ソードアート・オンライン~白の銃士と血の喰種~   作:碧桜琥珀

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現状

悲鳴。怒号。絶叫。罵声。懇願。咆哮。

たった数十分でプレイヤーから囚人へと変えられてしまった人間たちの叫びを背に、俺は笑っていた。

買った剣を装備し、俺は雄たけびを上げて人込みを抜けて駆け出した。

始まりの街を抜けて、俺は広大な草原と森の中へと突入し、モンスターを狩って行った。

 

あの日から一か月が経った。

もう既に二千人近くのプレイヤーが死亡している。

残ったプレイヤーは大きく四つに分けられている。

一つ目は約半数を占めるが、茅場晶彦の言うことを信じず外部からの救出を待つ者だ。

彼らは『はじまりの街』から出ず、初期で貰った金――この世界では『コル』という単位――を少しずつ使い、日々の食料と安い宿に泊まって待機している。

しかしそんな状態がいつまでも持つ訳がなく、今ではある程度行動を起こしているようだ。

二つ目は全体の三割ほどの、協力して前向きにサバイバルを目指そうというグループだ。

モンスターを狩ってはアイテムをそれぞれ分けて、誰が呼んだか『軍』という呼称が与えられている。

三つ目は一割ほどの、初期でコルを使い果たし、しかしモンスターと戦うわけでもなく、食い詰めた者たちだ。そいつらは仕方なくギルドに入ったり、PK(プレイヤーキル)をしていたりしている。

因みに、ゲーム内でも生理的欲求はある。

睡眠欲は勿論のこと、食欲も性欲もある。

ベットに潜れば眠くなるし、時間が経てば腹も減る。ときにはムラムラすることもあるだろう。

だがどれも溜め込んだからといって支障をきたすことは無いが、欲求が消えることもない。

最後に四つ目は、その他の者だ。

およそ500人でグループ数は50。集団はギルドと呼ばれ、軍にはないフットワークを生かし堅実な攻略と戦略増大を行っていた。

そしてその他のソロプレイヤー――俺もそこに属しているわけだが――は、グループに属さず、単独での行動による自己強化が最も有効と判断した人間たちだ。

『はじまりの街』にある黒鉄宮(こくてつきゅう)の、もとは『蘇生者の間』というところには金属製の巨大な石碑が設置されており、そこには一万人のプレイヤーの名前が記されている。

死亡したプレイヤーには横線が引かれ、死亡時刻と死因が記される。

最初に打ち消し線を戴いた栄誉あるバカが現れたのは、ゲーム開始から三時間後だったそうだ。

死因は自殺。アインクラッドの展望テラスにある高い柵を乗り越えて飛び降りた。

そして二分間の落下の末、死亡に至った。

初めの内は絶望していた人間たちだが、人というものは慣れるものだ。

一か月経つと一層目が攻略され、十日後には二層目も攻略された。

人々はかすかな希望を原動力に、攻略への道を拓いて行った。

 

それから二年。残りフロアは二十六、生存者六千人。

現状では、こんな感じだ。

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