あれから3週間程の時間が過ぎた。この大陸は日が登ってきた思うとすぐに沈んで夜になってしまう。傷はほぼ完治したので早速宿を借りて集めた情報を纏めている。
まずここは私の知る大陸ではない。彼らはここをテイワットと呼んでいる。七つの国がありそれぞれ信仰している神が存在し、ここモンドは風と詩歌、自由の国である。この国の民が信仰している神はバルバトスと呼ばれている。
七つの元素を基本としていて龍気、龍属性は存在していない。城外には龍というよりは人型の魔物や植物のバケモノが闊歩しているそうだ、龍も存在はしていて、この付近にいる龍はモンドを守護する龍なのだとか。私は今のところその龍を見てはいないが大層美しいらしい。他の六国もそれぞれ特色があるとのこと。人の活動圏がしっかり確保されているのは本当に素晴らしい事だ。
次に職業に関してだ。商人や詩人、騎士団など仕事は山程あるが私の目を引いたのはやはりというべきか冒険者であった。北方の国、スネージナヤとやらが運営元のギルドのような組織だ。依頼は様々でペット探し、異常地脈の調査、魔獣の討伐と数には事欠かない。
後は私と同じくテイワットの外からやって来た者がいるそうだ、腕も立ち、ちょうど暴走していたモンドの龍を鎮めたらしい。だがその旅人はこの前に隣の国に出て行ったので金もない、なんなら借金をしている私ではまだ会えそうに無い。
私がどうやってこの大陸に来たのかは何もわからない。だが私の助けられなかった者達、ヤツを倒す為犠牲になった凄腕の同僚達の為に必ず大陸に帰る。方法は…まあ仕事をしながら探すとしよう、このテイワットに行き着いたのなら帰る手段も必ずあるはずだ。
そういうわけで早速明日に協会に入会しようと訓練用の大剣を一瞥し寝室に向かう。
私が風立ちの地で発見された時点で大剣は無く、装備も大部分が溶けて修復は不可能だった。なので装備は当然冒険者協会の配布している一式を借りることとなる。体もまだまだ本調子とは言えないが、せいぜい頑張るとしよう。
そういえばこの前会って礼をしたバーバラ牧師が愛飲しているというジュースが屋台で売っていた。そこで「滅茶苦茶辛いこのジュースを普段から飲んでいるバーバラ様は少しでも苦しんでいる人に寄り添う素晴らしい天使だ!」とその店の前で大っぴらに手を広げ泣きながら喋っている青年がいた。あいどるとは中々たいへんな仕事なのだな。
そんなここ数週間の思い出を振り返り、満天の星空と天空に浮かぶ島を見ながら私は眠りについた。
次回は一狩り行きそうです。