ダンガンロンパシンフォニア〜ボクの愛と希望の法廷〜   作:パルティアン

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CHAPTER2 学級裁判 後半

【裁判再開】

 

「結局大地君は自殺だったって事でいいんだよね…?」

 

羽月さんが話を切り出す。

 

「…良いと思うでござるよ。」

「動機だってあるし、ここにいる誰にも犯行は不可能なんだし、お互いを疑い合う理由はねえよな…。」

「私ももうお互いを疑い合うというのは疲れた…。」

 

マズい…。みんなの心が完全に大地クンの自殺として結論づける方向に傾きかけている…!こんな状況でボク1人が言い出したところで状況は変わるのか…?

 

「…待て。それはまだ早計だ。」

「鏑木…?」

「もし大地が自殺だったとしたらまだ分かっていない証拠がいくつか残っている。その謎を解明しない限り真の解決は望めない。」

「金谷殿…。」

「わたくしもこのままではまだしっくりきませんわ。しっくりこないということは納得感がないということ。そんな状態で結論づけるのは危険ですわ。」

「結弦ちゃんまで…!」

「それにー、他にもまだ悩んでる人もいるっぽいしねー。でしょー?深見くん。」

 

言村さんが急に話を振ってくる。

 

「う、うん。ボクも鏑木クン達の言うとおりだと思ってる。現状の推理だと大地クンの自殺だとしか考えられないけど、でもそれじゃまだ全ての謎が解けたわけじゃない気がする。」

「気がするって要は深見ちんのカンってことかい?」

「そりゃいくら何でもムリがあるぜ?」

「普通の人のカンならそうだろうけど今回はなんて言ったって超高校級の探偵のカンだからね。無碍に切り捨てることも出来ないと思うけど?」

「だがここまでの推理を導き出したのは他の誰でもねえ、優の字じゃねえか。」

「…現状ではその可能性が高いだけだ。まだ議論の余地はある。」

 

幸いまだ自殺と結論づけることに疑問を持っている人は何人かいる。だけどそのせいでむしろボク達の意見が真っ二つに割れてしまっている…。一体どうしたら…!

 

 

「お、真っ二つって言ったか!?」

 

いや、思っただけだけど。って前もこんなことなかった?

 

「ならばコイツの出番だぜ!!変形裁判場起動!!!」

 

モノトラが勝手にボクの考えを読み取って裁判場を変形させる。するとまた前回の裁判の時と同様、意見が対立している人たちが対面する形になった。

 

 

 

議論スクラム

 

 

〈今回の事件は大地による自殺か?〉

 

自殺だ!     自殺じゃない!

速瀬       深見

雷文       金谷

羽月       津田

伊達       言村

鷹岡       鏑木

クレイグ     木田

靏蒔

 

 

ハツキ「映画館の中には【大地君】しかいなかったんでしょ?」

「木田さん!」

キダ「死亡推定時刻には【大地君】しかいませんでしたわね。」

 

 

ライモン「それなら犯行は【不可能】じゃねえか!」

「金谷クン!」

カナヤ「直接の犯行はな。トリックを使えば【不可能】じゃないかもしれない。」

 

 

クレイグ「つったって映画館には誰も入れなかったんだ。【自殺】しかねえだろ?」

「真理ちゃん!」

ツダ「【自殺】なら撲殺よりももっと良い方法があるんじゃないかな?」

 

 

ダテ「しかし自殺に繋がる【動機ビデオ】があったのも事実でござるよ。」

「ボクが!」

フカミ「本来はコロシアイを起こすための【動機ビデオ】だよ!」

 

 

ツルマキ「だが犯人は死体発見時まで【映画館】に出入りできなかったはずだ」

「鏑木クン!」

カブラギ「…【映画館】は本当に死体発見時まで出入り不可能だったのか?」

 

 

タカオカ「【ロック】がかかってたって話じゃねえのか?」

「言村さん!」

コトムラ「【ロック】の話は大地くんが殺された時点での話でしょー?」

 

 

ハヤセ「じゃあ犯人はどんな【トリック】で真英を殺したっつうんだよ?」

「ボクが!」

フカミ「【トリック】はこれから議論していこうよ!」

 

 

 

CROUCH BIND

 

SET!

 

 

「これがボク達の答えだ!!」

 

 

 

「大地クンにはまだ何かしらのトリックを用いて遠隔で殺害された可能性があるんだ。だからこそまだいくつかの詳細が分かっていない証拠が残されているんだよ。ボク達はその謎を解明してからじゃないと結論づけるわけにはいかないと思うんだ。」

「…優がそう言うならしゃあねえけどよ…。」

「そう言われると可能性を無碍にできない気もするでござるな。」

「でもどうしてそう思ったの?」

「一番は真理ちゃんの検死だよ。」

「津田の?」

「うん。大地クンの傷の位置、どこにあったか覚えてる?」

「えっとー、確かー…。」

 

そう、大地クンの傷の位置は…、

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.頭の前部

 

2.頭頂部

 

3.後頭部

 

→2.

 

「これだ!」

 

 

 

「大地クンの頭の傷は頭頂部にあったんだ。そこにもう1つ、大地クンの傷の形は覚えてる?」

「確か後頭部から見て横長の長方形、という話だったな。」

「この2つの情報を総合すると自殺をするにしても、普通に撲殺したにしても違和感のある状況になるんだ。」

「…違和感?」

「凶器の持ち方、そして致命傷となる一撃の加え方だよ。傷の形を見る限り、犯人はバーベルの重りを真横に持っていたはずだ。そしてそれを頭頂部に落とすとすると?」

「自殺なら真上に腕を伸ばして振り下ろすなり落とすなりするだろうね。どちらにせよかなりの勇気とパワーが必要だよ。」

「他殺だとすると腕が大地さんの頭の真上に覆い被さる形になりますわね。不意打ちでしょうに気付かれるリスクがありますわ。」

「こんな感じでこの傷の位置と形で致命傷を与えようとするとどうあっても違和感のある状況になるんだ。」

「…つまりこの矛盾を解決するために存在しているのが何らかのトリック、という訳か。」

「そういうこと。」

「じゃあそのトリックに関係しそうなものを挙げてけば良いんだな!」

 

 

 

議論開始

 

ダテ「トリックに関係しそうなものでござるか…」

 

 

ツルマキ「【死体の傷の形】を付けるためのトリックか」

 

 

ツルマキ「ならば『凶器』に細工してあったのではないか?」

 

 

ライモン「『現場』に何か残されちゃいねえのか?」

 

 

ライモン「トリックを使ったなら」

 

 

ライモン「痕跡くらい残ってるんじゃねえか?」

 

 

キダ「『死体』の可能性もありそうですわ」

 

 

キダ「頭部の傷以外にも」

 

 

キダ「どこかに痕があるかもしれませんし」

 

 

そう言えばなんであんなところにあんな痕跡があったんだろう…?

 

【天井の梁)→『現場』

 

「それに賛成だよ!」

 

 

 

「雷文クン、それだよ!」

「現場に何か残ってたのか?」

「うん、鷹岡クンが気付いてくれた痕跡がね。」

「オイラかい?」

「そうだよ。ほら、言ってたでしょ?天井の梁に糸とか細い紐で擦ったような痕が残ってたって。」

「ああ、そういやそうだったな!」

「それが何なのだ?」

「つまり、映画館の梁には何か細い紐状のものが通してあって、しかもそれがある程度の圧力をかけながら梁の上を動いた、ってことが分かるんだよ。」

「ある程度の圧力をかけながら紐を動かすとしたら方法は限られる。力いっぱい引っ張るか、後は重さをかけるなどして物理法則を利用するか。」

「普段映画館を使うだけならそんな紐なんて圧力をかけながら梁を通す必要はねえんじゃねえか?」

「…ということはその痕は何か事件に関係する、ということだな。」

「じゃあその天井の梁に通っていた紐には何がくっついていたんだろうね?」

「うーん、常識的に考えたら凶器の重りじゃないー?」

「そう、その通りさ。」

「やったー!」

「なんでそんなことが分かるの?」

「それは重りを見れば一目瞭然さ。」

 

だってあの重りには…、

 

 

 

閃きアナグラム

 

Q.天井を通した紐にバーベルの重りが繋がっていたという証拠は?

 

〔と〕〔ぎ〕〔れ〕〔た〕〔け〕〔っ〕〔こ〕〔ん〕

 

→途切れた血痕

 

「これだ!」

 

 

 

「だって重りに付いた血痕が途切れているからね。重り単体で殴ったらそんなことにはならないでしょ?恐らく梁に通してあった紐がそこそこしっかり重りに結びつけられていたんだよ。結んだ紐の下に血痕が入り込めないくらいにね。」

「でもなんでそんな風になってんだ?」

「簡単さ。時間差で大地クンを殺すためだよ。」

「それは本当でござるか?」

「それは天井の梁の位置を見てもよく分かるんだ。」

 

だってその痕の残っていた梁の位置は…

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.映画館の入り口付近

 

2.スクリーンの目の前

 

3.映写室の真横

 

4.大地の真上

 

→4.

 

「これだ!」

 

 

 

「だって今話題に上がっていた梁は大地クンの真上にあったものだからね。」

「マジかよ…。じゃあ何か?今回のクロは大地ちんを殺すために…。」

「うん、梁と細長い紐を使って時間差で重りを大地クンの頭に()()()()んだ。それにほら、床と大地クンが座っていたイスにも傷が付いていたでしょ?アレは落ちてきた重りがぶつかった痕だと思うんだ。」

「そしてその重りが落ちるまでの時間に自分のアリバイを作り上げた、という訳だね。」

「でもよ、そんな正確に落ちる時間なんて分かんのか?」

「じゃあ今度は正確に時間を計った方法を議論していこっか。」

 

 

 

議論開始

 

ハヤセ「どうやって重りが落ちる時間を計ったんだ?」

 

 

キダ「どこかに【結びつけておいて】」

 

 

キダ「解けるまでの時間を計った、とか…?」

 

 

タカオカ「紐に【切れ目をいれた】ってのはどうでい?」

 

 

タカオカ「大雑把だが時間は分かりそうだぜ」

 

 

ツダ「うーん、どれも正確性に欠けるね…」

 

 

カナヤ「ちょっとした不確定要素で」

 

 

カナヤ「計画が崩れかねんな」

 

 

ツルマキ「だがしかしその場合どうするんだ?」

 

 

クレイグ「映画館の中には」

 

 

クレイグ「【正確な時間に動作するものなんてねえ】しなぁ…」

 

 

ハツキ「じゃあいっそのこと【運任せ】とか?」

 

 

カブラギ「…それではアリバイの確保がほぼ出来ないと思うが…」

 

 

そうか、アレを使えばある程度時間の計算が可能なんだ!

 

【ドアのロック)→【正確な時間に動作するものなんてねえ】

 

「それは違うよ!」

 

 

 

「クレイグクン、1つだけあるんだよ。映画館の中に正確に動くものが。」

「そいつは何だい?」

「ドアのロックだよ。アレは映画の開始と共に自動でロックされて、映画の終了と同時に自動で解除される。さっきも一度議論したとおり、その機能の制御レバーは誰も触れていないから事件発生当時も作動していたはずだよ。」

「あー、確かにそうだな。でもよぉ、ソイツをどう使えば正確な時間にアリバイを作れるんだい?」

「それはね、ドアのとある場所を使えばいいんだよ。」

「とある場所?」

「そしてそれは実際に事件に使用された可能性が高いんだ。」

 

そのドアの場所ってのは…

 

 

 

証拠提出

【デッドボルト)

 

「これで証明するね!」

 

 

 

「ドアのデッドボルトさ。」

「でっどぼると?」

「ドアのカギを閉めると四角の金具がでてくんだろ?アイツの事よ。」

「あー、遊んだことあるよー。」

「で、その金具がどうしたんですの?」

「そこに紐を繋げておくことで映画が終わってロックが解除された瞬間に支えを無くした紐が落ちていく、って寸法さ。」

「…だがいくら映画館の扉に隙間があるとは言え、閉まっている扉のわずかな隙間で紐を結ぶ、というのはムリがないか?」

「大丈夫、そこを補完する道具が倉庫にあったんだ。」

 

 

 

証拠提出

【モノフック)

 

「これで証明するね!」

 

 

 

「これ、倉庫に大量に置いてあったフックなんだけど、モノトラの特製でかなりの重さに耐えられるらしいんだ。このフックに紐を結びつけて、扉のロックがかかった瞬間にデッドボルトに引っかけるんだ。むしろデッドボルトには縁のところに何か金属を引っかけたような痕が残っていたからこのフックを使ったって考える方が自然なんだ。」

「…確かに、フックの方がロックが解除された後も確実に紐が外れて重りが落ちていくな。」

「こういう風にして犯人は時間差で大地クンを撲殺するトリックを…、」

 

 

「その推理、落ちるぜ。」

 

 

「いーや、ちっと待ってくれや。もしその推理の通りだとするとこれまでの話と違えところがあるぜ。」

「じゃあその矛盾を解消していかないとね。」

 

 

 

反論ショーダウン

 

「確かに深見の言うとおり、」

 

 

「そのトリックを使えば映画館にいなくても」

 

 

「犯人は大地を撲殺できたかもしれねえ」

 

 

「けどよ…、」

 

 

「その推理には致命的な欠陥があるぜ!!」

 

 

-発展-

 

「その欠陥って何?」

 

「実際にそれを示す証拠が残っている以上、」

 

「このトリックしか考えられないハズだよ!」

 

 

「まあ聞いてくれ」

 

 

「確か裁判が始まるときに羽月が」

 

 

「大地が映画を見終わるタイミングで映画館に行ったら」

 

 

「死体を見つけた、って言ってたよな?」

 

 

「ならば大地が見てた映画は【16時に終わる】もののハズだ!」

 

 

「14時40分に大地が死んでるハズはねえ!!」

 

 

なるほど、雷文クンの反論は筋が通っている。けれど、実際の状況と比較するとその矛盾は解消されるんだ!

 

【フィルムのサイズ)→【16時に終わる】

 

「その言葉、斬らせてもらうよ!」

 

 

 

「雷文クン、実はね、大地クンが見ていた映画は16時より遙か前に終わっていた可能性があるんだ。」

「そりゃどういうことだ?」

「まず前提としてね、大地クンは14時に映画を見始めている。そしてその映画が見終わる16時に来てもらうよう羽月さんにお願いしているんだ。つまり羽月さんと大地クンが想定していた映画の長さは2時間映画、一般的に劇場で流される映画くらいの長さだ。だけど実際に映写機に残されてたフィルムのサイズは大きく異なる。」

 

そのフィルムの長さは…

 

 

 

選択肢セレクト

 

1.20分

 

2.30分

 

3.40分

 

→3.

 

「これだ!」

 

 

 

「実際のフィルムは40分程度しか収録できないサイズのものだったんだ。」

「何だと!?」

「もう一度思い出してね。大地クンが映画を見始めた時間は14時。そしてそこから40分の映画が見終わるとその時刻は?」

「14時40分…。」

「ピッタリ大地が殺された時間じゃないか!」

「何で羽月さんの証言と食い違っているのかは分からない。けれど実際に大地クンが映画を見終わる時間と大地クンの死亡推定時刻は一致している。ならばこの推理は間違っているとは言えないでしょ?」

「むぐぐ…。納得したぜ…。」

「ですがそれも妙な話ですわね。」

「何でー?」

「大地さんは映画のフィルムがすり替えられていたことに気付かなかった、ということでしょう?誰かが入ってきてそんな作業をしていたら気付きそうなものじゃありません?」

 

それは確かにそうだ。ここまでの流れで大地クンが他殺であるのは明白だ。だからこそ木田さんの言っていることには一理ある。じゃあなんで大地クンはそんな犯人の行動に気付かなかったんだろう…?

 

 

 

議論開始

 

キダ「大地さんはなぜフィルムのすり替えに気付かなかったんでしょうか?」

 

 

ダテ「大地殿が気付けないほど」

 

 

ダテ「【手際がよかった】んでござろうか…?」

 

 

カナヤ「だが俺達は映写機の扱いに関しては素人だ」

 

 

カナヤ「それは考えにくい」

 

 

コトムラ「そもそも【すり替えてない】とかはー?」

 

 

コトムラ「120分1本でも40分3本でも」

 

 

コトムラ「映画を観る時間は2時間だしー。」

 

 

クレイグ「実は【大地ちんがすり替えてた】りして…」

 

 

ツルマキ「だが大地は自殺ではないのだろう?」

 

 

ツルマキ「そんなことを【する意味がない】」

 

 

カブラギ「…ならば【すり替えられる人物はいない】」

 

 

カブラギ「ということになるが…?」

 

 

もしかしてボク達はあの可能性が完全に頭から抜けていたのか…?

 

【言村の証言)→【する意味がない】

 

「それは違うよ!」

 

 

 

「待って!1つだけ可能性があるかも。大地クンがフィルムをすり替えていたかも知れない可能性、少なくとも大地クンがフィルムのすり替えを知っていた可能性と言い換えても良いけど。」

「どういうことだ?」

 

大地クンが他殺でありながらそのトリックの一端を理解していた可能性、それは…!

 

 

 

閃きアナグラム

 

Q.なぜ大地はフィルムのすり替えを知っていたのか?

 

〔き〕〔ょ〕〔う〕〔は〕〔ん〕

 

→共犯

 

「これだ!」

 

 

 

「大地クンがこの事件の共犯だった場合だよ。」

「共犯、だと…?しかも自分を殺す事件のか…!?」

「いや、むしろ今回のクロの方が共犯だったのかも知れない。少なくとも大地クンが今回の事件に関わっていた可能性を提示できる人がいるからね。」

「それは…?」

「言村さんだよ。彼女は映画館の近くで昨晩妙な音と会話を聞いているんだ。」

「それってどんなの!?」

「えっとね、乾いた音の後にマットみたいなところに重いものが落ちた音だったよー。」

「会話の方は何だ?」

「えっとねー、相手は分からなかったんだけどー、大地クン、誰かとお話ししていたみたいー。」

「そうは上手くはいかねえか…。」

「大地クンが話していた相手は分からないけど、音の原因なら推測はできるよ。前者の音が何の音かは見当も付かないけれど、後者の重いものがマットに落ちる音は多分バーベルの重りがイスに落ちた音だ。」

「何でそんな音が昨夜聞こえるんだ?」

「簡単だよ。今日、この事件のトリックが上手くいくかを実験していたんだ。大地クンの話し声も実験の結果を受けてのものだったんじゃないかな。」

「待つでござる!深見殿のその推理ではまるで今回の事件が大地殿主導で行われた、というように聞こえるでござるよ!?」

「うん、その通りだからね。だからこそさっきも言ったでしょ?“むしろクロの方が共犯者だったんじゃないか”って。」

「つまりこの計画は大地によって立てられ、そしてクロとなった共犯者の手によって実行された、ということか?」

「そう。つまりこの事件は大地クンによる何者かを共犯者として巻き込んだ壮大な大地クンの殺人計画だったんだよ!」

「いやいや、突飛すぎやしねえかい?証拠だってねえだろう?」

「実は大地クンが犯行を知っていた可能性を示すものは他にもあるんだ。」

 

 

 

証拠提出

【ポップコーンとドリンク)

 

「これで証明するね!」

 

 

 

「こいつが何だってんでい?」

「これは現場に残されていたものだよ。そして大地クンが羽月さんに頼んで持ってきて貰ったものだ。にもかかわらずこれらには一切手を付けた痕跡がなかった。多少こぼれてはいたけど恐らく大地クンの死亡時の衝撃で落ちたものだと思う。」

「よく考えてみろ。もし大地が犯行を知らずにただ映画を観るだけのつもりで映画館にいたのだとしたらせっかく用意してもらったフードやドリンクに手を付けないなんてことあり得るか?」

「アタシにはもったいなくてできねえな。」

「大地クンには犯行の詳細が分かっていた。だからこそ死に逝く自分がその直前に何かを摂取するということをしなかったんじゃないかな。」

「でもならなんで食わねえものを頼んだんだ?」

「うーん、死ぬつもりであることを隠すため、そしてもう1つ、羽月さんに嘘の映画が終わる時間を伝えることで実際の映画終了時間から16時までの約1時間20分、人が映画館に入ってきにくい状況を作るため、じゃないかな。それだけの時間があれば偽装工作も充分可能だしね。まあ必要な偽装工作が出来るかはその共犯者次第だっただろうけど。」

「大地がその計画を実行した理由はやっぱり…。」

「うん、きっとあの“動機ビデオ”だと思うよ。ボク達の最初の大地クンの自殺だ、という推理はあながち間違いではなかったんだよ。あのビデオを見て絶望した大地クンは誰かを共犯者としつつ自分を殺害する計画を立案・実行したんだ。」

「またなんでそんなしちめんどくせえことを?自殺するだけならどこかで首括っちまえばそれまでじゃねえか。」

「うーん、例えば自分が死ぬまでの一連の過程をその共犯者に準備させることに意味があった、とか?」

「確かに同じ自分の考えで死ぬにしても自殺と自殺幇助では大きく異なりますわ。だって誰が実行したのかが変わりますから。」

「っつうことは、大地ちんはその共犯者をクロにしたかった、ってワケだ。悪いやつだねぇ。」

「目的は恐らくその人物を殺すことじゃなく生かすことだったとは思うけどね。明らかに状況は大地クンの意志によって作られたもの、だけどどこまで共犯者が関わっているかは分からない、というのが大地クンの狙いだったんだよ。そう言う状況に陥ればボク達には2つの大きな選択肢を押し付けることが出来るからね。」

「…今回のクロが大地か共犯者か…。」

「でも大地クンは大きな見落としを1つしていた。」

「見落とし?」

「大地クンはボク達にさっき鏑木クンが言ってくれた2つの選択肢を押し付けたとして結局どっちを選ばせたかったんだと思う?」

「共犯者をクロにして、その人を生かそうとしていたワケだから大地クンを選んでほしかったんじゃ?」

「そう、その通り。まあ共犯者がいたということがそのことの何よりの証拠になるんだけどね。」

「何でー?」

「自分に置き換えて考えてみて。自分含めて全員を学級裁判で殺す計画を立てたので手伝ってください、って言われたら手伝う?」

「ぜってえ手伝わねえな。」

「でしょ?つまり大地クンは共犯者に対して例えば『君をクロにして外に逃がす計画を立てたから自分を殺してくれ』とか大地クンを殺してクロになってもらう取引を持ちかけた、としか考えられない。」

「そうなるな。」

「まあ色々と御託は述べてきたけど、結局のところ大地クンはこの現在に至る状況そのものが大地クンがクロになるっていう選択肢を削ってしまうものになることを見落としていた。もっと言うと今回のクロは大地クンの計画に乗って大地クンを殺した共犯者だ。」

「さすれば我々の中のその“共犯者”をあぶり出せばよい、と。」

「そういうことさ。」

「つったってどうやってあぶり出すのさ?」

「そうだね、じゃあまずは事件に使われたものから考えていこうか。今回の事件に使われた道具の中で誰でも使えたものは何?」

「えーっと、フックと重り、かな?どっちもみんなの共有スペースにあったよね?」

「そうだね。じゃあ逆に調達が難しいものは?」

「細い紐でありながら少なくとも40分間はバーベルの重りに耐えうるもの、でござるな。」

「じゃあそれを持っている人は誰かな?」

「私の弓の弦はそれに当てはまるかも知れないな。」

「バドミントンのガットもかなり強いんじゃねえか?」

「素材にもよるだろうがバイオリンの弦も相当なもののハズだ。」

「…当てはまるのはこんなところか。ならばこの3人の中に犯人がいるということになる。」

 

そう、細くて強い紐を持っているのはこの3人。この段階に来てまだ候補者が多いようにも感じられる。けれどもう1つ、この犯行を行うにあたって不可欠なものを加えると犯人はたった1人に絞られる。

 

「…いや、犯人は1人だよ。今回の計画を成功させるために必要なものが揃っているのは1人しかいないんだ。」

「マジか…!」

「それは誰でござるか…!?」

 

必要なものの説明は後回し、まずはその犯人に犯行は暴かれたという事実を叩き付ける!!!

 

 

 

 

 

指名しろ!

【ハツキショウコ】

 

「キミしかいない!」

 

 

 

 

 

「…え?うち…?」

「うん、そうだよ。キミが犯人だ。」

「待ってよ!うちはやってない!!なんでそんなこと言うの!?」

「ボクはさっき犯行に使われたものの中で重要な2つを抜かしてみんなに伝えたんだ。1つは紐をくぐらせた後に一度下まで下ろすのに使う持ち手、そしてもう1つは紐を床から5メートルの高さにある梁に通すだけの身体能力だよ。そして靏蒔さんは持ち手を、木田さんは身体能力を持ち得ないんだ。」

「何でよ…?由衣ちゃんだったら矢だって使えるかも知れないでしょ!?」

「…すまないがそれはムリだ。あの梁と天井の距離ではかなりの難易度だ。練習を積めば通せるだろうが、先に深見が言っていた実験の段階で色んなところに矢が刺さった痕跡を残してしまう。」

「じゃあ結弦ちゃんは!?鷹岡君が使ってた脚立を使えばそんな身体能力なんてカバーできるじゃん!」

「さすがに目立つだろう。鷹岡ならまだしも木田がその体格であの大きな脚立を運んでいたらな。どこかで目撃証言が出るリスクが高い。計画の目的を考えると大地が取るとは思えない選択だ。」

「でも…、でも…!うちにだってムリだもん!!!」

 

美作さんのときと同じだ。もしかしたら羽月さんは更に動揺しているかも知れない。ならば彼女の反論をいなし切って彼女自身に罪を認めてもらう!!

 

 

 

パニックトークアクション

 

「うちじゃないもん!!」

 

 

「なんでそんなこと言うの!?」

 

 

「他の2人だってできたかもじゃん!」

 

 

「殺してない!」

 

 

「うちには出来ないんだもん!!」

 

 

「なんでうちが!?」

 

 

「絶対絶対絶対に違う!!」

 

 

「うちにだって殺せない!!」

 

 

「深見君のバカあぁぁぁ!!」

 

 

『逆にどうやってうちが梁に紐を通したって言うのさ!?』

 

《天》《井》《打》《ち》

 

「これで終わりだよ!」

 

 

 

「…!!!」

「キミはガットをシャトルに結びつけ、バドミントンの基本練習の1つである天井打ちの要領で強く打ち上げ、梁に紐を通したんだ。靏蒔さんの矢と違ってシャトルは何かをひどく傷つけるリスクは少ないから多少失敗してもやり直しが利いただろうしね。」

「う、うう…。うわあああぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

「は、羽月…?」

 

羽月さんは抵抗空しくその反論を打ち破られたことで泣き出してしまった。ムリもないのかもしれない。それでもボクは前に進まなければならない。そのためにもこの事件の全てをまとめてこの学級裁判を終わらせる!!

 

                    ・

                    ・

                    ・

 

【生存者】

超高校級の探偵          深見優(フカミユウ)

超高校級のレーサー        速瀬マハ(ハヤセマハ)

超高校級のバスケットボール選手  雷文竜(ライモンリュウ)

超高校級の外交官         金谷秀征(カナヤシュウセイ)

超高校級のバドミントン選手    羽月翔子(ハツキショウコ)

超高校級の医者          津田真理奈(ツダマリナ)

超高校級の歴史学者        伊達小十郎(ダテコジュウロウ)

超高校級の大工          鷹岡筋次(タカオカキンジ)

超高校級の数学者         言村香奈(コトムラカナ)

超高校級の???         鏑木麗(カブラギレイ)

超高校級のハッカー        クレイグ・ホワイトバーチ

超高校級の弓道家         靏蒔由衣(ツルマキユイ)

超高校級のバイオリニスト     木田結弦(キダユヅル)

 

残り13人




一気に第2章学級裁判後編まで駆け抜けましたが、いかがでしたでしょうか?皆さんの犯人予想は当たっていたでしょうか?コメントなんかで教えてくれると嬉しいです!次回はおしおきとなっていくのでどんなおしおきが待っているのかワクワクドキドキということで…。

それでは今回の設定裏話!今回はこの事件の主役である大地クンについてお話ししていきましょう!
超高校級の地主である彼ですが、同時に大地コンツェルンの御曹司でもあるのはこれまでにも描かれてきたとおりですが、実は彼の一族はそれぞれ得意分野が異なります。例えば彼の父親ならコンサルティング、兄弟なら食品や出版などどこかに特化しています。そして大地クンの場合は不動産、それ故に多くの土地を所有し、彼の才能へと繋がっていきます。一族の一点特化の豊かな才能によって彼の実家の財閥は保たれているわけですね!
名前に関しては大地主であることから付けられています。名前に関しては正直ふと口に出したときの語感で決めました笑。色々な事が起こった彼ですが、普段の彼が一体どんな生き様であったのか、見てみたかったです…。

それでは今回はここまで!また次回お会いしましょう!! 

前作の反省を生かして早々に推しのアンケートをしてみたいと思います!

  • 深見優
  • 速瀬マハ
  • 雷文竜
  • 金谷秀征
  • 羽月翔子
  • 津田真理奈
  • 伊達小十郎
  • 鷹岡筋次
  • 言村香奈
  • 美作奏
  • 鏑木麗
  • 泊直哉
  • クレイグ・ホワイトバーチ
  • 靏蒔由衣
  • 大地真英
  • 木田結弦
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