ダンガンロンパシンフォニア〜ボクの愛と希望の法廷〜   作:パルティアン

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CHAPTER2 非日常編ー捜査ー

真理ちゃんの検死が終わったみたいだし話を聞いてみよう。

 

「真理ちゃん、何か分かった?」

「よーし、話してやろう。まず大地クンの死因だが、まあモノトラファイル通り頭部の陥没骨折で間違いないみたいだ。」

「ふむふむ、あとは?」

「ちょっと気になるところがあったね。」

「それは?」

「大地クンの頭の傷の位置と形さ。まず大地クンの傷は頭頂部にあった。ボクも医者だからね。撲殺された死体も何度か見たことあるけど大概その場合頭部の傷は後頭部にあった。そりゃ後ろから忍び寄るからそうだよね。そういう意味では一般的な傾向から外れていると言えるね。傷の形は横に長い長方形だ。それを見る限りハンマーやバールと言った一般的な凶器を使ったものだとは考えにくいね。」

 

だとしたらやっぱり凶器は…

 

 

 

コトダマゲット!

【大地の傷)

傷は頭頂部に横に長い長方形の傷が付いていた。

津田曰く、一般的な鈍器による撲殺と比較すると傷の形状や位置が不自然である。

 

 

 

あ、そうだ。真理ちゃんには聞いておかないといけないことがあったんだ。

 

「ねえ、真理ちゃん。今日羽月さんが真理ちゃんの部屋に行ったって言ってたんだけど何か話を聞いたりしてる?」

「ああ、その話か。ちょうどその時間にね、香奈さんがボクに相談があると言うんで部屋に招き入れたんだ。どうせならお茶でも飲みながら話をしようと思って翔子さんには紅茶と香奈さんの好きなココアとお菓子を届けてもらったよ。まあ、結局話し始める前に15分くらい世間話をしてしまったけどね。」

「それって何時くらい?」

「確か2時半くらいじゃなかったかな?雑談が終わったら彼女はキッチンに戻ると言っていたね。」

 

そこから15分話し込んでいた、ということは少なくとも羽月さんが真理ちゃんの部屋を出たのが2時45分ごろ。その頃までは確実に3人は一緒にいたわけだな。その後はボク達と一緒にいたのはボク達が一番よく知ってる話だし。

 

 

 

コトダマゲット!

【津田の証言)

2時半頃言村と話すにあたって羽月に紅茶、コーヒー、お菓子を届けてもらった。

15分ほど雑談をした後羽月はキッチンへと戻っていった。

 

 

 

真理ちゃんの話が本当だとすると3人は犯行時刻の頃は雑談の最中だったということになる。2人の証言がある程度一致しているし疑う余地はないとは思うけど念のため言村さんにも後で話を聞いておくとしよう。

真理ちゃんの検死が終わったって事は死体の周りを調べられるって事だ。ここは念入りに調べておこう。

 

「あれ、この床随分傷ついているな。」

 

気になったのは大地クンの座る席の真後ろの床。床にはカーペットがあるため目立ってはいないが近くで見ると深くヘコんでいる。

 

「背もたれもか…。」

 

視線を上へと移すと、大地クンが座っているイスの背もたれの上部もヘコんでいた。

 

「なんでこんなところが…?」

 

殴った時に勢い余ったのだろうか?でもそれじゃあ床の傷の説明が付かない。少なくとも重いものがぶつかったんだろうとは思うけどここは学級裁判の中で推理していくしかないか…。

 

 

 

コトダマゲット!

【イスのへこみ)

大地が座っていたイスの背もたれにへこみが出来ていた。

重いものがぶつかったと考えられる。

また、そのすぐ下の床にも傷が付いていた。

 

 

 

さて、他には…。

大地クンの死体の方に目を遣るとその近くにはポップコーンとドリンクが置かれていた。恐らく羽月さんが持ってきたものだろう。

ただそこには少し違和感があった。

 

「…そうか!手を付けた痕跡がないのか…!」

 

映写室の状況やこれまでの大地クンの行動を考えれば彼がここに映画を見に来たのは明白だ。そう考えればポップコーンやドリンクも映画のお伴として用意したはずだ。ならば全く手を付けないっていうのは考えにくいよなぁ。なんでこんな丸っきり中身が残ってるんだろう…?

 

 

 

コトダマゲット!

【ポップコーンとドリンク)

羽月が大地に頼まれて持ってきたもの。しかし手を付けた痕跡がない。

 

 

 

そろそろ他のところも捜査してみるか…。

そう思ったその時鷹岡クンが巨大な脚立を抱えて映画館に入ってきた。

 

「どうしたの?」

「いや、ちっと気になったことがあったんで調べて見ようと思ってな。」

「気になったこと?」

「なんでい、優の字は気付かなかったのか。じゃあちっと待っててくれ。」

 

そう言うと鷹岡クンは慣れた足取りで脚立を登っていく。そして大地クンの死体のちょうど真上の梁を目視で確認するとうんうんと頷きながら降りてきた。

 

「まあ見てもらった方が早え。ちっとあの脚立に登ってみな。」

 

鷹岡クンに促されるまま脚立に登る。って言うかこんな5メートル近い脚立どこにあったんだ…。

 

「落ちねえように気ぃつけながらちょうど真の字が死んでる辺りを見てみろ!!」

 

鷹岡クンの言うとおりに梁を見てみるとちょうどそこに細い傷が残っていた。鷹岡クンが気になっていたのはこれのことか。

一度脚立を降りてから鷹岡クンに話を聞く。

 

「よくあの傷を見つけたね?」

「おう!大工だからな!あのくれえの傷を見つけるのなんざ朝飯前よ!!」

「なんであんなところに目を付けたの?」

「あー、普通に作ったらあんなとこに傷なんて出来ねえだろ?何の傷かは分かんねえけどよ。」

「多分アレは糸とか細い紐で擦った痕だと思うよ。」

「事件と関係しそうか?」

「うーん、分からないけど明らかにおかしいし覚えて置いて損はないかも。」

 

 

 

コトダマゲット!

【天井の梁)

床から約5メートルほどの高さにある。

大地の死体の真上の部分に糸や細い紐で擦ったような痕がある。

 

 

 

後鷹岡クンにはこれを聞いておかなくちゃ。

 

「鷹岡クン。」

「おう、なんでい?」

「護身術の練習の後事件の起きたときってどこにいた?」

「アリバイって奴だな!事件が起きたときっつうと2時40分くれえだよな?だとすると…、まだジムにいたぜ。」

「ずっといたの!?」

「おうともよ。竜の字と麗の字もいたぜ。」

「そっか、ありがとう。」

 

3人いたとなるとまあ、この3人のアリバイは間違いないだろう。念のためどちらかに会った時には確認しておくとしよう。

一通りこんなところかな。そろそろ映画館の外も調べて見ようか。

 

「…!こんなところにつまみなんか付いてたんだ。」

 

映画館を出ようとドアを少し開けたときボクはその手すりの近くにあったつまみに気がついた。これは言うまでもなくカギのつまみだろう。そうなると犯人はもしかしたら出入りできたかも…。

 

「ああ、ムリでござるよ!」

「伊達クン、どういうこと?」

「昨日の鑑賞会の時途中でトイレに行こうとしたでござるがカチンコチンで動かなかったでござる。おかげで漏す寸前だったでござるよ。」

「そっか…。」

 

漏してたら大惨事だったな…。

 

「じゃあ調べてもあまり手掛かりはないかなぁ。」

 

そんな話をしながら何となくつまみを捻ってみる。今はドアが少し開いているからカギは掛っていないけど、本来ならドアを開けさせないようにするための四角の金具が飛び出してきた。するとその縁の一部には少し傷が付いていた。

 

「あれ、これなんだろう。」

 

一度ドアを閉めてもう一度カギをかけてみる。するとちょうどドアの隙間から金具の傷が見えた。

 

「ドアの隙間にピッタリ合う位置に傷か…。何か引っかけていたのかな…?」

「外に行かないでござるか?」

「ん。ああ、ちょっと気になることがあったんだ。」

「ドアにでござるか?」

「うん。ドアのデッドボルトに不自然な傷があってね。」

「でっ…何と?」

「デッドボルト。ほら、カギを閉めたときに出てくる四角い金具があるでしょ?アレのこと。」

「あれそんな名前だったでござるか。1つ利口になったでござる。で、そのデッドボルトがどうしたでござる?」

「さっきも言った通り不自然な傷があったんだ。まあ、正体が分からないから裁判の中で説明するよ。」

「分かったでござる。」

 

 

コトダマアップデート!

【ドアのロック)

映画の上映中はドアにロックがかかり、外からも中からも出入りできなくなる。

映写室にオンオフのスイッチがあるがほこりを被っていて誰も触れた形跡はない。

ドアの内側には手動で動かせるカギのつまみも付いているが、伊達によると上映中は動かせないとのこと。

 

コトダマゲット!

【デッドボルト)

縁に何かを引っかけたような傷が残っていた。

 

 

 

そして伊達クンにも聞いておくことがもう1つ。

 

「伊達クン、さっき靏蒔さんから事件発生時にちょうど2人で大浴場にいたって聞いたんだけどほんと?」

「言い方に語弊があるでござるっ!!?でもまあ間違いないでござるよ。某、靏蒔殿に石鹸を貸したでござるから。きちんと帰ってもきたでござるよ。」

「うん、ありがとう。」

 

2人の証言が一致した。しかも石鹸を通して2人ともちゃんと大浴場にいたことも分かった。つまりこの2人はシロだろう。

こんどこそ外を調べよう。まずはやっぱり映写室で見つけたアレが本来あったであろうあそこだ。

 

 

 

ジムに行くと既に雷文クンと鏑木クンが捜査をしていた。

 

「おう、どうした?」

「実は映画館で見つかったものが恐らく本来ここにあったものだろうと思ってね。」

「…凶器か?」

「多分ね。」

「凶器と言えばオレも気になったことがあったんだ。」

「それって?」

「ここに置いてあったバーベルの重りが足んねえんだ。アレなんかメチャクチャ重いしもしかしたらと思って来てみたんだ。どこ行っちまったんだろうなぁ?昨日来たときには確かにあったハズなんだがよ?」

「…何か心当たりはあるか?」

「多分雷文クンのカンは大当たりだよ。映写室に血の付いたバーベルの重りが隠されてたから。」

「やっぱりか。」

「…つまり犯人は雷文が昨日最後にここに来た後重りを取りに来て犯行に用いた、ということか。」

 

 

 

コトダマゲット!

【雷文の証言)

5キロの重りが1枚なくなっていた。

昨晩の時点では確実に存在していた。

 

 

 

「でもそれも妙な話だよな。だって人を殴るだけだったらダンベルとかだってあんだろ?なんでわざわざあんな使いにくいの使ったんだろうな?」

「正直まだ分かってないかな。昨日は何時までいたの?」

「昨日は映画も観て疲れてたからそんな遅くまではいなかったぞ?せいぜい8時だ。」

「じゃあ持ち出す時間の余裕はありそうかな。あ、そうだ。時間と言えば2人とも事件が起こった時間にはここにいたんだよね?」

「おう!3人で筋トレしてたぜ!」

「…間違いない。」

「了解!」

 

ならば鷹岡クンも含めた3人は関係なさそうかな。

次は…。色々現場の謎にヒントをくれるかもしれないし倉庫に行ってみようか。

 

 

 

倉庫に入ると足に何かが当たった。それは先ほどお茶会をする前にボクが足を引っかけて転んだ箱だった。お菓子を取りに行く前に一応入り口を塞がないようにおいておいたのだ。

 

「そういえばこの箱に入ってたのって…。」

 

そう呟きながら箱の中身に手を伸ばす。箱の中身はフックだ。そしてこのフックに関してモノトラはこんなことを言っていた。

 

 

『そいつはモノフック!見た目は普通のフックだが、圧倒的な強度を誇り、1トンだろうと支えちまう。ワイヤーさえ保てばな。』

 

 

見た目からはそうは見えないが、このフックはかなりの耐荷重を誇るらしい。つまり多少の重たいものを引っかけておいたところでこのフックは余裕で耐えられるだろうということだ。普段なら単純に便利な道具だろうけどこの状況下においてはなにか厄介な事態を引き起こすかもしれない。

 

 

 

コトダマゲット!

【モノフック)

モノトラ特製のフックで、1本当たりの耐荷重は1トンを越える。

 

 

 

箱を再び押し込むとそのタイミングで言村さんが倉庫にやってきた。

 

「あれ、深見くんこんなところでどうしたのー?」

「ああ、ちょっとヒントがないかなと思って。ここなら色んなものがあるからさ。今回映画館にあるものだけが使われたわけじゃ無さそうだしさ。」

「そっかー。」

「言村さんは?」

「人影が見えたからー。」

「あ、そういうこと。」

 

そう言えば言村さんには聞いておかなければならないことがあったはずだ。

 

「言村さん、今日真理ちゃんと一緒にいたんだって?」

「うんー。ちょっと相談事があってねー。」

「相談事?それって今聞いても大丈夫なこと?」

「大丈夫だよー。むしろ事件に関係してるかも知れないしー。」

 

この事件に関係…!?

 

「それってどういうこと?」

「えっとねー、昨日夜時間にはなってなかったから9時くらいだったかなー。ホテルの中をお散歩してたんだけどー、そしたら映画館で変な音が聞こえたんだよねー。」

「変な音?」

「まずパンって乾いた音がしてー、その後にドカッみたいな音がしたんだよねー。」

 

擬音じゃ分からないって…。でも聞いた音から想像すると…。

 

「乾いた音の後に重いものが落ちる音がしたんだね?」

「そうー。マットか何かに落ちた音だと思うー。」

「そっか。他に何か気になったことはある?」

「えっとねー、大地クンが話してる声が聞こえたー。」

「大地クンが…?」

「多分誰かと話してたんだと思うけどー、相手は分からなかったー。」

「それは妙だね…。」

 

大地クンがその死んだ場所で死ぬ前日に不審な音が立っている現場にいた。しかも他の誰かと。そんなの事件に関係がない訳がない。

 

「それでこれが真理ちゃんとどう関係が…?」

「中を見てみようかなって思ったんだけどー、カギがかかってて開かなくてー。怖かったからこのことを相談してみよーって思ったんだー。」

「なるほどそういうことだったんだね。で、事件が発生したころもずっと真理ちゃんの部屋にいた、と。」

「そうだよー。まあ大地クンが死んじゃった頃は翔子ちゃんも一緒に雑談してたけどねー。」

 

ここは真理ちゃんの証言通り、か。よしここはこんなところか。

 

 

 

コトダマゲット!

【言村の証言)

昨晩映画館の付近で奇妙な音を聞いた。

音の内容は乾いたパンという音と重いものがマットの上に落ちるような音。

同時に誰かと話しているとおぼしき大地の声も聞こえたが、映画館にはカギがかかっており入れず、怖くなって帰ってきてしまった。

今日津田に相談しようと思ったこともこの件に関してであった。

 

 

 

でも死んだ大地クン本人がこの事件の前段階にどう関係しているんだろう…。

この疑問に対するヒントを得るためボクは大地クンの部屋に向かうことにした。今回も前回の事件と同様、モノトラが簡単に開けてくれた。

中に入るとそこには大きな本棚が置かれていた。しかしその中身は全部床にぶちまけられていた。

 

「何だこれ…!」

 

一番手前に落ちていたファイルを開くとそこには大地クンが所有する施設に関する情報が事細かに記載されていた。これはいわば大地クンの才能による成果がまとめられたファイルだ。そんな大事なものがなぜこんな風になってしまっているのだろう?

 

「もしかして…、“動機”、かな…?」

 

あの穏やかな大地クンがこんなことをするなんてその原因として思い当たるのはあの動機ビデオしかあり得ない。

部屋は足の踏み場もない状態だったけれどできるかぎりファイルを踏まないように入っていき、大地クンのタブレット端末を探した。

それはファイルの山の中に埋もれて落ちていた。状況を見る限り投げつけたか何かしたのだろう。床には傷が付いている。しかし憎たらしいことにタブレット端末には傷1つ付いていない。

 

「…ごめんね、見せてもらうね。」

 

本体横のスイッチを押すと“ToraPad”という文字が出た後ボクのものと同じように動画再生アプリのアイコンが出てきた。そしてそのアプリの中に入っていた動画を再生する。

 

 

 

『大地真英クンの動機ビデオ』

 

映像が始まってまず映し出されたのは各地の様々な施設で楽しむ人々の姿とその笑顔だった。

 

『超高校級の地主である大地真英クン。その彼が多く所有しているのはテーマパークや映画館といった数多くのアミューズメント施設です。』

 

そしてモノトラの声でのナレーションが始まる。

 

『きょうは、ぱぱとままときゅあぷりのえいがをみにきました!』

 

『実は今日彼女の誕生日なのでここでデートをしようと思って。ここだけの話なんですけどちょっとしたサプライズも用意してるんです。』

 

『僕は運動が好きなのでやっぱ近くにこういう施設があると楽しいですね。ありがたいです。』

 

続いて映ったのは何人かのインタビュー。みな大地クンが所有している施設で楽しく遊んでいる事が分かる。

 

『大地クンが所有している施設は多くの人たちの楽しみを作り出し、みんなを笑顔にしていました。ですが。』

 

ボクの動機ビデオの時と同じように画面が暗転する。そして再び画面が付いたとき、そこには先ほどまでの幸せな風景とはほど遠い、見るも無惨な姿となった各地の施設が映し出された。

 

『そんな夢のような時間は終わりを迎えたのです。』

 

そして周りには多くの人々が倒れている。周囲からは煙が上がっており、何か人為的なものによってこの事態が引き起こされたのではないかと強く感じられる。

そして倒れている人たちの中には先ほどのインタビューに答えていた人たちも混ざっていた。

 

『大地クンが積み上げてきたものは文字通り、一瞬にして崩れ去ってしまったのです。』

 

ボクが見ているだけでも胸が締め付けられる思いだ。当事者である大地クンは一体どんな思いでこの映像を見たのだろうか。

 

『ではなぜ、大地クンの所有するアミューズメント施設はこんな惨いことになってしまったのでしょうか?一体誰がこんな心ないことをしたというのでしょうか?』

 

そして最後にはあのテロップが表示される。

 

『正解は“卒業”の後で!』

 

 

 

「これが、大地クンの…。」

 

正直まだ受け入れ切れていない。こんなのもうテロ行為じゃないか…!だけど現実問題としてボクの動機ビデオの刑事さん達も暴徒と戦っていたようだった。もしかして外の世界は今こんなことになってしまっているっていうのか…?

 

「…っ!ありえない!」

 

思わず口を突いて言葉が出る。

そうだ。ありえないはずだ。こんなビデオ、モノトラが捏造して作ったものに決まっているんだから…!

だけどこのビデオの存在自体はかなり有用だ。みんながそれぞれにビデオを見たのだから、大地クン自身もこのビデオを見ているはずだ。そう考えるとこのビデオ自体が今回の事件における何かに関連していてもおかしくはない。記憶に留めておいても損はないはずだ。

 

 

 

コトダマゲット!

【トラパッド)

大地の部屋に置かれていたもので、今回の動機となっている。

中身は大地の動機ビデオであり、内容は大地がこれまで積み上げてきたものが全て崩れ去ったという旨のものだった。

 

 

 

よし、この部屋はこんなところで良いかな。

 

 

キーン,コーン… カーン、コーン…

 

「さてさて、そろそろ学級裁判を始めてーんでオマエラは西棟奥の赤い扉の前に集合してくれ!」

 

 

そろそろかなとは思ってはいたけどもう少し捜査をしておきたかったな…。

よし、じゃあ最後にみんなに聞いたアリバイだけはまとめておこうか。

 

 

まずはボク。ボクは事件発生当時速瀬さんと金谷クンと3人でお茶会をしていた。途中から羽月さんも加わったけどそれはあくまで事件発生後の話。

その羽月さん自身はその直前まで真理ちゃんの部屋にいた。真理ちゃんに頼まれて言村さんと2人分のお菓子と飲み物を持っていったらしい。2人の話によると羽月さん自身も40分を過ぎるまで真理ちゃんの部屋にいた。

雷文クンは鷹岡クンや鏑木クンと一緒にジムにいたことが分かってる。3人ともそれぞれの姿をずっと確認していたらしいからそこは疑う余地はない。

伊達クンと靏蒔さんはちょうど同じ時間帯に大浴場にいた事がお互いの証言から分かっている。言葉だけだと録音の可能性もあったけれど、石鹸の貸し借りもしていたのであればどちらもその場にいたのだろう。

アリバイの確認が取れなかったのはクレイグクンと木田さんの2人。だけどボクは部屋を出てキッチンに向かうまでの道すがらに2人と会っている。2人に会ったのは2時を過ぎてから。つまりこの時間帯は映画館のドアがロックされているハズだから2人とも死亡推定時刻に映画館には入れない。

よし、これがみんなのアリバイの状況、かな。

 

 

 

コトダマゲット!

【事件発生当時のアリバイ)

深見、速瀬、金谷はキッチンで鉢合わせ、そのままお茶会をしていた。

羽月は津田と言村にお菓子と飲み物を運んでおり、事件発生当時は3人で話していた。

雷文、鷹岡、鏑木はジムにいた。

伊達と靏蒔はそれぞれ大浴場におり、会話及び石鹸の貸し借りをしている。

クレイグと木田はアリバイの確認が取れていないが、2人とも映画館のロックがかかっている時間帯に深見と会っている。

 

 

 

扉の中に入ると既に他のみんなは集合していた。

 

「これで全員だな。」

「くそっ!また1人減っちまったっ…!」

「悔しがっていても仕方がありませんわ。今はこの学級裁判を乗り越えることを考えませんと。」

「そうだけどよ…。」

 

みんなにとって想定外の2度目の殺人。みんなも動揺しているのが手に取るように分かる。でもだからこそ探偵であるボクがうろたえるわけには行かない。

あんな動機ビデオで傷ついた上に更に殺されてしまった大地クンのためにもボクは必ずこの事件の真相を暴いてみせる…!!

 

                    ・

                    ・

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【生存者】

超高校級の探偵          深見優(フカミユウ)

超高校級のレーサー        速瀬マハ(ハヤセマハ)

超高校級のバスケットボール選手  雷文竜(ライモンリュウ)

超高校級の外交官         金谷秀征(カナヤシュウセイ)

超高校級のバドミントン選手    羽月翔子(ハツキショウコ)

超高校級の医者          津田真理奈(ツダマリナ)

超高校級の歴史学者        伊達小十郎(ダテコジュウロウ)

超高校級の大工          鷹岡筋次(タカオカキンジ)

超高校級の数学者         言村香奈(コトムラカナ)

超高校級の???         鏑木麗(カブラギレイ)

超高校級のハッカー        クレイグ・ホワイトバーチ

超高校級の弓道家         靏蒔由衣(ツルマキユイ)

超高校級のバイオリニスト     木田結弦(キダユヅル)

 

残り13人




お久しぶりです!今回でやっと事件の証拠が出そろいました!ですので、誰が犯人か推理してみてください!こちらも着実に書きためていきたいと思っております!

それでは今回の設定裏話です!今回は実は前回抜けておりました、泊くんです!
泊くんはこれまでの話でも書かれてきたとおり、メガバンクと呼ばれる大きな銀行の頭取の息子であり、将来的には彼自身も頭取となることが既定路線とされていました。そんな彼の特徴として面倒見の良さというものが挙げられますが、それにはとある出来事がきっかけとなっています。彼は銀行員としての仕事をし始めてすぐのころとある中小工場に融資打ち切りの話をしに行きます。その工場長は何か大きな抵抗した訳ではなく、むしろすんなりとその打ち切りを受け入れていました。そのため彼も何も気にすることなく帰りました。しかし後日彼のもとに衝撃の情報が入ります。それはその工場長が自殺したという報せでした。周りの人からは後味はよくないがどうしても起こることだ、とフォローを受けました。しかし彼はそれではいけないと思うようになりました。そのため彼は綿密なアフターケアもするようになり、その評判が更なる銀行の業績アップの一因となっていきます。
彼の名前はかなり分かりやすいです。某倍返し系のドラマに出てくる銀行員2人の名前を文字を変えて組み合わせた形となっています。なのでドラマを見ていた方からすると単純かと思われたと思います笑。

今回はここまでです!次回からの学級裁判ではどんな波乱が巻き起こるのか、お楽しみに!!

前作の反省を生かして早々に推しのアンケートをしてみたいと思います!

  • 深見優
  • 速瀬マハ
  • 雷文竜
  • 金谷秀征
  • 羽月翔子
  • 津田真理奈
  • 伊達小十郎
  • 鷹岡筋次
  • 言村香奈
  • 美作奏
  • 鏑木麗
  • 泊直哉
  • クレイグ・ホワイトバーチ
  • 靏蒔由衣
  • 大地真英
  • 木田結弦

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