超法規的組織シャーレ で 仕事をしたくない サトウカズマ先生   作:奈音

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「聖園ミカ アリウス自治区 最後の日RTA」は終了しました。(1.4秒)


エピローグ(3)

 

――アリウス自治区(廃墟) アクシズ教大聖堂前広場(無事) イズナ

 

 

 「………遅かったか」

 

 

 「せ、戦争でもあったんでしょうか…(ブルブル

  いっ、いえ! このイズナ、主殿のことをお守りしつつ、周囲の警戒に当たります!」

 

 

 「……うーん、俺の予想通りなら、その必要はないかもしれんが…。

  万が一もあるしな、頼りにしてるぞ、イズナ」

 

 

 「………(パァァァアアアアァアァアアアア!!!!

  ――は、はいっ! お任せください、主殿っ!」

 

 

 ミネによる救護!的な救出の後のこと。軟禁部屋から解放されたカズマの行動は、過去最速だったと言っていいだろう…。まずカズマは、ミネのセーフハウスで潜伏中のセイアへ連絡を取った。

 

 そのセイアから聞くところによると、どうも今朝方、自室のドアの隙間に挟まっていた手紙を見つけ、読んでみたところミカからの伝言であり、これは不味いとすぐに連絡を取ろうとしてくれていたらしい。が、この時、カズマは、電子機器の電源を全て落していたので繋がらず…。

 悪いことが二つ同時に重なれば、根拠がなくとも人は不安になるもので、セイアもその例外に漏れず顔を真っ青にして、”重ねて深刻な事態の可能性がある、カズマ先生の身に何か起きているのかもしれない”、と判断したセイアが、ミネに急行して貰ったというのが”救護!”に至る経緯のようで…。要するにミネのあれは、カズマの身を案じて駆けつけて来てくれたが故の暴挙であり…、もう何も言えなくなってしまったカズマは、とりあえず再びミネを拝みながら感謝した。

 

 そんなこんなで、大体の事情を把握したカズマは、ミネには同行を求めず、セイアの居るセーフハウスへ戻るよう言うと、戦力の確保に走った。

 

 だが、今回の騒動に関しての主要メンバーは、失敗できない個人戦闘をハナコとアズサ(幼女弾)、消耗の激しい迎撃戦を忍術研究部(対流星群)、厳しい集団戦闘をイタズラ☆ストレートとヒフミ率いるアクシズ教団(対流星群)、都市最強格との決戦をワカモとミユ(対聖園ミカ)、

という密度であったためか、軒並みダウンしている。

 戦闘行動を取らずに、とにかく逃げ回りながら指示出しをしていただけのカズマでさえ、その後ほぼ丸一日と言っていい時間を寝て過ごしたのだから、矢面に立って戦った生徒たちに無理を言えるはずもなく…、じゃあなんでミカは普通に動けてるんだよおかしいだろ、と途方に暮れていたのだが、

 

 

 「――さささっ! ――さささっ!」

 

 

 この通り、目の前にはちょっと声を掛けただけで滅茶苦茶にやる気を出してくれている元気いっぱいな、百鬼夜行連合学院、忍術研究部所属の久田イズナがいた。……というか余りにもチョロ過ぎて大丈夫だろうかと、初めて会った時と同じく、イズナの将来が少し心配になってしまう保護者気分のカズマであり…、

 

 

 「おーい、イズナ…、ちょっと落ち着けって…。

  お前らと違って、俺は貧弱なんだからさ、

  そんなに速く行かれても、着いていけないんだよ…」

 

 

 「――あ、そうですね。落ち着いて、イズナ……精神を落ち着けて……。

  ……えへっ、えへへへっ」

 

 

 ……駄目そうだ。なんかもう”しゅばばばばば!しゅばばばば!”とか言い出しながら走り回るようになってしまった。カズマは想像以上に元気な様子のイズナを再確認すると、無理はしてないようで安心した、これなら大丈夫そうかと結論を出す。

 

 いや本当に良かったと、カズマはちょっと思い返す。結局、アリウス自治区に誰も連れていけないことに気が付いたカズマが、どうしたもんかと途方に暮れて、一度シャーレの執務室に戻り、善後策に関して頭を抱えていたところ、声を掛ける予定になかったイズナが飛び込んできたのである。

 そのイズナによると、二度目の爆裂魔法(エクスプロージョン)の後、あれ以上カズマに付いていけなかったのが相当ショックだったらしく、いち早く回復した後は、ミチルとツクヨの看病にしばらく努めた後、顔を出しに来てくれたと言うのだ。……カズマとしては最悪一人でもなんとか…と考えていたのだが、困っている様子を悟られて押し切られてしまい、連れてきてしまったのである。

 

 ……いや、いいや。そんなことは今どうでもいいかと、カズマはそろそろ、直視したくない現実を受け止め始めることにした。

 

 

 「――主殿、主殿っ…!(ぴょんぴょんっ…

  やっぱりこの建物の周辺以外は、軒並み廃墟みたいになってますっ…!

  あとあと、そこかしこに、たくさんたくさん岩が落ちてますっ…!」

 

 

 「……あー…、だよな。知ってた」

 

 

 カズマとイズナが、瞬間移動の魔法(テレポート)でアリウス自治区に辿り着いた時に初めて見たのは、アクシズ教大聖堂前広場でバタバタと倒れている、アリウス分校の生徒たちの姿だった。その倒れ伏した列は、そのままアクシズ教大聖堂内まで続いており、銃撃戦をした跡も残っていたのだが微々たるもので、そこかしこに、小石が落ちていた。

 たぶん、これをやった犯人は、せっかく建てたアクシズ教大聖堂による、明るい空気の兆しに関して思うところがあったんだろうなと伺えるような気の遣いようであり、じゃあその他はどうなってるんだと、二人して近辺の探索をした結果が、アリウス自治区(廃墟)はもうダメそうと言う結論であった。いやまぁ、無事残っているアクシズ教大聖堂は一応、宗教施設なので、困った時に寝泊まりできる空間くらいは余剰として用意してあるのだが…。

 

 

 「………どーすんだこれ」

 

 

 ――ひとつ、指定の日に、アリウス分校を率いて、トリニティとゲヘナを制圧すること。という、未だ果たしていないベアトリーチェとの間に交わされた呪い付きの契約を思い出し、目の前の大惨事と併せて、カズマはさらに陰鬱な気分になった。

 今すぐなにも見なかったことにして帰りたい衝動に襲われるが、そうも言ってられないのが現実というものであり、勘弁してくれよと思いつつも歩みを進めるしかない。

 

 

 「――……とりあえず、アリウス自治区の中心部まで行く。

  道は俺が知ってるから、イズナは引き続き周囲の警戒を頼むわ」

 

 

 「――ニンニン!

  敵陣への潜入と偵察ですねっ! イズナ、参ります!

  ――しゅばばばばっ…」

 

 

 本当に敵陣への潜入と偵察をするのであれば、こんな暢気に話していられないんだけどなとかカズマは考えたが、イズナが元気いっぱいに楽しそうにしているのを見てると、まぁいいかという気分になってきたので、そのまま放っておくことにした。

 それに、アクシズ教大聖堂付近がこの有様なら、目的地に到着するまでの間、同じ惨状が続くだろうとカズマは見ていたので、むしろ元気いっぱいにはしゃぐイズナを連れてきて良かったとさえ思った。

 

 そんなイズナのお陰で、多少心の余裕が出来てきたカズマは、変事が起きているアリウスに関して、一応アズサに連絡を入れておくかとモモトークを起動させるが、

 

 

 『むすー…! むすーー…!!』

 

 

 機嫌の悪さを、とても分かりやすく擬音で表現するアロナにちょっと邪魔をされたので、とりあえずそれっぽい感謝を述べながらテキトーに頭を撫でておく。

 

 

 『むふふふふふ…、――ハッ!

  カ、カズマ先生は、私のことを取り敢えず褒めて、

  頭を撫でておけばいいと思っていませんか?!』

 

 

 「――うん、思ってるよ? 

  ほれほれ、よーしよしよしよし…、かわいいやつめ」

 

 

 『え、えへへへへへへ…、か、かわいいだなんてそんな本当のことを。

  し、仕方ないですねぇ、カズマ先生は』

 

 

 そうやってしばらくの間、ちょろいアロナの機嫌を取ったカズマは、アズサに対してメッセージを送った。

 

 

MomoTalk

カズマ_

▶︎
アズサ

▶︎
今大丈夫か?

_アズサ

◀︎
先生か

◀︎
私なら、いつでも大丈夫だ

カズマ_

▶︎
そうか?

▶︎
今、アリウス自治区にいるんだが…

_アズサ

◀︎
?!

◀︎
そうか、やるんだな…?

◀︎
今すぐ準備する。

◀︎
他のみんなも集めておく。

既読

 

 

 

 「……え? 準備ってなんだ…?」

 

 

 そしてそれ以降、アズサに幾らメッセージを送っても、返信が帰ってくることはなく、電話もしてみたが繋がらず、

 

 

 「――あるじどのーっ…!(ぶんぶん」

 

 

 「おう、いま行くー!」

 

 

 遠くに見える岩の上から、大きく声を上げて手を振るイズナに声を掛けられたカズマは、待たせるのも悪いし、後でまた連絡すればいいだろうと判断して。

 

 ――そうして、カズマの予想通り。アリウス自治区がこの日、聖園ミカたった一人によって制圧されたと言うことを、ただただ知ることになる、倒れ伏すアリウス自治区の生徒で出来た道の跡を、歩いていくことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――アリウス自治区(廃墟) バシリカの至聖所前 ゴルコンダ&デカルコマニー

 

 

 「……お待ちしておりました、サトウカズマ先生」

 

 

 「――まぁそういうこった!」

 

 

 黒服がカズマのもとへ宣戦布告しに来て以来、次に遭う時は、それなりの厄介事とセットだと思っていた、”ゲマトリア”の組織に所属する二人組?がそこにいた。

 

 

 「――おい、なんでお前らがここにいるんだよ。

  黒服がそれなりの舞台を整えてから、会いに来ますみたいな面倒くさいこと言ってたぞ」

 

 

 「……おや? ――ということは。

  今回のこれは、カズマ先生が先手を打たれた結果ではないのですね。

  なるほど、理解しました…いえ、どちらにせよ同じことですね」

 

 

 「――そういうこった!」

 

 

 「……お前らには毎回言ってるけどさ、

  勝手に結論出して、話終わらすの止めてくれない?」

 

 

 ちなみにイズナに関しては、カズマが【千里眼】のスキルによってこの二人を見つけてから、接触させるだけでも教育に悪そうな感じがしたので、適当に言いくるめてバシリカの至聖所の偵察に行かせてある。

 

 

 「……そうですね、分かりやすく言いますと。

  人は如何に錯覚して物事を見ているか、に尽きると言うことです。

  私や、カズマ先生に限った話ではなく、それは今の状況での我々の主観においても。

  そして――」

 

 

 『――キュ、キュギャアァァァァァァァァァァアアアア!

  ……ァァァァアアアアアアアアァァァァ! 

  ア、アァァァァアアアアアアアァァッ、アァァァァァアアアアアアアア…!!!」

 

 

 「……そして、それは。

  いま我々が踏みしめている大地でさえ、同じことが言えるのです。

  ――ふむ。私としては、カズマ先生との会話をもう少し楽しみたかったのですが…、

  どうやらそうも言ってられないようですね」

 

 

 「――そういうこったぁ…!」

 

 

 「………なぁ、この声ってまさか」

 

 

 カズマは、そうなってないといいなという願望を込めて言葉を紡ごうとするも、手元のシッテムの箱から聞こえるメッセージ着信音に気を取られ、おそらくはモモトークでイズナから送られてきたであろう画像に目を移す。

 そして、思わず目に入れてしまったそれを見て、カズマは空いている方の手で咄嗟に口を塞いだ。ホラー画像かと思った。そのシッテムの箱の画面上でも、それなりに頑張って機嫌を取ったアロナがあたふたと慌てながら、怯えた顔で無意味に走り回っており…、うん、まぁ気持ちは分かる。

 

 

 「………アロナ。

  イズナにどっかに隠れとくように、メッセージ打っといてくれ」

 

 

 「――さて、猶予も時間も、そうなさそうですね…」

 

 

 「……まぁそういうこった!」

 

 

 「なぁ、お前ら。俺はちょっと野暮用が出来たから――」

 

 

 「――いいえ、お待ちください。

  Independent Federal Investigation Club…、独立連邦捜査部。

  連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの、サトウカズマ先生。

  ベアトリーチェを除く我々ゲマトリアは、こうなる可能性をかねてより危惧していました」

 

 

 「いや、そんな場合じゃ――」

 

 

 ザラリ、と荒れた地面をこする音がして。ゴルコンダ&デカルコマニーが、カズマの進行方向を遮るように立ち塞がる。その間にも、鳥が絞め殺されるような異音が、甲高く響き続けていて。一刻も早く駆け付けないと、不味い事態になりかねないと言う事実を示唆していた。

 

 

 「……ご心配なさらずとも、貴方が望んだテクストによって、

  私が望んでいた文学的なテクストにはなり得ませんでした…。

  そして、私たちの計画に最も必要な存在がこうなってしまった今。

  かねてよりの取り決めにより、”ゲマトリア”の決定を、お伝えしなければなりません。

 

  ――六人目の同志、サトウカズマ【先生】」

 

 

 「――そういうこったぁ!」

 

 

 「………いやお前らから、袂を分かったんじゃなかったのかよ!」

 

 

 「――アリウス自治区を、その手にしつつある貴方を?

  そして今回のことで決定的となり、尚ベアトリーチェとの契約を遵守せねばならない貴方を?

  ………あぁ、なるほど。で、あれば尚の事、ということですか」

 

 

 やれやれ、どちらに転んでも良かったとは、黒服にも困ったものです、そういうこったぁ!と、訳知り顔で(顔が見えないので分からないが)、勝手に喋って勝手に納得するので、ますますカズマは困惑する。

 

 

 「――そうですね、ではそれを取引材料といたしましょう。

  貴方が最も輝く時、それを見たいのは、なにも私たちだけではありませんので」

 

 

 「――そういうこったぁ…!」

 

 

 「お、おい、さっきからなにを――」

 

 

 「――アリウスの新たなる支配者、”ゲマトリア”の【先生】。

  もし、貴方にその気があるのであれば、我々は、最大限の協力を惜しまないでしょう。 

  そして、もしその事に、【恩義】を感じて頂けるのであれば――」

 

 

 一息。

 

 

 「――カズマ先生に掛けられた、その契約の軛が外れるまでの間は、我々が責任を以て。

  ベアトリーチェとの契約が完遂されるまでの間に限り、

  彼女がカズマ先生に害をなさぬよう、拘束するとお約束いたします…。

  信用できないと言うのであれば、黒服の流儀に則り、契約も致しましょう。

  

  ……しかしこれは貴方が、アリウスの支配者になれば、のお話です。

  その時初めて、これまでの話は、”ゲマトリア”の決定となるでしょう」

 

 

 「――そういうこったぁ!」

 

 

 「……………………」

 

 

 カズマは突然の”ゲマトリア”からの勧告に、空いた口が塞がらなくなった。なるほど、これが未来視の神秘。もうそれが起こることが決まっているのなら、過程など気にしなくていいとはこのことなのかと、まるであらかじめ敷かれたレールの上を歩かされているような錯覚を覚えて、カズマは最悪の気分になった。

 こんな仕打ちを日常的に受けて来たのなら、そりゃあ、あそこまでの厭世的な人格が百合園セイアとして構築されても不思議ではない。まるで、何か得体のしれない大きなものに。なにもかもを踏みにじられて、台無しにされているかのような想いを抱かされ続ければ…、現在(いま)のことなんて、どうでもよくなるだろう。未来に希望なんて抱けないだろう。効率と打算でしか、友達(ハナコ)仲間(ミネ)を認識できなくなるだろう。

 

 

 「――スゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウ、ハァァァァァァアアアアアアアアァアアア……」

 

 

 カズマは深く深く深呼吸すると、あとでアロナに、未来視の神秘がこれ以上暴走しないように、制御してもらえるようお願いすることを決めた。そして諦めた。現状これ以外に、サトウカズマが五体満足であの未来に到達することは、出来ないんだろうなということを。

 

 

 「――………分かった、あの九官鳥はお前らが引き取る。

  俺が…、なんとかしてアリウスの支配者になる、それでいいんだな?」

 

 

 「はい。双方に意義のある契約に関しては、後程でも構いません。

  それではカズマ先生、よろしくお願いいたします…」

 

 

 「……まぁそういうこった!」

 

 

 ザラリ、と荒れた地面をこする音がして。ゴルコンダ&デカルコマニーが、カズマの進行方向を譲るように体をずらす。カズマはうんざりしたような顔をして、未だに鳥が絞め殺されるような異音が甲高く響き続けていている方向へ、足を向けた。

 

 

 「………何も聞かなかったことにして、今すぐ帰って寝たい…」

 

 

 『……カ、カズマ先生、ふぁいと! です!』

 

 

 アロナに励まされながら、カズマは背を曲げてとぼとぼと歩いていく。はぁ、と深くため息を吐くと、念のためイズナに、いつでも爆裂魔法(エクスプロージョン)を撃てるような態勢を取っておくよう指示を出し、その半壊した、バシリカの至聖所に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――アリウス自治区(廃墟) バシリカの至聖所(半壊) ミカ ベアトリーチェ(気絶)

 

 

 「………ありゃりゃ、寝ちゃった?

  堪え性がないなぁ…、うーん? 手足の一本位捻れば、飛び起きてくれるかな?」

 

 

 カズマが、バシリカの至聖所に”潜伏”を使用し、侵入してからしばらくして。……お嬢様だけの花園で学園生活を送っている、箱入り娘らしかぬ物騒な言葉の並びが聞こえて来て、今すぐ回れ右をして帰りたくなったが、今更ながらに思い出す。あーそうそう、キヴォトスってこんな感じだよな、ということを。

 殴られたら殴り返す。殴り返されても殴り返す。穏当かつ丁寧な対応を心掛けるほど、舐め腐って調子に乗った相手が、これでもとばかりに吹っ掛けてくる。だからこそ、学校ごとに存在する治安維持組織は、畏怖と畏敬を受ける程の精強揃いだ。

 

 そしてそれは学生間でも同じことが言える。それこそ、ティーパーティーの生徒会長なんて言う、まさにその生徒間の頂点に立つような存在が、その手の作法を心得ていないわけもなく。

 カズマは今の今まで、キヴォトスの厄介事に関わってきたことで想起される、生徒たちの立ち振る舞いや、その暴力性を再確認したような気分になってしまって渋面を作るほかない。しかしながら、あの背中を向けた紳士絵画との約束とやらを……、ここまで状況が進んでるなら、別に守ってやる必要もないのだが…。”ゲマトリア”との伝手は、このまま持っておいた方がメリットが多そうなのである。どこかの万年貧乏店主と違って、色々と妙なお役立ちアイテムをくれるし…、ウトナピシュティムの本船なんてその最たるものだ。いややっぱり違う気がしてきた…。

 

 カズマは、未来視の内容は一旦無視して、方針が変らないことを再確認すると、いい加減、目の前の光景をどうにかすることを考え始めた。……さすがに目の前で継続されている私刑(リンチ)をただ見ているのも忍びない上に、ここまでやってしまった聖園ミカに言いたいことが大いにあったからでもあるが。とにかく、カズマは、ミカの背後まで忍び寄り、声を掛けることにした。

 

 

 「…………おいミカ。気は済んだか?」

 

 

 「――うんすっきり! ………あ、あれ? カズマ先生?

  なんでここにいるじゃんね…?」

 

 

 ミカはあれー?とばかりに首を傾げる。

 

 

 「なんでここにいるじゃんね? じゃねーよ!!

  お前どーすんだよ、話しただろーが!

  俺は契約で縛られてるから、

  アリウスでゲヘナとトリニティを制圧しないといけないのに、

  ――そのアリウスをボッコボコにしてどーすんだ!」

 

 

 この野郎どうしてくれんだ!と大いに嘆きつつ、間の抜けた所作を取り続けるミカに、カズマは足音高く詰め寄った。

 

 

 「え、えーっとぉ…。(目逸らし

  な、なんなら私自身が、アリウスの制服を着てやればぁ…。

  最悪なんとかなるかなってぇ…?」

 

 

 「――たった一人でどーやって説得力持たせるんだよ!!!」

 

 

 「…………ま、まぁほら? 今はみんな倒れてるけど?

  起きればヒールでどうにかなるから大丈――」

 

 

 「こんな襲われ方したら大体の奴は心折れるわ、ボ ケ ェ が ぁ!

  ワンサイドゲームすぎて体は治っても、

  心がもうボッコボコになってるのは目に見えてんじゃねーか!!

  ミカお前、あの夜を基準にしてアリウス分校の事考えてたんじゃねーだろうな!」

 

 

 「…………え? ――あ、あれ? 違うっけ…?

  そういえば確かに…、全然手応えないなーとは思ってたけど…」

 

 

 「思った時点で止まってくれよ!」

 

 

 「――むー…!

  でもでも戦闘中に、余計なことを考えてたら危ないんだよ?」

 

 

 ミカは、せっかくいい考えだと思ってやってたのに、たくさんたくさん怒られてとっても不満です、ということをあらわすために、可愛らしく両頬を膨らませるが、カズマには余り効果がないようだ。

 まぁ、それはそうだろうというか。ミカに足蹴にされた状態で気絶してるように見えるソレが視界に入ってると、裏社会の抗争後の、更なる吊し上げにしか見えないからと言うか。

 

 

 「危ないのはお前の攻撃方法の方だよ…!

  アリウス自治区がクレーターだらけになってるじゃねーか!!

  流星群で圧し潰されてんじゃねーかこいつら全員!!」

 

 

 「あ、あはは…(目逸らし

  で、でもでも!

  そもそもはこいつがコトの元凶だし?(ゲシッ 

  アリウスはそれに協力したから同罪だし?(ゲシッ、ゲシッ

  ――だから…、このくらいいいでしょ?」

 

 

 「よくねーよ!よく見ろよ! そのコトの元凶のあられもない姿をよ!

  腕も足も曲がっちゃいけない方向に折れ曲がっちゃってるじゃん!

  ――ていうか、お前のこのくらいいいでしょの基準が恐すぎるわ!!」

 

 

 「………あ、そっか。いつもの闇討…んんんっ…!

  ――キヴォトスの住人基準でやっちゃったかも?」

 

 

 「なーにが、やっちゃったかも? だよ! 1ミリも悪気を感じてねーじゃねーか!

  ――――待ておい、ミカお前、いま闇討ちって言った?」

 

 

 「――………言ってないよ?(目逸らし」

 

 

 ミカは素知らぬ顔でしらを切るが、その様子を戦慄したような表情で見つめるカズマの頭の中では、次々と最悪な組み合わせのパズルのピースが集まっていき――

 

 

 「いや言っただろ、いつもの闇討ちってお前…、普段からこんなことを…?

  道理でセイアの時も、妙に手慣れた感じで誘ってくると思ったら…。

  ……待てよ? 

  セイアはともかく、お前がパテル派閥のトップに昇りつめた方法ってまさか――」

 

 

 「――あははっ! もうやだなぁー、カズマ先生!!

  どうやって私がパテル派閥のトップに昇りつめたかは、本当なら乙女の秘密なんだけど…。

  トリニティの嗜みの一つだから、今度教えてあげるね☆」

 

 

 「――そんな碌でもなさそうな嗜み知りたくもねーよ! 普通に恐ぇえーよ!!

  セイアの時もそうだが、お前は加減が効かなすぎなんだよ!」

 

 

 「やっぱりそうかなぁ…。 でもでも! これでも手加減したほうなんだよ?

  半日くらいで意識を取り戻す程度に撫でただけだから、大丈夫!

  狙いが付けにくかったから、この気持ち悪いおばさんごとやっちゃったけど」

 

 

 えっへんどうだ私よくやったでしょ、と言わんばかりに立派な胸を大きく張って堂々としているミカを見ていると、カズマはなんだか、駆け出し冒険者の街、アクセルのような懐かしさに襲われて悲しくなった。うん、そうだよな…。分かってた、分かってたよ。見た目は一級品でも、中身は地雷原に当たるのなんて、いつものことじゃないか…。

 

 まぁそれはともかくとしても、ミカが怒りに任せてアリウスを襲撃した結果、おそらくはアリウス分校に所属する生徒全てをノックダウンさせ、そのついでとばかりにベアトリーチェを昏倒させてしまったのは、幸いなことなのかどうかは後で考えるとして…、好機であると言える。ゲマトリアの連中の、”これも想定通り”みたいな態度は癪に障るが…。

 それにしたって、このまま主導権を握られっぱなしだった場合、いいように使い捨てられるだろうというのは、未来視がなくとも見えていた。カズマが相手の立場であったとしたら、間違いなくそうするからだ。かつての世界で、【復讐と傀儡の女神】の信徒である魔王軍幹部の一人をやり込めた時と同じように。互いに口ではそれらしいことを言いつつ、どうにかしてハメてやろうと画策していた、あのと、きの………。

 

 

 「……………………」

 

 

 「――カズマ先生?」

 

 

 突然黙り込んでしまったカズマを不審に思ったミカが、きょとんと可愛らしく首を傾げながら呼び掛けてくるが、カズマはそれどころではなかった。今すぐ考えをまとめる為に、深く深く、思考の海に沈んでいく…。いやっ、いやいやいや待て、冷静になれ、落ち着けサトウカズマ。もしかしてのもしかしてだが…、もしかしてまだ、レジーナ様の加護は、使えるのか?と体を震わせ俯きながら、思い返す。

 

 

 「――先生ー? カズマ先生ー? ねぇってばー、ねぇねぇー(ゆさゆさ…」

 

 

 「いまいいところなんだ! ちょっと待ってくれ!」

 

 

 「ぶー」

 

 

 カズマは、最後の魔王軍幹部の一人との戦いの中で、【復讐と傀儡の女神】、レジーナ様に対し、生れて初めて心からの信仰を捧げたこともあり、魔王を斃した後には、感謝を込めて駄女神に見つからないような場所に祭壇を作り、定期的にお供え物をし、折角だからと木を削って神の偶像までこさえていたことまで思い返しながら…、キヴォトスに来て初めて、レジーナ神に祈りを捧げ…、そして、理解した。

 

 

 

 ――――つ か え る ! ! !

 

 

 

 その瞬間、カズマは両目を妖しく爛爛と輝かせ、この後辿るべき、アリウスの支配者となる道筋を考えるために、全力で頭を回転させる。レジーナ教徒に必要な要素を洗い出していく。

 

 一つ、レジーナ教徒から受けた【借りへの代償の返還】。レジーナ教徒に対して、”感謝”や”借り”を感じたと認識した瞬間にその権能は発動し、傀儡化が発動する。この傀儡化は、レジーナ教徒に対して、【借りへの代償の返還】を伴う行動や取り決め事を、両者が納得する形で行うことによって解除される。

 この時に、傀儡化を解除したくないレジーナ教徒がすべきことは、傀儡状態になってしまって、なんでも肯定する状態にある相手に対し、その相手がそれなりに喜べる恩の押し売りを定期的に行うことである。これによって傀儡化は常態化し、その思考能力はさらに鈍化して更に傀儡化は深まる。

 ただし、注意すべき点がある。”傀儡化”に掛かっている人物が、日常を過ごしている上で生起するような、偶然の産物としての幸運。己が信仰している神に、思わず感謝してしまうような幸運な出来事と遭遇した場合、傀儡化が弱まったり、解けてしまう。

 

 一つ、【復讐と傀儡の女神】に関しての情報を、傀儡化できている対象であったとしても、レジーナ教徒に対して強い復讐心を持つ者には、詳細な説明を行わないこと。………こちらに関しては、今は深く考えなくともいいだろう。ミカが見るからにそわそわしてるし、いい加減構わないと、何をしでかすか分からない。

 よし!と一通り考えをまとめたカズマは、ふと風を感じて天井を見上げ、吹き抜けのよくなった部分から、太陽が中天に差し掛かってるのを確認すると、あれ?と不思議に思い、

 

 

 「………なぁミカ」

 

 

 「うん、なぁに? 先生」

 

 

 「お前の流星群なら、アリウスとはすぐ決着がつくと思うんだが…、もう昼なんだよな。

  ………なんで?」

 

 

 「このおばさんの居場所が分かるまで、ひとりひとり、質問してたからだけど?」

 

 

 「おま…、それは。 いやまぁ、そうするしかないのか?」

 

 

 「――まぁ、そうなるのが分かってたから、見晴らしのいいところから、

  人口密集地に落ちていく流星群を観察してたわけなんだけど…

  流星が一番向かった場所が、アクシズ教大聖堂だと気付いた時は焦ったよー」

 

 

 「……あー、それであの辺は倒壊してないのか」

 

 

 「――そうそう! 代わりに逃がさないように囲む形になっちゃったけど…。

  増援を呼ばれても面倒だったから、丁寧に眠ってもらったよ☆」

 

 

 「お、おう…」

 

 

 カズマは、キヴォトス路地裏大祭で列車が脱輪し、その大事故に巻き込まれて負傷した生徒たちが、その翌日には悔しがりながらも商品を受け取りに来てたというシズコからのモモトークを思い出して、キヴォトスの異常性を再確認したと思っていたが、その認識はまだまだ甘かったらしい。

 

 

 「あー、もう分かった。分かったからちょっと離れてろ、5mくらいな。

  こいつ介抱するから」

 

 

 「えー…、ぶーぶー!」

 

 

 「あのなぁ…、ミカの流星ならその程度は射程圏内だろーが…。

  狸寝入りしてたとしても、脅しには十分すぎるだろ?」

 

 

 「――ううん? 一瞬で終わっちゃったから私の気が済まなくってさぁ…

  もうちょっと、こう…、ね☆(ブオンブオンブオン!!」

 

 

 「トドメ差しにいってんじゃねーか!! これ以上やったら間違いなく死ぬわ!

  いいから! 俺に感謝の気持ちがちょっとでもあるなら離れてろって…!」

 

 

 「はーい、ちぇー」

 

 

 カズマは、ミカをどうにか説得すると、あられもない姿になっているベアトリーチェに近づく前に、敵察知、潜伏、千里眼を併用して注意深く観察を行い、問題ないことを確認してから、ハイネスヒールを使用してヤバそうな部分を治療していく。

 腕とか足とかの固定の仕方は流石に分からないので、そこはゲマトリアの連中がなんとかするだろうからいいだろうとテキトーではあるが…、まぁその辺の不具合は、相手戦力を見誤った教訓かなにかと思ってもらうしかない。

 

 

 「こんなもんか…、おーいミカ、ちょっとこいつ運ぶの手伝って」

 

 

 「…………………」

 

 

 「うおっ…、無言で背後に立たれたらビビるだろ?」

 

 

 「…………………気を付けます」

 

 

 「お、おう…そうか? 

  あー、……まぁいいや、ちょっと足の方を持ってくれよ」

 

 

 「…………………(スッ」

 

 

 「サンキュ、じゃあ外まで運ぶぞ」

 

 

 「…………………」

 

 

 バシリカの至聖所の外まで、二人で協力して気絶したベアトリーチェを運び出し、下ろす。一息ついたカズマは、キョロキョロと辺りを見渡すが、さきほどまで、バシリカの至聖所の外に出たところから見える範囲内にいた、ゴルコンダ&デカルコマニーの姿は見えない。……うーんまぁいいか、この辺においておけば勝手に回収するだろう。

 

 

 「…………………」

 

 

 「――――???」

 

 

 それよりもさっきから、ミカの様子がなんだかおかしい。妙に無口になったと言うか、気のせいか目の色が虚ろというか…。んーー?とカズマは首を捻り、過去の記憶の中で、同じ状況がなかったかどうかを探し始め…、非常に不味いことに気が付いてしまった。

 

 

 「――あっ、まずっ…」

 

 

 カズマは、ついさっきまでアリウスをなんとかするのに、もうどうしようもなければレジーナ様の加護を使おうとか考えていたことを思い出す。試しにレジーナ様に祈りを捧げてみて、加護を使用できることを確認し終えたことで、安心しきっていたのもあり、何も考えずに普通にミカと会話してしまっていたことも…。

 つい先程の会話すら、朧げにしか思い出せないカズマであったが、おそらくはその会話の中で、【感謝】や【借り】に関するキーワードを口走っていたのだろうと思い返し、自らの迂闊さを呪った。いやそうではなく。ともかく、いま現在のミカは、レジーナ様の”傀儡化”に掛かっている状態にあるから、どうにかしてそれを解かなくてはならない。確か、とりあえずテキトーに注文を付けて”貸し借り無し”と付け加えればよかったっけ…?

 

 

 「…………と、とりあえず、屋内に戻るか。

  ミカ、付いてきてくれ」

 

 

 「…………………はい」

 

 

 カズマは、ミカが本当に付いてくるのを確認し、何か最もらしいことを考えなくてはと、必死に考える。しかし、なかなかこれといった考えが思い浮かばず、自然解消的に”傀儡化”が解除されやしないかと思いつつ、チラリとミカの顔を覗き見るが、先程まで伝わって来ていた感情の発露のようなものは一切感じられず、ただただ無機質な空気のみが伝わってくる。カズマはそれを冷静に観察しながら、なんでもいいからなんかそれっぽく言ってみれば、相手が勝手に解釈してくれることに賭けることにした。

 

 

 「――……なぁミカ」

 

 

 「はい」

 

 

 無機質な瞳をしたミカが、カズマに焦点を合わせる。

 

 

 「……え、えーっとだな。

  色々あったけど、今回のことでお前に助けられてる部分も大きかったし、

  トリニティに戻って、不自然に思われない程度にパテル派閥の統制でもやってみたらどうだ?

  流石にあれだけのことがあったのに、ミカが何もしてないってのは不審に思われるだろ?

  それで【貸し借り無し】ってことで…」

 

 

 「はい、いいえ。

  むしろ私が政治的に動いていると察知された瞬間、親友の桐藤ナギサが不審に思います。

   しかし、パテル派閥内部からの視線は違います。

  なにもしていないことが、言外に私からのメッセージだと受け取った幾人かが、

  サンクトゥス、フィリウス両派閥への牽制を勝手に始めるでしょう…。

  それを収めると言う意味でなら、パテル派閥の流儀に則った、派閥の統制は必要です」

 

 

 「うん」

 

 

 「ですので、カズマ先生が仰った、

  ”不自然に思われない程度にパテル派閥の統制”をすることは必要です。

  では、それが終わりましたら、先生にモモトークで連絡を行います」

 

 

 「……お、おう」

 

 

 「それでは、失礼します」

 

 

 ”傀儡化”状態になったままのミカは、カズマからの用件がそれ以上ないと判断すると、命令内容を迅速に実行する為、踵を返し、行動を開始した。……ぴょんぴょんと、重力を感じさせないような身軽さで、あっというまに視界から消えていくミカを見て、いつもならキヴォトスの住人の身体能力に関して、思うところのあるカズマであったが、この時ばかりは実際に目の当たりにした、レジーナ様の加護がやばすぎてそれどころではなかった。

 

 

 「……………………」

 

 

 そう、そうなのだ。どんな個性や人生を持っていても、こうなってしまうのが、【復讐と傀儡の女神】、レジーナ神の権能。

 本来は、誰に対しても平等に、法で裁けない人倫に対し、その復讐の権利を与えるために天界より遣わされた心優しい女神なのだが…。時間が経つにつれ、悪用する者ばかりになってしまい、あっという間に邪神の名をほしいままにしてしまったのも納得の権能である。カズマは自分自身がやらかしたこととはいえ、あまりにもあんまりな結果に、ドン引きしていた。

 

 

 「――……え? 俺ってマジで、このレジーナ様の力使って…。

  アリウスの支配者にならないとだめなの…?」

 

 

 トリニティ総合学園に所属する、三人いる生徒会長の内の一人でしかない、聖園ミカによって完全制圧されたアリウス自治区に、カズマの嘆きの声はことさらに大きく響き、しかし応える者は誰一人としておらず…、風に靡く木々の葉擦れや、アクシズ教大聖堂からアリウス中に張り巡らされるようになった水流だけが、音を吸い込むように、静寂を支配していた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※カズマさんは、レジーナ様に関して一番大事な一番ヤバイことを思い出していません。
 大丈夫かな…?


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ところで。【評価☆10】、【評価☆10】がもっともっと欲しいかなって…、というか最近【評価☆10】が少ないっていうか、【評価☆10】が少なくて、承認欲求モンスターが育たなくってぇ…。
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