびに、ボクの中にゾクゾクとした快感が駆け巡る。

 

「ん~。むにゃ……むにゃ」

 

「ほら早くしろ♡ 早くしないとボクがパジャマ脱がせるぞ♡」

 

「う、うわッ。ど、ドラえもん……いきなり顔を近づけて来ないでよ!」

 

 もうほとんどキスしちゃいそうな距離だったからか、のび太くんはびっくりして飛び起きた。

 かわいいね♡ 寝ぐせついているよ。

 ボクはのび太くんの寝ぐせを撫でつけながら、にこりと微笑む。

 のび太くんは顔を赤らめながら、ようやく布団からモゾモゾと起きだした。

 

「ドラえもん。何度も言ってるけど着替えるから出てってよ」

 

「女の子に下着見られるだけで恥ずかしいんだ♡」

 

「当たり前だろ。僕だって男だ」

 

「確かにボクがお風呂から上がったあとに、いつもチラチラ見てるしね♡」

 

「ドラえもんが下着姿でうろつくから悪いんだろ」

 

「ロボットだから問題ないよ。あれれのび太くんはロボットにえっちな視線を向けちゃうんだ」

 

「し、しかたないだろ。ドラえもんはかわいいし……」

 

 あ♡ 多幸感がすごい♡

 

「ふふ、学校から帰ってきたらいっしょに遊ぼう♡」

 

「あ、う、うん。なにを?」

 

「ふたりでできることだよ♡」

 

「え……」

 

「くんずほぐれつの……」

 

「ごくり」

 

「あやとり」

 

 

 

 

 のび太くんが学校に行ったあとボクは完全ニート状態だ。

 家事はママさんがやってくれるし、漫画でも読んで時間をつぶすしかない。

 でもその前に――。

 のび太くんが寝ていた布団にダイブする。

 ボフン。あ、のび太くんの匂いに包まれる。

 ダメになるやつだ。ボクダメになっちゃう。

 あ。あ。あ。

 

「のび太くうううううぅぅぅぅん♡」

 

 

 

 

 

 

 のび太くんが学校から帰ってきたら、約束通りあやとりで遊んだ。

 そうしたらママさんがやってきて、おやつのどら焼きを持ってきた。

 言うまでもないが、ボクの大好物である。

 

 しかし、ママさんも酷なことをする。

 どら焼きの数は三つ。

 ボクとのび太くんはふたり。

 どうしよう。割り切れない♡

 

「のび太くん。残ったひとつはどうしようか」

 

「ドラえもんにあげるよ」

 

 のび太くんは優しい。

 ダメなところもたくさんあるが、人に優しいところがのび太くんの一番の長所だ。

 

「頭わるーい♡ こんなのふたつに分けちゃえばいいのに♡」

 

「ドラえもんの好物だからだろ」

 

 少し不貞腐れるのび太くん。

 

「ふふ。ちょっと言ってみただけ。ほら半分こしよ♡」

 

 もぎ。どら焼きをふたつに分けて、のび太くんと共有する。

 

「う、うん」

 

「あ、ほっぺたにどら焼きついているよ。もったいない♡」

 

 のび太くんの頬をついばむようにしてどら焼きを回収。

 照れくさいのか、頬に手をあてて恥ずかしがるのび太くん。

 おいしかったよ♡

 

 

 

 

 

 

 それからのび太くんは宿題もせずに漫画を読んでごろごろしている。

 

「ねえ。のび太くん宿題はしなくていーのぉ?」

 

「果報は寝て待てって言うだろ。慌てない慌てない」

 

「ふぅん。今日テストだったんだよね。ママさんには見せなくても大丈夫?」

 

「いつ見せても怒られるんだから、あとで見せたほうがお得だろ」

 

「そんなんじゃ、ろくな大人にならないゾ♡」

 

 ボクはランドセルの中に乱雑につっこまれているテスト用紙を取り出した。

 

「やめてよ。ドラえもん」

 

「これはのび太くん。君のためなんだ♡」

 

 それにしてものび太の点数はひどい♡

 赤点のない小学校だからなんとかなっているが、中高だと補習確定だな。

 

「21……13………5。恥ずかしくないの? ねえ……」

 

「うるさいなぁ。ほっといてくれよ」

 

「3……2……1……0♡ ゼロ♡ ゼロ♡ ゼロ♡ 勉強しろ♡ 勉強しろ♡ あはは!」

 

「僕が勉強できるわけないじゃないか……」

 

 いやあきらめるなよそこで……。

 

 

 

 

 

 

 あれからいろいろなことがあった。

 

 宇宙を探検したり、魔界にいったり、巨大ロボットで戦ったり、海底探索したり……。

 

 そんな中で、のび太くんも少しは精神的に成長できたと思う。

 

 育まれた仲間との絆。そしてボクとの友情。かけがえのない時間だった。

 

 名残惜しいけど、そろそろお別れだ。

 

 部屋の中に夕陽がさしこんでいる。

 

「ドラえもん行かないでよ」

 

「ダメだよ。ボクに頼りきりだとのび太くんは大人になれないんだから」

 

「大人……大人ってなんなのさ」

 

「さあ。少年時代はいつか終わるものだけど、それがいつ終わるかは自分自身にもわからないんだよ。気づいたら過ぎ去っている遠い日の電信柱の影みたいなものさ」

 

「追い越すよ」

 

 のび太くんがボクに一歩近づく。

 少しだけ成長していたのび太くんはいつのまにかボクの予想を超えていた。

 

「いま追い越すんだ!」

 

 夕陽に照らされて、少年の顔は赤々と燃え盛る火のように輝いている。

 

「のび太くん……」

 

 感慨深い。あれだけダメダメだったのび太くんがまさかここまで成長するなんてね。

 少年が大人になるのは早いなぁ。

 

「だから行かないでくれよ。ドラえもん」

 

 あ、押し倒されちゃった♡

 

 って!?

 

 あ、あれ!?

 

 これって大丈夫なやつなんだっけ。

 

 大人になるの早すぎない!?

 

 ちょ、ちょっと待って。のび太くん。これタイムパラドックスが。

 

 未来が壊れちゃう。未来がわからせられちゃう。

 

 えと、マルチバース理論からは大丈夫なんだっけ。

 

 あ――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 野比家は断絶した。

 

 

 

 完。


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