ラグネ・カイクヲラで『一番』を目指そう 作:氷月ユキナ
……なんでそうなった。
とある喫茶店でリエルに学園での出来事を聞かされた私は、コーラをテーブルに置いて大きいため息をついた。
今飲んでいるこのコーラは、聖人ティアラが造ったらしい。けど、恐らくカナミのお兄さんの仕業だろう。完全に趣味の領域だよね。ありがたいけど。
「えぇー……それで? そのカラミアさんとはどうなったんすか?」
「えっとな、カラミアの下につくことになった」
「ほーん、どうしてそうなったんすか?」
「そうでもしないと、カラミアの誇りが保てないんだってさ」
あー、アレイス家の人らしいからなぁ。リエルがカラミアよりも下ということを周囲に知らしめて、威厳とかを保つつもりか。
それに。
『──この学院の絶対的支配者に私はなりたい』
カラミアはリエルに、そう言ったらしい。完全に自分の目的のためにリエルを利用する気だ。
「それで? カラミアの下で働くかわりに衣食住に、学院に必要な道具全てを支給してくれる……と。言葉だけ見ると綺麗っすけど、なんか胡散臭いっすね」
「それでも、ずっと宿に泊まってるわけにはいかないし、出費が抑えられるのはありがたかったからな。カラミアの『友人』になれたのは幸運だったと思う」
「……騙されない様に気を付けた方がいいっすよ」
「分かってる」
本当かなぁ……嫌な予感しかしない。
「執事としての仕事も大変だけど、なかなか楽しいぞ」
「…………んん!? え、執事してるんすか!? 誰の?」
「カラミアの」
「カラミアの!?」
ちょ、それは聞いてない! あくまでカラミアの傘下に入るだけだと思ったら……!
『神眼』ッ!
【ステータス】
名前:リエル・エルトラリュー HP455/455 MP224/224 クラス:騎士
レベル26
筋力9.93 体力9.22 技量5.07 速さ5.90 賢さ9.14 魔力7.06 素質1.80
【スキル】
先天スキル:属性魔法2.39 剣術2.27
後天スキル:神聖魔法1.05 武器戦闘2.37 魔法戦闘2.44
す、スキルに執事が増えてる……。
「傍に置いてるなんて……どっからどう見ても目ぇつけられてるっすよぉ……」
「後、次の休日はカラミアの実家に行くことになった。カラミアのお爺様の『剣聖』フェンリル・アレイスが俺に会いたいって言ってくれてるみたいでな」
「うぉぉいッ! 何してんの!?」
「ラグネー、〝っす〟を忘れてるぞー」
「どぉでもいぃっすよぉッ!」
え、どうすればいいのこれ!? 話聞く限りもう手遅れ感あるんだけど!?
「このままじゃカラミアが、フェンリルさんにリエルを「彼が私の恋人です」って紹介しちゃうっすー……」
「ははっ、そんな訳ないだろ。……ないよな?」
「…………」
「……マジで?」
「……恐らくマジっす」
「……マジか。何か、思いつく手とかあるか?」
「なーんにも思いつかないっす」
「……マジかぁ。いつの間にか、取り返しのつかないところまで来てたんだな」
「気づくの遅すぎじゃないっすかねぇ」
うむむ……私も何かしらの手を打っておいた方がいいな。
いや、そもそも私とリエルはあんな色々あったのにタイミング逃して付き合ったりはしてないけどさぁ……そんなにイチャイチャされるとこっちはもやもやするんだよ!
う~ん、まずは学院に侵入でもするかな?